その1からの続きです。
こういうものは一応今年中に書ききらないと意味がないので、がんばって書きます(笑)
ただ、その2はやや個人的に考えさせられる内容が多かったです…
■秋葉原連続殺傷事件
この事件を特に成人指定する必要はないのですが、現在の一部のオタクが抱える鬱屈した気持ちが最悪の形なってしまった悲しい事件として、やはり個人的に忘れられない事件でした。また、この事件からほぼ1週間後に「宮崎勤」の死刑が執行されたというのも、偶然じゃない気がしたのは私だけではないのではないだろうか?
もちろん、彼がオタクなのか? 問題は派遣問題や雇用問題であり、オタクとは関係ないという人もいると思う。私も彼の取った行動が「オタク故の歪んだ考え方」だけだったとは決して思わない。
しかし、彼がネットでも誰からも相手にされない、非モテ的思考を持っていた、オタク的趣味を多少なりとは持っていた、そして何よりも「秋葉原」と言う場所を犯行の舞台として選んだという点は無視できないとは思う。
彼の起こした事件を、私たちオタクは単なる「オタク落ち」したダメな人間が起こした事件として対岸の火事としてみるのではなく、今後彼のような人間を生み出さないように、どうしたらいいのか? どういうオタク同志のつながりが必要なのか? など少しでも考えていくべきではないだろうか? とは思った。
■腐女子マンガブーム(腐女子というキャラの確立)
「腐女子」自体のブームは去年からありました。主に「乙女ロード」は始点に、執事カフェ、男装カフェなどのメディア的に取り上げやすい部分で盛り上がり、「腐女子」という言葉が一般社会に多少なりとも露出したのが去年とすれば、今年はオタク内における「腐女子キャラ」というキャラが確立し、マンガなどに頻繁に出てくるようになりました。
わかりやすく言えば、アニメに一人は出てくる大阪弁のキャラのように「腐女子」という設定のキャラがどの話にも何の説明もなし出てきても違和感がなくなったという感じです。
ただ、大阪弁のキャラも、ネイティブの大阪人から見れば「こんなやつおらへん!」と思うように、腐女子キャラもリアルを追求したものではなく、そう見える特徴を誇張したものとして成長しているとは思います。
ただ今年ブレイクした腐女子キャラには、リアルな腐女子をマンガ化したような「801ちゃん」「腐女子彼女」などもあったので、リアルとの対比という面でもいろいろなキャラが登場したことは間違いないでしょう。
■堺市図書館 BL書籍問題(いったい問題はどこにあるのか?)
(写真は堺市図書館とは関係ありません)
現在も進行形の問題。堺市の図書館がBLの貸し出しをしている状況で、一般市民から「子供が見るにはふさわしくない」という投書を受けて、一時BL書籍の制限を決めたが、今度は反対に「特定の本を排除するのは問題」とする避難を受け、制限を解除するという、右往左往するお役所の対応自体が、今一番問題になっている部分でもある。
この問題、一見「図書館にエロ本を置くとは何事だ!」という問題かと思っていたが、問題は非常にややこしく、BLは青少年にふさわしくないものなのか、またジェンダー問題がらみで弾圧を受けたとか、表現の自由を侵害しているなど、複雑な構造に発展していることは確かだ。
近年、腐女子、BLの露出が多くなってきて、この問題は図書館だけの問題ではなく、今後書店での取り扱いの問題、BLがポルノかそうでないのか、またホモフォビア、セクシャルマイノリティー問題として腐女子にとって決して「ほっておいて下さい!」と言えない状況になってきてはいる。「腐」と、言っておきながら誇りを持って主張しなくてはいけない部分は、一般人相手にはやや不利な部分もあるが、やはり避けては通れない問題になっていく事は必至だろう。
■伝説のエロマンガレビュアー「天然猫肉汁アリス缶詰」ブログデビュー
急に軽い話題(笑)
というかかなりの個人的な話題で申し訳ない(^_^;
アマゾンで、トップレビュアー500位に入っている、エロマンガ専門のレビュアー。月に多くて40冊以上の成年マンガを購買し、ひたすらアマゾンに愛のあるレビューをし続けた結果、現在千冊を超えるレビュー数になっている。(画像参考)
彼のレビューがないエロマンガはないぐらい、と思わせるぐらいの量と速さである。
そんな天然猫肉汁アリス缶詰氏が、満を持してブログデビューを果たした。
「天然猫肉汁アリス缶詰」
ブログでも、そのエロマンガ絵の愛情はすさまじいものがあり、読む度に脱帽。ここまで思い入れを込めて読んでもらえるエロマンガは幸せ者である(^_^;
ちなみに私のアマゾンレビューランキングは 122,996位です(笑)
■かんなぎ非処女発覚?で、オタクぶち切れ!?
アニメ「かんなぎ」の主人公なぎが実は非処女だったと言う噂が流布し、それを知った信者が「抗議」。マンガが休載!と、本当か嘘かわからない話題で盛り上がるという事件。
ネットでは、この事件自体が「ネタ判定」されている雰囲気は強いが、例えネタとしても、それに食いついてこれだけの大事になるという現象自体が、オタクと処女信仰、という関係を考える上で非常に気になった話題ではあった。
オタクと処女、オタクと童貞というキーワードは、非常にネタや話題になりやすい部分がある。それが、妬み嫉妬なのか、コンプレックスなのか、愛情なのか?
まさに、多くの人の意見が聞きたい事件ではあり、このブログでももしかしたら今後も追いかけていくテーマになるかもしれない(^_^;
■不快感と言う理由で取り外された「蘇民祭」のポスター
このニュースが何故「オタク向け?」なのかと思われるかもしれないが、表現されたものをどう感じるか?と言う意味で、一般人がオタクをみる時の「嫌悪」「偏見」という部分において非常に似ているところがあるかもしれないと思って、あえてニュースとして取り扱ってみた。
コミケが近づくと、りんかい線沿線の駅には、アニメキャラのポスターで構内は埋め尽くされたりするが、もしアニメに興味のない人間がこのポスターを見て「不快感を感じるから取り外してくれ!」と言ったらりんかい線側は(りんかい線はJRじゃないけど)それを認めるんだろうか?
「蘇民祭」も「オタク向けアニメキャラ」も性的な部分では似たような性質を持っている、と密かに私は思っている。見慣れた人にとってはなんてこともない写真や、絵かもしれないが、確かにそれを確実に「苦手」とする人々もいる。しかし、問題なのはただ「不快だから」という気持ちを訴えることで「ハイその通りです!」と問題を棚上げにしたまま、長いものに巻かれる判断はいかがなものかと…
多数決で不快なものがどんどん削除される世の中の方がやはり怖いし、表現というものを考える前に、感情論だけで事を判断していく流れははやり問題があると思う。似たような例で「セントくん」問題もあったが、そういういみで「表現」とは何かという意味で考えさせられた問題ではあった。
■マンガ論争勃発(去年に引き続き)
この本を読んで「目から鱗が落ちた」のは去年のこと(いや正確には今年なのか?)。俺は左翼だったのか?と思ったわけではないが、このネット時代だからこそ、正確な情報、両者の立場、を見極めることが実は難しくなってきているという現状をよく理解した上で、実際に話を聞くという大切さを、本当に感じた1冊であった。
児ポ問題が発端であったことは確かではあるが、情報だけが一人歩きをしていて、何が本質で、何が実際に起こっているかと言うことをつかむことは非常に難しい。それ故、実際に永山氏や、昼間氏の(この本の著者)話を聞くことは非常に効率よく、問題を理解し全体を把握することができた。
今年1年はとにかく「表現」とは何?と言うことを多く考えさせられた1年であった。
それは同時に、エロという表現、同人誌という表現がオタクと、そうでない人間にとってかなりの「壁」を感じた部分でもあり、またオタク同志であっても、表現に関心がある人ない人いろんな立場をみることができた。
自分もエロマンガという1つのサブカルチャーを考えていく人間として、一人のエロマンガファンだけではなく、その表現自体に関心をより抱いた年になった気はする。
マンガ論争勃発第2弾は今春発売予定とのこと。
本当は今年中に販売を予定しいたらしいが、取材の大変さと、大幅な加筆から予定より少し遅れているらしい。(^_^;
ただ、今春発売の「マンガ論争勃発第2弾」の時期に合わせて、このブログでも著者(永山氏、昼間氏)へのインタビュー企画などを予定しています。