ども、
稀見理都です。
今年は平年より、エロマンガ雑誌の休刊・創刊が多い年でした。
でも、そんな激動の年、もうすぐ世紀末!というこの年は、実はエロマンガ雑誌の記念号の年でもありました。
4月にワニマガジン社「快楽天」が通巻200号を迎え、7月には茜新社の「コミックLO」が通巻100号、そして12月にはMAXの「ポプリクラブ」が通巻200号と、移り変わりの激しいエロマンガ雑誌の中でも、老舗もちゃんと頑張っているという事を堅持していることが嬉しいしだいです〜!
ただ、個人的には○○号を謳う号が多い割りには、歴史の足跡を振り返るような特集がないのがちょっと寂しい気がします。でも、快楽天とLOさんはバックナンバーシートを作ったり結構大変な特集もあったので、嬉しかったですよ〜(^_^;
ま〜でも、エロマンガでそんな足跡、歴史を振り返っている暇があったら、エロいマンガを載せろ!という意見も確かなんですが(^_^;
でも、そんな流れにある中、今月から始まった、コアマガジンさんの「エロマンガ30周年」企画は、ちゃんと30年の歴史を振り返る特集や、その他「パクマンさんの雑誌ジャック」エロ漫画初の「くぱぁ!カードおまけ」が付いてくるなど、マンガもそうですが、いろいろと企画を凝らしてくれたいるんです。いや〜完全に俺得な企画です(^_^;
そんなわけで、今月の「メガストア」を見ながら、私的コアマガジンの歴史を振り返ってみましょう〜
■実は特許商品、おまけ企画「くぱぁカード」
コアマガジンさんは、今月の「
メガストアH」から「
メガストア」「
HOT MILK」まで3誌にまたがり、「コアマガジン エロマンガ30周年企画」を進行中だ!
主な企画内容は、今やコアマガジンの顔? なんだかんだ一番歴史のあるマンガ「ゲノム」(古賀亮一先生)のパクマンさんが、各3誌の表紙をジャックするという、エロと伝統の融合! そして、若干まじめ企画の「30周年を振り返る年表」そして、豪華プレゼント企画。最後に業界初の試み「オリジナル くぱぁカード」のおまけだ!
くぱぁカードとは、実は特許製品でもある、無限に開く紙の折り方を利用した「ひらき続けるカード」に女の子のイラストを用いたおまけで、開くんだったらやっぱり「くぱぁ!」だよな〜と、猿になれる魔法のアイテムだ(笑)
ま〜こんな感じです。
エルエルさんのイラストの真ん中をそーっと開くと!!
なんとあらわな姿をさらす、エルエルさん!!
そして、大事なところをさらに開こうとすると!!ヽ(*°ω°)ノ
くぱぁぁぁぁぁ!!! おおおっと、これ以上は自主規制!!(笑)
で、最後はイッてしまったエルエルさんだが、さらにめくれば最初に戻り、なんとこのサイクルが無限にできてしまうという、賢者タイム無しのデスマーチ!(笑)
というわけで、このおまけを楽しむだけでも買う価値あり〜(*´∇`*)
いや〜アホな企画です。
■エロマンガ30周年ってどういうこと?
「メガストア」本誌には、30周年の簡単で大雑把な年表が付いている。
でも、何を持って30周年なのであろうか?
そもそも、コアマガジンって30年も歴史ないだろう!!(笑)
もちろんその通りである。正確にいうと、30周年というのは、今年の11月でコアマガジンさんの親会社「白夜書房」さんのさらに前身の出版社「セルフ出版」が発行していた「漫画ブリッコ」の創刊から30周年!という計算になる。
1982年11月から数えて今年が30周年に当たるから、「エロマンガ30周年」ということではあるが、さらに正確にいうと「美少女コミック30周年」という意味合いの方が強い。
なぜなら、セルフ出版はこの「漫画ブリッコ」以前にも「コミックセルフ」というエロ劇画誌を発行しているので、この劇画誌をエロマンガ誌に含めるなら、歴史はさらに長いことになる。
じゃ〜〜〜「美少女コミック」なら問題ないかというと、これまたちょっとややこしい(^_^;
「漫画ブリッコ」は1982年創刊だが、上の画像を見てもわかるとおり、当初は劇画エロマンガ誌としてのスタートだった。表紙は80年にデビューした松田聖子の絵で、南伸坊が描いている。もちろん「ブリッコ」という雑誌の名前は由来は松田聖子である。
この劇画調時代は、翌年の1983年3月まで続く。
この頃は「エロ劇画」も
かなり衰退してきていた頃で、各誌新しいジャンルへの模索をしていた時期でもあった。そこに、ちょうど「ロリコン」という新しい「美少女キャラ」をモチーフにした雑誌がいくつか出てき始めたため、ブリッコは一気にその路線を変更し「美少女マンガ雑誌」への転身を図ることになる。
今の感覚で言うと「美少女」なのか?と思う人もいるかも知れないが、当時としては画期的なキャラクター起用だった。中身のマンガはまだ劇画な物も多かったが、内容は徐々にシフトしていき、ある意味美少女コミック黎明期の
代表的なマンガ雑誌になっていく。(「おたく」という言葉が記事として扱われたのも、ブリッコが初めてとなる)
なので、「美少女コミック」として正確にいうなら、1983年5月からカウントする方が正確なのかも知れないが、「ブリッコ」という雑誌自体が、「美少女コミック」を語る上で外せないキーワードであることから、「ブリッコ」の創刊1982年をコアマガジンの美少女コミック発祥の年と位置づけていることになる。(とま〜結構無理矢理ではある(笑))
■ホットミルク誕生!!
ブリッコは途中いろいろな路線変更もあり、かつ出版社も白夜書房となったが、1986年始めに休刊する。その雑誌の後継誌として「漫画ホットミルク」が1986年4月に創刊することとなる。
実はこの年の10月に、辰巳出版から「ペンギンクラブ」が創刊されるので、もし「漫画ホットミルク」が未だに健在であれば、ペンクラより歴史の長い美少女コミック雑誌となっていたであろう。
とはいえ、「漫画ホットミルク」は2001年3月まで15年のロングラン雑誌となり、多くの有名な作家を輩出した。今や世界的にも有名な作家「大暮維人」先生もホットミルクデビューの作家さんである。
| 「大暮維人」先生は1995年にホットミルクデビューを果たす | |
さて、コアマガジンと言えばもう一つ老舗の漫画雑誌がある。それが「漫画ばんがいち」である。
ばんがいちに関しては、何故こんな名前なの?とか、極道?? とか、いろいろ面白い話題があるが、それを書くと別の1つのテーマになるので、今回は割愛する。でも、現時点ではコアマガジンで一番歴史のある雑誌(19年)であることは確かであろう。
(でも、何故か今回の30周年企画には参加してませんが(^_^;)
しかし、コアマガジンと聞いて多くの人が何よりも先に思い浮かべる雑誌といえば「コミック メガストア」ではないだろうか?
それまでの、コミックハウス系の中綴じでライトなエロマンガ雑誌からの脱却、圧倒的なエロパワーで一気に業界1の書店売り雑誌になった「コミックメガストア」
あっという間に、コアマガジンの看板雑誌となった。創刊が1999年なので、こちらももう10年を越える歴史のある雑誌だ!
一方、「漫画ホットミルク」休刊後の後継誌はいろいろと迷走する。
「メガ」という新しい看板を付けるも、なかなか安定した雑誌までは成長せず、創刊・休刊を繰り返し、「メガミルク」をもって絶命する…(^_^;
唯一の例外は、「メガストアH」であろう。
(でも、ホットミルクの後継誌ではないが)
■「コミック ホットミルク」って「漫画ホットミルク」と関係あるの?
そんなおり、2007年に「コミック ホットミルク」が新創刊される。
おお〜これは往年のホットミルク再登場(復刊)かと思いきや、実は名前だけで、正式な復刊ではなく、旧版と何の関係もない。携わっている編集者も別班で、あくまで親しみやすい、というコアマガジンのブランド名を利用しているだけである。
しかし、それでも「ホットミルク」という名前の復活は嬉しい。同じ出版社からの創刊となれば、例え正式には違うルートとはいえ、気持ち的には復活でもいいだろう。
しかも、最近は例の一件があったため、制作体勢自体も昔に近いものになった感じは否めない(^_^;
と言いつつも、懐古主義者ではないので、どんどんを新しい事をやって読者を楽しませていただきたいというところが本音なんです。改めて、コアマガジンさん、エロマンガ30周年、本当におめでとうございます。また、何かの記念があったら是非呼んでくださいね(笑)
とま〜〜こっちもかなりざっくりと振り返ってみましたが、本当はまだまだ細かい歴史がコアマガジンさんにはあります。その辺は、また別の機会に〜( ^_^)/
あ、あと他の編集様〜 記念企画やりたいけど、資料がない、よくわからないと言う場合があれば是非連絡ください(笑)