「えろまんがけんきゅう」と言いながら、何にもエロマンガの研究もしていなければ、レビューもしてなくてすいません(^_^;
しかも、今回もレビューではありますが、いわゆる成人向けエロマンガではないです。
まえまえから気になっていたマンガが発売されていたので、買ったんですが、これがなかなか深いテーマで面白いです。テーマは「オナニー」です。
■セルフ
朔 ユキ蔵(著)
名前からは誤解しそうですが、女性作家です。
しかし、今までは青年誌系で、どちらかというと男性視点のお色けものを描くことが多かった作家さんですが、今回のテーマはすばり…
「オナニー」です!
しかも、男性のオナニーを真剣にテーマにして、1冊まるまる引っ張ります(しかも続く)。
面白いのは「オナニー」というテーマから、エロい話を想像してしまいがちですが、このマンガの正確なテーマは
「オナニー道」と言うべきでしょう。
もう道です(笑)
まじめに「オナニー」に取り組む青年の話を、女流作家がまじめに描き上げるという、これまた面白い構図になっている点も興味深いです。
まず設定ですが、主人公の成年国木田(♂)は、いい年になると言うのにまだ一度もオナニーをしたことがありません。周りの男どもが下ネタで、オナニーやおかずのことを話しますが、その話に全然ついて行けない主人公。
しかし、それには理由があります。彼がまだ中学生だった頃に隣に引っ越してきた大人の女性に、あっという間に
「筆おろし」をされてしまいます。
すなわち、オナイーを覚える前に、すでにセックスを知ってしまうのです。
その時に言われた
「人間は性器の奴隷」という言葉が彼の脳裏から離れなくなります。
それ以来、彼のルックスがいいのもありますが、彼は非常に女性にモテて、女性とのセックスには事欠かない状態になります。
しかし、彼の脳裏をよぎる「人間は性器の奴隷」という言葉と、セックスをしても満たされない気持ちが、彼のコンプレックス(オナニーをしたことがない)を増幅させます。
「オナニーをしてみたい」と、ふとそう考えるようになった彼は、図書館でよく貸し出されている「マスターベーション」の本を借りて、独学でオナニーを学び始めます。
見よう見まねで、自分のモノを握り、試行錯誤します。
そんな場面を、偶然妹に見られたりしてパニックにもなりますが、それでも彼の探求心は衰えません。
オナニーでイク感じは、登り棒を登り切った時のような感じだ!というネットでの書き込みがあると、それをまじめに実行します。
そんな努力が実ったのか?(^_^;
彼は、徐々に「オナニー」の魅力にとりつかれていきます。技術面、メンタル面、いろいろな妄想、テクニックと、まさに「道」を開拓するわけです。
いつしか、セックスよりオナニーのことが頭から離れなくなっていきます。
高校生男子が一度は通るという「こんにゃくオナニー」なども律儀に試します。
(私はやったことはないのですが(^_^;)
彼のオナニーはどんどんエスカレートしていき、
一人仁王立ちオナニーにまで発展します!(笑)
しかも崖っぷち!!(すげ〜〜〜〜)
と、ここまで真剣にオナニーを考えるマンガは今まで一度もなかった気はします。
オナニー自体は、男の子にとっては「当然」という行為として今は認められている? という部分ではありますが、友達同士でする猥談程度の話ならよくあるかもしれませんが、こういうテーマをまじめに取り上げた形は非常に面白いです。
ただ、さすがにそこまで真剣になるかというのは行きすぎてるんじゃないの? と突っ込む感じでもありますが、よく考えたら、オナニーをする前にセックスを知ってしまう!と言う行為自体をほとんどの男子が想像できないので、もしかしたらオナニーの方がセックスに勝ると思えるのかもしれない、とは考えてしまいました(^_^;(あ〜うらやましい)
マンガの中でも言っているが、相手にあわせるのが苦痛になってきた場合、セックス自体に苦痛を感じ、一人で自由にコントロールできるオナニーの新鮮さに気づくという、そういうシチュエーションは有りなのかも、と思ってしまう。
そういう意味で、オナニーのプロの男性があまり考えたことのないテーマとして、非常に面白いと思った。続巻なので、今後に期待である…