ども、
稀見理都です。
どうも、サイトが重いという声がちらほらと…
まだ開発途中と言う事もあり、プログラムソースを無駄に入れている部分と、JavaScriptのライブラリを圧縮してなかったり、さらに安い共有サーバを使っていたりするので、もしかしたら重いと思われる方もいるとは思いますが、今後より最適化を図っていく予定なので、もうしばらく
辛抱ください。
その分、コンテンツでカバーします(^_^;
さて、エロマンガにおける独特の表現は近年の「アヘ顔」や「透視図」「断面図」「内部カメラ視点」などのいろいろな表現方法を開発してきました。その中でも、もうエロマンガにおける古典的表現とまで言われる「
乳首残像」について、その歴史と現状を少しお話ししたいと思います。
上の絵は天太郎氏の「Daisy」からの一コマで、乳首残像における代表的な使い方になります。
おっぱいの揺れを、おっぱいの動線を使わずに、乳首の残像効果によって動きの激しさを現した
典型的な使用例と言ってももいいでしょう。ただ、よく考えてみたら、乳首だけの残像が残るといというのは物理的にはおかしいというか、乳首が発光していればわかりますが、明るい場所でこのような残像が現実に映像として見ることはないと思われます。
では、なぜこの表現が一般的に使われ、支持され、エロマンガにおける基本的な効果となったのでしょう?
また、この効果を初めて使い始めたマンガ家はいったい誰なんでしょうか?
■残像バリエーションの一例
乳首残像現象は、いわば乳首の動線で、そこに
おっぱいがあったという証拠を物語っている効果で、
残像が残るぐらい激しく動いている!と、その激しさを強烈にアピールする効果でもあります。
一般的には、終点が一番濃く、始点の方が時間の経過を示すために薄くなっています。ただ、軌跡としての効果として使われる場合もあります。
けものの氏の「Groove Tube」では、始点と終点の間の軌跡としての残像が描かれています。
■乳首残像の必要性
では、何故このような乳首残像が必要とされたのでしょうか?
わかりやすい理由は「
巨乳」キャラのアピールです。
20年前ぐらいから、グラビアアイドルの巨乳化にともない、エロマンガ界も巨乳嗜好が高まってきたのは言うまでもありません。しかし、AVや映像での、そのたわわに実った巨乳の揺れに比べれば、マンガ表現はあまりにも
ハンデがありました。
しかし、それでも何とかその
巨乳を揺らしたい!揺らせて見せたい!というマンガ家の
創意と工夫がこの表現を生み出したと言っても過言ではないでしょう。
今ではあたりまえとなった、この乳首残像は、もうマンガの1つの記号として十分独り立ちをしていると言えるでしょう。ただ、あまりにもあたりまえになったしまった故に、最近ではあまりインパクトが無く、逆に敬遠される表現になりつつもあります。
ただ、エロマンガで根付いたこの記号は、少女マンガのティーンズラブ、BLなどにしっかり受け継がれていたりもします。
下の画像は、成年、少女系の両方で活躍の山田可南氏のマンガで、少女向けの
TLマンガですが、しっかりと成年エロマンガで培った技を流用しています(笑)
| 恋とHできれいになる方法(アンソロ) 山田可南(著) | |
■エロマンガが発祥ではなかった
さて、ではこの残像効果を初めて使ったマンガ家は誰でしょう?
私も
エロエロ、いやいろいろ調べたのですが、今のところこの人ではないかと考えています。
ヒントは、
巨乳マンガの第一人者!です(笑)
今ヤングジャンプで絶賛連載中、アニメにもなった「
GANTZ」の作者、
奥浩哉氏だと考えます。そして、その記念すべき最初の残像は、彼のデビュー作「変[HEN]」の1巻の193ページに見ることができます。
少し画像が荒いですが、確かに残像しています。これが、今確認されている
最古の乳首残像になります。この変[HEN]1巻が発売されたのが、1990年で、実際に雑誌に載ったのが2年前の1988年の1月という、まさに平成元年の世の中が喪に伏せていた時期に、おっぱいを振るわせていたわけです!!
すなわち、乳首残像はエロマンガではなく、青年誌が初だったと言うことになりますが、作者が奥浩哉氏だという知ると、特に意外というわけでもなく納得してしまうところが面白いです(^_^;
これは未確認ですが、奥浩哉氏がどこかのインタビューで「
乳首残像効果を発明したのは私だ!」と言っている記事があるようです。
もしソースを知っている人がいましたら連絡をお願いします!!
【追記】「GANTZ」の5巻の後書きに奥浩哉氏自身によるコメントを書かれていることがわかりました。詳しくは
こちらへ…
しかし、奥浩哉氏がこの効果をどういう経緯で思いついたんでしょうか?
残像、残像…と思って思い返してみると、乳首残像ではありませんが、まず最初に思いつく残像はやはりこれででしょう。
AKIRA自体もの凄く
衝撃的なマンガであったのは確かですが、マンガ表現で言えばバイクが走り回るシーンでの
ライトの残像!が印象的です。
AKIRAの連載は1982-1990年になります。
アニメでもこの表現は取り入れられ、忠実に再現されています。
奥浩哉氏が、大友氏を非常に尊敬していて、画風なんかも非常に似ている部分などがあるところを見ると、もしかしたらこの残像を、エロの世界に持ってくると言うアイディアはこのときに生まれたのかもしれません。時期的にも合致します。
(ただあくまで推測ですが…(^_^;)
■ではエロで初めて使ったマンガ家は?
乳首残像がエロマンガ発祥でないとしたら、次に気になるのは
エロマンガ界で初めて乳首残像を用いた作家さんは誰?と言う事です。
しかしながら、さすがにこれは未だに決定的な物証は出てきていません。なので今現在私が調べた中で乳首残像が載っているエロマンガを紹介します。
それは1992年に発売された、
うたたねひろゆき氏の「カウントダウン」というエロマンガの中にあります。
このブログを読んでいる方で、うたたね氏が成年コミックを出していたと言うことを知っている方はどのくらいいるでしょうか?(^_^;
この本は、当時のエロマンガ界では飛び抜けて売れた、もの凄いヒット作であり、今で言う「
少女マテリアル現象」のような
盛り上がりがありました。
しかし、この本を最後にうたたね氏は青年誌の方に移ってしまいましたが、当時としてはかなり良質で、エロいマンガではありました。
その、証拠画像がこれになります。
小さいですが、確かに残像しています!!!
この単行本が、1992年5月ですので、実際に雑誌掲載(富士見出版:キャンディータイム)されたのは1990年あたりだと考えられます。
奥浩哉氏に遅れて、2年となりますが、うたたね氏が奥氏の影響を受けたのか、独自に考えたのかはわかっていません。
また、この1992年以前にエロマンガで乳首残像を発見したという方がいましたら、是非連絡をお願い致します。
■昔のエロはあまり揺れていなかった…
この記事を書くに当たって、昔のエロマンガを結構引っ張り出してきて確認したのですが、この当時のエロは今とはかなり状況が違っていて、あまりおっぱいが揺れていません。いや、たぶんですがもう少し劇画調のエロだったら、揺れているかもしれませんが、
オタク向けエロ市場はロリ全盛ということもあり、あまり巨乳が目立っていなかったので、おっぱいの揺れ自体が少ないのです(^_^;
おっぱいの揺れと言うよりは、単に全体的な動線で激しさを出すと言うぐらいでしょうか?
懐かしいところで、
亜麻木硅氏のマンガなどでも、基本は縦の動きばかりでした。
いや、たぶんこの頃の私の嗜好が偏っていただけかもしれません(^_^;
昔のエロマンガ論を語るには、資料が乏しすぎますね…
このように、乳首残像の起源、発展、現状を考えてきましたが、これからもエロマンガ界では新しい表現方法がいろいろ開発され、進化し、それが他のマンガ界に影響していくことでしょう。どんな新しい表現が生まれてくるかが楽しみです。