ども、
稀見理都です。
4月に受けた「
人間ドック」の結果は特に異常なしだったんですが、腎結石の疑い有りと「
ピロリ菌」がどうやらいるようなので、専門の医者に行ってくださいと言われました。「ピロリ菌」ではなく「
ポロリ菌」だとエロマンガのネタになりそうです(笑)
さて、この「えろまんがけんきゅう(仮)」のメインテーマの1つである「エロマンガに関係した方へのインタビュー企画」ですが、その中でもメインの「
エロマンガ家さんへのインタビュー企画」は
定期的に行っていきたい企画ではあります。
作家さんへのインタビュー企画はよくある企画ではありますが、エロマンガ家さんに限定すると、あまり見かけることは少ないようにも思えます。しかし、調べてみると実は今までにもよくあった企画ではありました。
今日はその
ちょっとした歴史を振り返ってみたいと思います。
■稀見理都の作家人選基準
まずは、私がインタビューを行ないたいと思っている作家さんの基準と言うものをお話すべきかと…(^_^;
もちろん手当たり次第思いついた人と、と言うことはありません。まず単純に以下の基準があります。
・稀見理都が気になっている作家
・実際に直接お話を聞きたい事柄がある作家
・多くの人が注目している作家
この3つに集約されますが、基本はなんと言っても「
気になっている作家さん」という部分が大きいです。しかし、それだけでは個人的なファン、好きなジャンル(ふたなりとか)、そういう部分ばかりになってしまいます。なので、なるべく自分の趣味指向を分散させつつ、多くのジャンルに渡って人選できればとは思っています。
新人さんからベテラン作家さんまでこちらもできれば大きな幅でオファーしていこうとは考えていますが、個人的に
昔の作家さんが好きなので、そのへんは偏ってしまうかもしれません、すいません(^_^;
あ〜それでも、
小心者なのでどうしても最初は自分の友人の作家さんや、お友達の作家さんなどが多くなってしまいがちではありますが(笑)
気になる=作品を読んで興味がある、面白い、どうしてこんな発想ができるんだろう?という流れが基本ではあるので、もちろん作品を読んでもいないのにインタビューをするなんて
失礼な事はできませんし、インタビューするなら作家先生の本は全て読み込む意気込みでもあります(というかそうしないとインタビューなんかできません(^_^;)。
そして、なりよりそのインタビューの内容を楽しんでいただけるよう、しっかりお話を引出し、まとめ、編集できる技術をもっと私自身が向上させないといけない、と思う今日この頃です。(毎回反省の連続です(^_^;)
■インタビュー企画のちょっとした歴史
一般マンガと違い「ヌキ至上主義」として考えると作家という存在はやや軽視されがちではあります。しかし、ファンとしては作品を読む上で、それが例えヌキツールとしても、作家さんがどのような人で、どういう事を考えているか? と言う部分は気になる部分でもあるでしょう。
エロマンガには書籍案内本、批評本、ランキング本などが少ない故、必然的に作家さんへのインタビュー企画なども少ないですが、それでも企画としては、雑誌本誌や他のムックなどでいくつか見ることができます。
毎度の事ながら、
持ってくる雑誌が古くてすいません。1984年発行の
ビデオ出版初の美少女コミック「メロンCOMIC」創刊号には、
ロリコンの神様「内山亜紀」先生のインタビューが掲載されています。(表紙も内山亜紀先生ですね)
ロリコンマンガ家の元祖で、未だに現役でロリマンガを描き続けていらっしゃる内山先生の初期のインタビューになります。インタビュー記事のおもしろさは、作品の裏話や、先生自身のプライベートな事を垣間見れることでしょう。
また、逆に衝撃的な事実を知る事だってあります。この記事では、先生自身が
写真付きでインタビューに応じていますが、その中に
衝撃的な一文があります。
インタビュアー:最初からロリコンを?
内山亜紀:初めは劇画の方でした。エロですけどフツーの漫画でした。それがある日、レモンピープルの久保さんところの仕事で、一度女の子の年令を下げて描いてみたんですよ。そしたら、これ面白から次もこれでお願いします、って言われて-ウケるんだったらしばらく続けてみよう-って描き続けているうちにいつの間にか『ロリコンマンガ家の内山亜紀』って呼ばれるようになっちゃ訳で、特別自分で意識してロリコン漫画を描いていたんじゃないんです。
と、先生自体は「最初にロリコンありき」ではなく、
そっちの方が人気が出たからと言うことでの方向転換だったと言うことが、このインタビューで語られている。決して、好きだったから描き始めた訳でもないが、それでもそのジャンルの大家になってしまう先生の方が凄い事かもしれません。
その他、実は某有名アニメ会社からキャラクターデザインの
依頼が来たけど、ボツになっちゃった、とかファンの子から突然電話がかかってきて、
テレフォンセックスのような状態になっちゃった、なんていう興味深い話なども読む事ができ、ファンとしてはもちろん1エロマンガファンとしても楽しめる内容になっています。
一般漫画のインタビューとちょっと違うところは、やはり若干の「
下ネタ」が入るところでしょうか?(^_^;
もちろん「下ネタ」自体はマンガの方がメインですが…(笑)
雑誌のコラム的企画でのインタビューとは別に、まさにインタビューをするためだけ企画として出版されたムックのような本もいくつかあります。
こちらは平成3年に出版された、珍しいエロマンガ紹介(カタログ)ムックの「美少女漫画大百科」。
当時発売されていた成人マンガのカタログ的なムックである同時に、多くのエロマンガ家さんへのインタビュー記事で構成されています。表紙に書かれている総勢15名の作家さんに、一問一答形式でインタビュー記事が掲載されています。
驚いたことに、
完全顔出しのインタビュー記事も多かったです(画像はあえてぼかしています)。今では基本的に作家さん本人の写真を公開することはかなりないことなが、当時がおおらかだったと言うよりは、ネット社会になっての個人情報の取り扱い方の変化が大きいとは思いますが…。
質問形式はほぼテンプレートで、作家になった動機、きっかけ、影響を受けた作家、好きなTV番組など、作家を目指す人にとって参考になる意見から、ミーハー的な質問までいろいろあり、この辺はごく普通のインタビューになっています。
こちらも基本コンセプト「美少女漫画大百科」とはほぼ同じの、平成8年発行の「美少女コミックカタログ」。
こちらも総勢15名の作家さんのインタビュー記事付き。
こちらもやはりテンプレート形式の記事になっています。
少し残念なのは、質問項目がテンプレート形式なので、この先生ならこのことを聞きたい!という部分がどうしても薄れてしまう点でしょうか? ただ、人数が多いので同じ項目があると逆に比較しやすいというメリットはあるとは思います。
あと面白い点は、この上記の2冊はいずれも編集が、多くのマンガ雑誌の編集を行っている会社「
コミックハウス」であるという点でしょう。
出版社自体は「辰巳出版」ではありますが、多くの出版社と交流のある「コミックハウス」だからこそできた企画、ムックだったのかもしれません。
カタログ形式のムックとは違い、ややジャーナリズムを感じさせるインタビュー企画としてはこのような本が出版されています。
名前こそ「大全」なので、カタログ的要素が大きいと思いますが、この本が出版された平成10年は、最初の「児童ポルノ規制法」が政策案として上がった年故に、
エロと表現という問題がこういう本を通しても語られる時代ではありました。
とはいえ、やはりインタビュー記事も充実はしていて、専業エロマンガ家以外からも、アダルトな雰囲気、画風の八神ひろき氏、叶精作氏など豪華なメンバーです。
専業マンガ家からは、
たかしたたかし氏、山本夜羽氏、森園みるく氏などがインタビューに応えてくれています。
一気に現代に飛びますが、今ももちろん作家さんへのインタビュー企画は継続中です。一風変わった形式と言えば、一昨年あたりからやっている「ペンギンクラブ」の巻末企画の作家さんインタビューでしょう。
画像はMARUTA氏の回のインタビュー記事ですが、文字形式ではなく
マンガ形式のインタビューになっていて、内容もフィクションっぽい部分がかなり強調されている感じで、インタビューと言うよりは、作家と編集者日常4コマにような展開ではあります(^_^;
プライベートな情報よりも、雰囲気を伝いたいという意図なのか、非常に
アットホームなコメディー要素が強い記事になっているのが特徴でしょう。
■そして同人誌、ネットへ…
そして、この手の企画がついに同人誌へ移行し始めました。もちろん、今までも完全になかった訳ではないですが、エロマンガというジャンルを総合的に語った同人誌として初めて、作家インタビュー記事を載せたのはやはり「
淫漫王」でしょう。
この中の記事「
完顔阿骨打先生のインタビュー」は同人誌ならではの大ボリューム記事として、私も非常に興味深く読みました。この同人誌が私のサイトの発起させる原動力になったことは確かですし、インタビュー企画が成立する!という手応えを感じたのも確かです。
ただ、インタビュー記事自体は本当のもともとやりたいと長年
暖めてきたネタではありました(^_^;
ネット時代になり、特にエロマンガを販売する書店とかでも、キャンペーンの一環としてのインタビュー記事なども増え、また紙ベースから、デジタル書籍になってもやはり、インタビュー記事自体は続いていくとは思いますし、より多くの人に読んでもらえる記事になっていくことは間違いないでしょう!
このように、作家さんへのインタビュー企画は、エロマンガ界においても行われてきた企画の1つであり、作家とファンの距離を縮める役割、もしくはインタビューを通して
作品をさらに読み解く内容として役立ってきたと思います。
もちろん、穴埋め的な企画もあったとは思いますが、何よりエロマンガファンとしては、こんな凄いエロマンガを描く人がいったいどんな人なのか、こんな事を考えているのか? という事を知りたいと思う事は
本当に自然な欲求だと思います。
ただ、逆にあまり目立ちたくない、作品を読んでもらえるだけでかまわない、というスタンスの作家さんもいることは間違いありません。なのでファンとしては聞きたいけど、ファン故に無理にお願いできない、という
ジレンマがあることも確かでしょう。
しかし、エロマンガが無くならない限り、作家もいなくなることはありません。そして、そこにはやはりインタビュー企画もあり続けるのだと思います。