みたくるみ先生 インタビュー(その2)
TOP
エロを愛するみんなのために…

2009
オタクと「性教育」
Check
ども、稀見理都です。

今月はインタビュー記事が続きましたが、久しぶりにネタ記事です。

「オタク」は性知識をほとんどエロマンガから学びます。なので、初めてでも感じるとか、中出しでも妊娠しないとか、精液は1リットルぐらい出るとか、幼女はみんな淫乱とか、女子の半分ぐらいは「ふたなり」だと思っています。

と、もちろん「脳内」での話ですが(笑)、オタクに限らず性に関する知識というのは、学校で教えてもらう「性教育」で満足(納得)している人などほとんどいないわけで、独自のネットワークを駆使し、いろいろな方法でいろいろ情報を得ていくものです。

しかし、実践的な経験にやや奥手な「オタク」達。妄想部分があまりにも現実離れしてしまった彼らにとっての「性教育」は一般の人とはやや違うアプローチが必要でした。

そんな彼らのための「性教育本」として去年(2008年)に発売され、スマッシュヒットとなった本が「30歳の保健体育」でした。

30歳の保健体育 著:三葉


オタクと性教育と関連付けたこの本は、アマゾンのランキングで一時トップになり、ちょっとした話題になりました。たくさんある「How To Sex」本とはまた違った、オタクならではのアプローチを解説したこの本が売れた理由は、今までにないテーマを扱ったからでしょうか?

いや、実は「オタクと性教育」を扱ったテーマにはちょっとした歴史があったんです。今回はそのへんを少し振り返ってみましょう〜

■オタクにとっての性教育

「30歳の性教育」は言わばオタクのための「How To Sex」本です。やや妄想気味のオタク男達のために、実際の女の子とSexする場合に気をつけること、手順、方法などをかわいいイラストをもちい、わかりやすく解説した構成になっています。

愛撫の方法をオタク絵でわかりやすく解説!


一般の「恋愛指南書」と違うところは、女の子とどう付き合い始めるか、と言う部分を最小限にして、主にSex部分の説明に重点を置いている部分です。故に、レビューなどでは「そんなところはもうわかってるんだ! 問題なのは、どうやって女の子と出会うか!、付き合う方法が知りたいんだ!」という切実な批判などもありました。

しかし、この本はあくまで「保健体育」=性教育なので、恋愛部分は一般の恋愛指南書を参考にして下さいと、完全に割り切って解説しています。

にもかかわらず、この「30歳の性教育」がここまでスマッシュヒットで売れたという背景には、半分「ネタとしての需要」と半分は「おたくとしての性教育本」としての需要があったと私は考えています。

ま〜レビューなどを読むと、必ず「ネタとして買ったんだからね!!」という、ツンデレ文句と共に書かれているものが多いですが、これはオタク的な照れ隠し表現ともとれます。それでも確かに「ネタ」の人もいるでしょう(^_^;
でも、オタクはやはりオタクとして「童貞」を捨てたいのです。

すなわち、一般の人が行う、恋愛->Sexというアプローチはオタクにとってなじめない(参考にならない)ものばかりで、そこにはオタクなりの特殊なアプローチが支持されたんじゃないかと…

電車男」がオタクにはいまいち支持されない理由は、主人公が「エルメス」と付き合いために、オタク的な行動を捨てて、脱オタとしての恋愛アプローチをするではないでしょうか?(^_^;

ま〜あくまで推測ではありますが、こういう本が売れるということ自体は個人的には、恋愛(もしくはその向こうにあるSex)に少しでも対峙しようとするオタク達の真剣さが伝わってくるので、嬉しいことではあります。

■実は昔からあった「オタクのための性教育」

オタクはよく「2次元最高!」「3次元に興味なし!」と言わばオタク・ステレオタイプ的な文句を使います。これは、半分は本音、半分は負け惜しみ的な部分があるとは思います。しかし、裏を返せば「やっぱりリアルにも興味はある」という照れの表れなので、基本的にはリアル性教育も大好きなわけです(^_^;

でもって、上にあげた「30歳の性教育」のような企画は昔からあったのでしょうかというと、結構前から実はありました。

2次元専門のエロマンガ雑誌においても、そういう企画は美少女漫画創世記からあったんです。

ペンギンクラブ 創刊号


現存する「最古」の美少女エロ漫画雑誌の「ペンギンクラブ 創刊号」にその記事はありました。1986年ですから23年前になります。
(いや〜この本は、別にコラムを書きたい内容満載なんですが、今回は割愛しますね(^_^;)

当時のエロマンガ雑誌は「コラム」が多かったのが1つの特徴でしたが、そう言う中で創刊号企画というわけではなかったですが「童貞君のための女の子愛撫テクニック」という特集記事があります。

童貞君のための女の子愛撫テクニック


ある意味、最初から読者を「童貞」と想定している失礼な記事ではあります(^_^;
この特集では、主に「おっぱいの攻め方」について詳しく書かれています。

ただ、誰がどういうデータに基づき書いているかはさっぱりわからないので、内容は経験則的な部分が多いです。エロマンガではお約束の「いきなりインサート」は実際は危険だ、まずはおっぱいを攻め、徐々に濡らせていくのがベスト!そのための愛撫テクニック講座というのが主旨のようですが。

リズミカルに揉め!!


「おっぱいは生理周期によって変化するため、日によって感じ方が変わってくる…」という何となく医学的なようで、そうでない文章を交えながら、おっぱいのさわり方、もみ方を伝授しています。

おっぱいはこう舐めろ!


揉んだあとは、なめかた講座です。「常に乳首の勃ち具合に注目し、感じていることを確かめつつ攻めよ!」とかなり具体的(^_^;

攻め方のまとめ!


最後に、いろいろな攻め方をまとめて紹介している。非常に丁寧に詳しく書いていいます。

あと、面白いトリビアではないが、こんなアドバイスをしています。

セックス慣れしていない女の子に、左のおっぱいのほうが感じるという子が多いというのを知っているだろうか。
なぜだろう、と彼女たちも首を傾けていたりしているけれど、いろいろ調べていったら、なんのことはない、処女や、それに近い女の子は、自分で左のおっぱいをモミモミして感じやすくしているのだ!


しかし、だから左胸を攻めろ!とは言わない。逆に慣れていない右乳から攻めて、遠回しじらし戦法を使え!という高級テクニック?をアドバイスしている。
というか、私も「左乳のほうが感じる」というのは初耳だったが、これってホントなんでしょうか?(^_^;

■元祖「30歳の性教育」

「童貞君のための女の子愛撫テクニック」は主におっぱいネタであったが、今度はまさにオタクのための「性教育」記事としての元祖ではないかという記事。

その記事は「漫画ホットミルク」のコラムにあった。

漫画ホットミルク 1986年6月号


先頃電撃復活したエロマンガ雑誌「漫画ホットミルク」の1986年6月号(と言っても、全く別物としての復活だが…)。

その中のコラムに「パート別完全愛撫術 にゃんにゃんテクニック」という特集がある。「にゃんにゃん」という語感に時代を感じさせるタイトルです(^_^;

パート別完全愛撫術 にゃんにゃんテクニック


こちらは「ドクトルよしえ氏」という謎の講師による「How To Sex」講座になっている。テーマは「愛撫」であり、キスから始まり、おっぱい、背中、髪の毛からふくらはぎと、ほぼ女の子の全身についての「愛撫」テクニックを解説しています。

全身愛撫テクニック!


そして、最終的にクンニ講習があり、女性器の詳しい解説も載っていて、まさに「性教育」としての特集になっています。

女性器の構造とクンニ指南!


■時代が要求していた!?

しかし、紹介した2つの記事をよくよく読んでみると、基本的には今もあるような「How To Sex」本とあまり違いはなく、特にオタクをターゲットにした、というか、オタクならではの解説、説明はあまりありません。そういう意味では「30歳の保健体育」とは基本的なコンセプトはもちろん違うでしょう。

時代的な背景を考えると、1986年は、漫画では「ハートカクテル」ドラマでは「男女7人夏物語り」などがヒットし、恋愛に関する世間的流行というか、本田透的に「恋愛至上主義」がより協調されつつあった時代、もしかしたらそういう時代背景にこじつけ、穴埋め的に出された企画であった部分も感じられないわけではない、とは思います。

とはいえ、こういう企画は時代が変わっても、またオタクが変化してきても、企画され読み継がれていくものだとは感じたしだいです。(^_^;

「俺は2次元専門!」という人ももちろんいるとは思いますが、ホントはリアルな「性」にも興味があると胸を張って主張しても恥ずかしくないとは、個人的には思ってるんですが、やはりそういう人間は、オタク的には空気が読めてないんでしょうかね?(^_^;

あと、関係ないですが「性教育」というのはしばしばネタにされやすいジャンルでもありますが、その中でも一番好きな本が、「童貞カリスマ」のみうらじゅん先生の「正しい保健体育」でしょう(^_^;

ただしい保健体育 著:みうらじゅん


こちらは「How To Sex」以前の「童貞」としての過ごし方から正しいオナニーの仕方と、若い頃から女の子とHなんてするもんじゃないという、宗教的なシャレの効いたすばらしい本です。是非とも読んでいただきたい本の1冊です!!
 
106 ero

みたくるみ先生 インタビュー(その2)
TOP
エロを愛するみんなのために…