ようやく方向性が見えてきた
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エロマンガレビュアー座談会(その1)

2009
「まんが王倶楽部」さんインタビュー
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さて始まりました新企画!「とりあえず気になる人(お店)に話を聞きに行こう!」企画第一弾は、八王子にお店を構えるマンガ専門書店の「まんが王」さんの、さらに専門部署の主に通信販売業務を行っている「まんが王倶楽部」さんにお話を聞きに行ってきました。

マンガ専門店といえば、古くは「まんだらけ」さんや、神田の「高岡書店」「まんがの森」さんなどがあり、今は聖地こと秋葉原に大手の専門店がどんどん進出、新規出店が絶えません。しかし、今回取材した「まんが王」さんは、そんな聖地からは少し離れた八王子という場所ではありますが、かなり昔からマンガ一筋でがんばっている、元気なマンガ専門店ではあります。

さて、では今回何故「まんが王倶楽部」さんを取材したかというと、成人向けコミック、そうエロマンガに対してHPから伝わってくる強烈な「愛」を感じたからです。
エロマンガを扱うマンガ専門店はもちろんたくさんありますが、データはもちろん、個々のマンガのレビューをしっかり行っている書店は実は多くはありません。「まんが王倶楽部」さんはかなり早い時期から、マンガのレビューをHPなどで商品と一緒に載せるという形態を取ってきました。

そこには、ただ単に本を売るための義務的な文章ではなく、エロマンガに対する「愛情」がありました。昔から気になっていた書店ではあったので、これは是非お話を聞きたいと、さっそく通信販売部のリテールマネージャーの「渡邉」さんにお話を伺ってきました。

八王子駅北口


JR八王子駅の北口のロータリーを抜け、ヨドバシカメラのちょうど裏へまわると「まんが王 八王子店」があります。書店の店舗は、ここ八王子店と立川店がありますが、通信販売部の「まんが王倶楽部」さんはこの八王子店のビル内にあります。

まんが王 八王子店



「まんが王 八王子店」をしばらく散策。成人マンガコーナーもとても充実しています。独自のPOP、ランキング展示と工夫もいろいろありました。お店の広さはワンフロアーながらも、結構広く秋葉原の専門店に負けないぐらいの品揃え。レビューを参考?に3冊ほどエロマンガを購入し、待ち合わせた渡邉さんにさっそくお話を伺いました。

ゲストプロフィール
渡邉 泰弘
勤続19年目、現在は「まんが王倶楽部」通信販売部のリテールマネージャーと言う肩書きで、主に通信販売の業務を行う。エロマンガへの情熱は誰よりも強く、レビューを書き続けてすでに約9年。といっても、エロマンガ好きと言うよりは、あくまでマンガ好きの延長としてのエロマンガであり、そう言う意味では特別区別しているわけではない、との事。

■「まんが王」さんの秘密に迫る

稀見:わざわざこんな訳のわからないブログサイトのために時間を取っていただきありがとうございます<(_ _)>
渡邉:いえいえ、よろしくお願い致します。
稀見:まず、簡単に「まんが王」様の沿革というか、お店の歴史みたいなものを教えていただけますか?
渡邉:一応書店は「有限会社スイコ企画」の書籍販売部という形にはなっていますが、他に何かやっているというわけではないんです(笑)
八王子店ができたのは1985年ですね。今のお店から1分ぐらいの所に今の半分、そうですね20坪ぐらいのスペースだったと思います。
そこでまずはマンガ専門店を始めたんですが、うちの社長が「これからは通信販売だ!」という事を常々言っていまして、パソコン通信、インターネットなどの発達してきた1995年の11月に「通信販売部」を立ち上げたんです。
その時はニフティーサーブさん、ジャストネットさん、ビッグローブさんに「まんが王ニフティー店」みたいなものを作りまして、そこで通信販売を行っていたんです。
稀見:じゃ、ちょうどパソコン通信からインターネットへの転換期あたりですね。その頃、マンガ専門店で通信販売を行っていた書店は少なかったじゃないですかね? いわばネット通販の先駆けのような…
渡邉:そうなんですかね? でも、そうかもしれませんね〜 でも実はその頃はまだ私も書店の方で働いていたので、詳しい事はわからないんですよ(笑)
そして1998年8月にようやく、HPを開設しまして、今の「まんが王倶楽部」を立ち上げた訳なんです。
ま、以下今に至る、と言う感じですね。
稀見:まんが王さんのHPを見ると、だいたい2000年ぐらいからのデータが入ってますよね。成人コミックに関しては、アマゾンさんのデータが結構いい加減なので、非常に重宝しています(笑)
ちなみに、HPは外注ではなく、お店の手作りですよね?
渡邉:外注ではないんですが、知り合いの方に手伝ってもらって基本的な部分は作ってもらっていますが、データや更新などはほとんど店側で行っていて、非常に手作りな感じになっています(笑)
稀見:いや〜そこがいいんですよね〜 プロに任せて綺麗なHPを作ることは確かに重要なんですが、コストがかかるし意外と内容がなかったりするんですよね。
それに比べて「まんが王倶楽部」さんは、頻繁な更新と、非常に細かい情報が満載でアットホームというか、読者とお店の距離感が近い感じがして好感が持てるんです。
渡邉:そう言っていただけるとありがたいです。
稀見:今「まんが王倶楽部」さんの組織体制というのはどうなっているんでしょうか?
渡邉:そうですね「まんが王倶楽部」について言えば、社員4名と、数名のアルバイトで業務を行っています。
うちは店長という役職がないんで、それぞれがみんな責任を持って働いているという感じですね。仕事内容としては、基本的に全部ですね。注文を受けて、倉庫から在庫を取ってきて梱包して発送ですね。
うちは佐川さんを使っているので、その集配最終が6時なので、そこからですねデータ入力は。本をスキャンして、データを打ち込んで、レビューするものはして、そんなことをしているとあっという間に10時、11時ぐらいになって、帰るのもそのぐらいになっちゃいますね。いや〜大変ですよ。でも、みんなマンガが好きなんですよ(笑) そうじゃないとこの業界やっていけませんから
稀見:ほんと夜遅くまでご苦労様です。でも、書店の方も11時ぐらいまでやってますよね?
渡邉:そうですね、場所柄なんでしょうか? 八王子って周りに大学が多いじゃないですか。なので、昼間から夕方にかけては学生さんが多いんですが、夜になると入れ替わりに、帰りがけのサラリーマンが多くなりますね… そう言う点では、秋葉原のお店よりは夜のお客さんは多いでしょうね。






■エロマンガレビューの秘密に迫る

ボリュームのあるレビュー


稀見:レビューの話なんですが、実際レビューを始めたのっていつ頃になるんですか?
渡邉:詳しいところは調べないとわからないんですが、たぶん2000年から2001年あたりだと思います。
稀見:結構早いですよね。その頃からエロマンガのレビューを書いていた人ってまだあまりいなかったんじゃないでしょうか?
ところで、一番聞きたかった部分なんですが、エロマンガのレビューはどういう基準で本を選んで、どういう基準でランクを付けているんですか?
渡邉:基本は「俺が好きだから!!」です(笑)
基本的にレビュー自体は誰が行ってもいいんですよ。ただ、エロに明るいのが私と、もう1人「星野」という社員がいて、実際エロに関してはこの2人に限定されている感じですね。ランク付けも、もう完全に「独断と偏見」です(^_^;
稀見:ほぉ〜そうだったんですか! じゃ、まんが王さん推薦というよりは、完全にレビューする個人の意見という意味なんですね。「殿堂入り」といランクも、じゃもちろん個人的判断というわけですね。
渡邉:そうです! 完全に「俺が殿堂!と決めたから殿堂」です(笑) レビューを書く人が個人の責任を背負ってレビューしています。なので、レビューする本の選定も基本的には個人のレビューしたい本を選びます。

これが殿堂入りだ!


エロマンガなどは基本的に雑誌でも読んでいるので、雑誌掲載の時点である程度目を付けていて、そう言う基準で選ぶことが多いとは思います。
稀見:いや、実はそこは気になっていた所なんですよ! レビューってどういうスタンスで書くか、評価するかって重要だと思うんですよね。
ランクの場合、お店が最終的に評価しているのか、個人が評価しているのかで見方が変わってくると思うんです。
そう言う意味では、レビューや評価を渡邉さんが評価している!と言うのがわかることで、見方がよりクリアーになったと思うんです。
渡邉:なるほど、そういうもんなんですか… でも苦手なジャンルとかでも、例えば陵辱系とかは苦手なんですけど、良い単行本はあるんですよ!でも、本当に好きな人に申し訳ないというか、そう言うのを思うとなかなか書けなくて、なので自分としては好きなジャンルを書くというポリシーではありますね。ロリとかも苦手なんですけど、そう言うと星野に「それじゃ商売人としてダメだろ!!! 読まなきゃ!!」って(笑) でも、逃げちゃうんですけど…
稀見:で、こういうレビューをしていて反応とかはありますか?
渡邉:う〜ん、特にないですね。でも、レビューを上げた後に実際に注文としてリアクションがあるときは、あ〜よかったな〜とは思いますね。
嬉しいことに苦情はありませんね。でも、当然ですがいい加減なことを書くと、それはそれでうちの売上に響くとは思いますので、ちゃんと書こうとは思っています。
一応分析というかジャンル分け(ラブラブ・ストーリー系、ラブあり鬼畜ありの色々系、鬼畜&ハード系など)の情報などは載せていますが、たまに『これ純愛じゃないのに純愛系にしやがって!』みたいな事は言われますが(笑)
稀見:渡邉さんはレビューを書くときに参考にしている、もしくは他に見ているレビューページなどはありますか?
渡邉:他のサイトはほとんど見ていません。でも、自分でレビュー書いていて、凹みますね〜
稀見:え? 凹むんですか?
渡邉:評価とかで凹むんじゃなくて、どうしてもこの人の文章には勝てない!というページを見ると凹みますね〜 
例えば「春屋」というニュースサイトがあるんですが、そこの春吉さんという方の文章が独特で、比喩表現が半端じゃないんですよ。

ニュース系サイト「春屋」


こういった方の文章をよんでから自分のレビューなどを読み返してみると、かなりテンプレート化してきているというか、言い方が決まっていて、昔の文章なんかも読んでみると、何でこんな文章書いてるんだって(笑) 
ほんと、そう言うときに見せられると凹みますね… もっと本読め、文章書け!って言われている感じがしますよ。
稀見:逆に刺激になることもあるかと? そう言う意味では、自分のレビューが変わってきた部分もあるんじゃないですか?
渡邉:刺激にはなりますね〜 でも、かといって丸パクリにするわけにもいきませんしね(笑)そのへんは葛藤ですね。
あと変わった部分ですね。昔の方が「感情」を出していた気はしますね。あと、すごく好きですごく書きたいレビューなのに言葉が出てこなかったり、昔ほど怖いもの知らずじゃなくなった感じですね。何か無難なところで納めようとしている、まさにテンプレート化しているという部分が最近の悩みでしょうか?
でも、やっぱり「好き」だって言うところを一番伝えたいですね。「俺はここが好き」という部分ですね。おっぱいが本当に好きだったら、文の最後は「おっぱい」で締めるとか(笑)

■最後に…

稀見:では、最後にこのブログを見て下さっている方に「まんが王」また「まんが王倶楽部」さんからメッセージを!
渡邉:え〜〜(5秒)
マンガが好きと言う点においては、これは言っちゃってもいいかな? たぶん、どこにも負けないという自信はみんな持っていますので、こんなショップもあるんだな、という点を多少心に留めていただければ、もしくは私の趣味と「合致」する人がいらっしゃいましたら是非ともレビューをさかのぼって読んでいただければ、きっとお気に入りの1冊が見つかると思います、みたいな(笑)
とにかくこんなへんぴなところで頑張っていますので、よろしくお願い致します<(_ _)>
稀見:今日は貴重なお話本当にありがとうございました。
渡邉:ありがとうございました。

■「まんが王 八王子店」さんデータ!

店舗名まんが王八王子店
所在地東京都八王子市東町1-10 グランデハイツ1F
電話042-645-9121
FAX042-642-1009
営業日年中無休(元日のみ休み)
営業時間平日午前10:00〜午後11:00
土日祭午前10:00〜午後10:00
※天候やイベント等の諸事情により営業日・営業時間が変更になる場合がございます。
営業日・営業時間の確認はお気軽に電話下さい。
 
330 ero

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