ども、
稀見理都です。
早いものでもう2月ですね。でも、今年は
29日まであるのでマンガ家さんにとっては
確実に嬉しい年になっているはずw
さて、先月の30日に都内で行われた「
プロ漫画家向け確定申告講習会」に参加して参りました。いや、参加というと部外者みたいな感じですが、一応企画発案者の1人として協力しに参加したというのが正確でしょうか?
■私の交流関係では「エロマンガ家さん」ばかりになってしまう!
そもそも、えろまんがけんきゅう(仮)というサイト運営をしている人間が、エロマンガとは直接関係のない「確定申告講習会」という講習会を企画し、参加しているのか?
そもそもの始まりは、私がメインで活動している「エロマンガ家さんへのインタビュー」(エロマンガノゲンバ)でのやり取りでした。
エロマンガ家さんへのインタビューなどをサイトや同人誌等で発表していますが、そこには載せてはいないのですが、多くの作家さんが抱えている悩みや、相談の1つとして「税務業務」があったんです。
そもそも、どういう風にするのか? いや、やってはいるけど正しいのか? 他の作家さんはどうしているのか? などなど、記事には直接したことはありませんが、ほぼ例外なく多くの作家さんが抱えている悩みの1つだと思います。
マンガ家さんとはいえ、個人事業主の1人(法人もありますが)でもあるのでもちろん、
納税の義務があるわけです。ただ、その税務業務についての情報となると、実は意外に共有されているものが無いんです。今は、出版社などがサポートしてくれるケースも増えましたが、基本は自分で0から始めなくてはいけません。
しかし、マンガ家という特殊な業務形態をサンプルにした税務の教科書は少なく、そういうのをサポートしてくれる専門家も決して多くはありません。
で、そういう話を聞いて、マンガ家さんの業務を理解した専門家と共に、講習会やイベントなどを開ければいいな〜と、漠然と去年の初めあたりから模索していたんです。
そんなおり去年取材でお世話になった「トキワ荘プロジェクト」さんに、それとなく相談してみたんです。そしたら、トキワ荘プロジェクトさんも内部向け(デビュー前の入居人)の税務講習会を開いていて、ではプロのマンガ家さんに向けた「税務講習会」を開きましょうと、去年の暮れあたりにまとまって、先月の企画へ繋がったという、流れだったんです。
いや、確かに私の交流関係では「エロマンガ家さん」ばかりになってしまうので(いや、別にそれでもよかったのですが)、トキワ荘プロジェクトさんのネットワークも駆使して、もう少し大きな枠組みで実行できた訳です(^_^;
■「同人誌、なにそれ?」という税理士さんがほとんど!
この企画を進めるに当たって一番苦労したのが、マンガ業界にくわしい税理士さんを探すことでした。検索したところで「
マンガ大好き税理士!」という肩書きで広報活動している税理士さんなんて皆無ですw
知り合いのマンガ家さんの税理士さんも、基本詳しいと言うよりは、仕事をして詳しくなったという方ばかりで、最初からそんなにわかっている税理士さんはなかなか見つかりません。あとは、守秘義務という税理士さんが抱えている問題により、「
私は○○先生の担当税理士です!」というアピールが出来ないので、なかなか実務で行っていても探し出せない部分も見つけにくい要因じゃないかと…
しかも私が探していた税理士さんは「マンガ家さんの税務業務を行っている税理士」さんではなく「
マンガが大好きな税理士さん」だったので、更にハードルが上がってしまいましたw
なぜ「マンガが大好きな税理士さん」かというと、何より「マンガ家という仕事を理解してくれる税理士さん」の方が、税務知識より
クライアントとして相談しやすい、頼みやすいという部分があるからだと思ったからです。
これは聞いた話ですが、あるマンガ家さんが税理士さんを雇うことになって、同人誌の経理業務を任せたそうなんですが、その税理士さんから「同人誌って何ですか?」と逆に聞かれたそうです。しかも、「コミケ? 書店委託?」など、ほんと1から説明しないといけない事柄が多く、逆にその説明から入らなくてはいけないという「マンガ以外の余計な業務」が発生してしまった、との事でした。時間と手間を省くためにお願いしたのに、逆に手間が増えてしまい、本末転倒の状況だたとかw(もちろん今はしっかり理解してお仕事されているようです)
いろいろ探している中で、結局は全くの偶然で、「マンガ大好き税理士さん」に出会え、これが決めてで今回のような講習会を開くことが来ましたw
■継続的に行っていきたい!
さて、前置きがかなり長くなりましたが、30日に行われた税務講習会ですが、詳しい内容はニコニコニュースでも紹介されています。
「ゴスロリ衣装は経費で落とせる?」 漫画家のための確定申告講習
(ニコニコニュース)
| 30日に行われた「漫画家のための確定申告講習」の様子 | |
最初は30人の枠で募集したのですが、それでは
足りなくなり急遽45名まで募集を増やして、最終的には40名強の参加者という盛況な講習会になりました。
(私のお知り合いの作家さんもたくさん来ていただき本当にありがたかったです)
もちろん時期的な部分もあるとは思いますが、逆に今までこのような講習会がなかった方が不思議で、基本的な話からつっこんだ話まで、非常にやり取りの多い実のある内容になったかとは思います。
参加者には編集者のお方もいて、「作家さんに質問されるけど、ハッキリしたことが言えないので勉強しに来た」という方もおられました。
ただ、もちろん反省点もたくさん有り、いくら「マンガ界に詳しい」と言っても、全体全てをカバーするのは難しく、マンガ制作の実務業務とかけ離れた解説も多少はあったかとは思います。なので、そういう相違点を少しでも減らせるように、今回参加された参加者の方からの意見、アンケートなどをより考慮して、継続的にこういう講習会を開けていければとは思いました。(またやるからね〜)
■逆にマンガ家さんには税務業界?の事を知ってもらいたい
マンガ界にあまり詳しくない税理士さんが多いのも確かですが、逆に税務会?(税理士や会計士、税務署)の仕事内容、考え方などを誤解しているマンガ家さんも多いのも現状だと思います。
よくネット上でも「○○は経費になるの?」という質問が多くありますが、この答えとして100%経費になる、ならないと言うものは実はかなり少ないです。基本的に個々のケースバイケースで、細かい状況がわからなければグレーとしか言えないものがほとんどです。
マンガ家だったら、買ったマンガは全て経費になる!というわけではもちろんなく、問題は如何にマンガを描くために必要だったのかという「アピール」になります。
あと、これも勘違いされがちですが、税務署にダメ!といわれたら即、脱税=犯罪者になるわけではありませんw もちろん、特に悪質な場合で額が多いときだったら当てはまりますが、基本はアピールして、どこまで認められるかという主張的交渉前提で、お互いの妥協点を探る、言い方はよくないかもしれませんが「値切り交渉」みたいな感じになるわけです。
そこに税理士さんが加われば、「法律的な見地からより正しいアドバイス」が得られ、より主張が通りやすくなるはずです。そんなときに、「同人誌って何?」という税理士さんがうまく経費の必要性を説明できるかは確かに不安ですからねw
なので、こういう講習会を通して、まずはお互いの仕事の理解を深めるのも、いろいろなハードルを下げる1つの要因になってくれればと思っています。
まずは相談からとは言いますが、こういうアプローチもいかがでしょうか?
少なくとも、
なんちゃら税務協会!よりは、信用と実績はあると思いますよ(^_^;
私も窓口ではありますので、税務関係にお困りのマンガ家さんでしたら是非ご相談を!
あ、マンガ大好き税理士さんの情報も受付中です!w