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RaTe(らて)先生 インタビュー(その...

2009
【ラテ欄】RaTe先生の「少し不思議エロ(SFE)」の世界
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ども、稀見理都です。

相変わらず亀な更新で申し訳ありません。仕事と私用がいろいろ重なり、愚痴やどうでもいいことはmixiに書いてるんですが、こっちの方が疎かになってしまっています。が、ようやく今月最初に行っていたインタビュー記事がまとまりましたので、明日いよいよ公開です!!

次回インタビュー記事を公開する先生は、表題にあるように「ふたなりマンガ」の大御所「RaTe」先生です。というわけで、インタビュー直前企画、今回はRaTe先生のちょっとした作品論を語ってみたいと思います。



RaTe先生の作品の特徴として誰もが思い浮かぶ部分として「汁」「ふたなり」があげられると思います。このフェチ度に感銘を受けてファンになった人も多いのではないでしょうか?

しかし、先生の作品の魅力は実は他にもいろいろあります。今日はあえて「ふたなり」「汁」の中心を外した、先生独自の「少し不思議な世界」をモチーフにした作品紹介を行ってみたいと思います。


■少し不思議なエロの世界。略してSFE

「SF」を(S)少し(F)不思議と解釈した、藤子・F・不二雄先生のSF感は、ターミネーターやスターウォーズのような、わかりやすい宇宙や未来が舞台のSFではなく、日常のすぐそばにある、ちょっと不思議な出来事、お話であり、距離が身近に感じられるからこそ、ワクワクする、楽しいSFでもありました。

RaTe先生のエロマンガは、実はそういう少し不思議で、しかもワクワクするエロがあるものが多い、略してSFEなんです(笑)

美少女マンガ黎明期には「美少女とメカ」というテーマが非常に人気を得ていました。「メカ」という無機質なわかりやすいSFに、萌え的な美少女を掛け合わせる話自体が、非常に当時は新鮮で、オタク的文化の特徴にもなっていた部分もありました。

ただ、同時にRaTe先生のような少し不思議系のエロも無かったわけではありません。ジェンダー的不思議世界観を得意とした「陽気婢」。科学や魔法などをうまくSF設定に活かした「がぁさん」。ハイセンスで、やや不条理系SFの新鋭「道満晴明」。
ま〜原点を言えば「吾妻ひでお」なのかもしれませんが、日常とSFがコラボした、少し不思議ラインのエロの流れは少なくはなってきてますが、受け継がれているとは思います。

まずはRaTe先生自体も少しSFEを意識して描かれた短編集「君にちちあれ」の中から何作かを紹介しましょう。

「君にちちあれ」 著:RaTe


「君にちちあれ」(2001年 ワニマガジン社)は正式には「成人マーク」なしの基準では「青年コミック」ですが、内容は十分エロです。アマゾンではアダルト指定されていますが。
この単行本に収められている話は「ちち(乳)」をテーマにしたSFEと言っていいでしょう。

このブラを付けると、どんな巨乳でもAカップになると言うブラジャー


クイック&ブラ・ライト」という短編では、寄せてあげてはもう古いとばかりに、どんな巨乳も付けるだけでAカップという、まさに不思議なブラの通信販売から始まります。
そんなブラをさっそく教え子のIカップの女子校生に試そうとする先生(この辺の設定は、エロマンガ独特の無理矢理な設定ではあるが(^_^;)。

しかし、取扱注意的な部分での副作用がこのブラにはありました。

なんと、小さくなる分、感度が上がる!!


巨乳がAカップになると言う事だが、性感帯の量は変わらないため、ある意味性感帯の濃度が上がり(笑)より感じやすくなってしまうと言う…
ちょっと触っただけで、イッてしまう高感度!と、ここからはわかりやすいエロ展開。

しかし、乳を小さくすることでも感度の問題として、エロ展開に持って行くSFEはすばらしい。

次に紹介するのは「巨乳」が病気という設定のお話。

おっぱいがおおきいのは「病気」なんです!!


Peta」というお話では、世の中の人がほとんどAカップ状態の世界では、巨乳は病気を見なされる世界を描いています。体の一部分が肥大する病気などはよく聞く話ですが、乳が大きいだけで病気という世界では、どのような事が起こるかというこれまた不思議な感覚。

病気を告知され愕然とする本人


しかし、巨乳=異常!というレッテルを貼られることで、ここに新しい「変態」が生まれるわけです。「巨大乳房症」という異常な状態が好きな人が「変態化」するわけで、一般的に考えたら、ほとんどの男が変態扱いさせる訳ですが、この世界ではその変態度がより強調されるわけです。なので、巨乳好きの普通の男と、彼女のセックスが普通なのに「変態セックス」に見える不思議。これこそSFEの世界です(^_^;

その他にも「近親相姦」が合法化される社会や、「女性の裸の写真」が全て有害とされ禁止された社会の非合法密売写真などの話などなど、ちょっと設定や世界観を変えただけで、見方が変わるエロなど非常に面白い1冊になっています。

婚姻制度の見直しで、男女兄弟でも結婚できる社会では…


■少し不思議なエロ能力

RaTe先生の作品では、変わった世界以外にも変わった能力を持った娘も出てきます。「神様の言うとおり」(1998年 ワニマガジン社)の中の短編「バブル・バスト・ガール」では、彼女のおっぱいを飲めば、誰でも巨乳になれる!という能力を持った少女が出てきます。

彼女のおっぱいを飲めば誰でも巨乳に!


翌日には立派な巨乳に! この学校はみんな巨乳!


しかし、そんな彼女(先輩)に恋心(百合心?)を抱く主人公だったが、先輩が実はおっぱいが全然感じないことを知り、非常に切なく思う。ようするに、巨乳なのに乳の潜在能力を生かしきってない先輩をなんとか喜ばせあげたいと思うようになり、先輩から出た魔法のおっぱい汁を先輩自身に口移しで飲ませると、あら不思議…

と、基本設定にさらにアレンジを加え、エロストーリーをひねり出すところがすばらしいです。

個人的にかなり好きはお話に「日本巨乳党」(2007年 ワニマガジン社)の中の短編「巨乳平面説」があります。これは能力と言うよりは、そういう謎の生態を持った女の子の話です。

Aカップ以下はおっぱいと認めない!


よくわからない組織のよって突然「Aカップ以下はおっぱいと認めない」という声明が出ます。しかし、そんな中でも発想を変えればAカップでも巨乳になれる、と主張する人々が現れます。巨乳ではなく「虚乳」という考え方です(笑)

偽乳という意味ではなく、目に見えていない部分で実は大きいという発想なのですが、ベースになるのは数学で言う「虚数」。なので理系の方ならすぐにわかる部分ではあるでしょう。

見えていないけど存在する、まさにガウス平面的発想。さらに、i x i = -1 という虚数X虚数は実数になると言う数学的計算を、この虚乳で行うと…

掛け合わせると「実」になります!


そう、まさに実乳になるわけです。ここまで来るとかなりSFですが、こういう発想でもエロになってしまうRaTe先生の発想力に脱帽です
(というか、始めてこれを読んだ時にはあまりの発想に倒れました(笑))

■でも、やはり「ふたなり」でしょう!

さて、SFEと言いつつも、やはりRaTe先生でふたなりは外せません
しかし、ふたなりと言ってもRaTe先生がひねり出したふたなりは、今までに無い新しい概念が組み込まれた、SFE的なふたなりでした。その代表格が「P総研」でしょう!

バイオテクノロジーふたなりの「P総研」


ふたなりの世界観として、先天的にふたなり、もしくはそう言う人種がいる、または魔法でふたなり、と今までいろんなパターンが出てきましたが、RaTe先生が始めて考案した「ふたなり」はセンセーションでした。

バイオテクノロジー的、発生学を基盤とした「ふたなり」の発明です。技術は科学的ですが、話としては「整形手術」的な誰でもおちんちんを付けられる、夢の整形として使われます。
P総研は基本カタログ対面販売


おちんちんがほしい女の子のために、大きさ、持続力、精液の量などを細かく決められるカタログを持って販売を行う通称「P総研」のメンバー。

感覚的には、少し不思議というよりはかなり不思議な世界ではありますが、読んでいるとこんなにもおちんちんがほしい女の子が多いんだ!勘違いしてしまうほどの説得力(笑)

この「P総研」の凄いところは、この設定を多角的に用いるところです。

新開発のP(おちんちんの事)の話が出ます。しかし、皮かむりの粗チンで、需要がないように感じます。

こんな新製品で大丈夫? 嫌問題なのは!


しかし、開発者は力説します。問題なのは「膨張率だ!」と…
そうです、女の子なので、使うとき以外はおちんちんはしまいやすく、小さいほうがいいし、パンツにもちゃんと収まる、というアイディアだったのです。

こんなPなら男もほしい!!


設定をそのままにしておかないで、新たなアイディアを加える!なんか「ガイアの夜明け」でも使えそうなフレーズです(笑)

不思議設定を、さらに説得力のあるものにする工夫は、とても面白いですし、そこからちゃんとエロに繋がるところが、SFEとしての完成度の高い部分でしょう!

最後は、同じふたなりものですが、今度は先天的に「ふたなり」さんがいると言う世界のお話です。ん?こういう設定ならよく見かける設定じゃ?と思われる方もいるとは思いますが、新しいのはその先です。

なんと、ふたなり専門外来(医院)のある世界のお話というのが新しいんです。

「底なし汁だくクリニック」 富士見書房


ふたなり専門外来のある医院、日帆里ふたなりクリニック、略して「NFC」は形成外科と心療内科を持つふたなり専門機関。
なにより、メンタル部分のサポートをふたなりマンガの世界に取り入れた事は面白い。

ただストーリー的には、この医院の息子に弱みを握られ、セックス三昧の日々になってしまうわけだが、こういう設定があったからこそ展開できるという面では効果的だ!

ふたなりであればエロ展開できる!と逆の発想を行ったのがこの場面。

ふたなりっ娘じゃないけど…


この医院(日帆里ふたなりクリニック)では手術でおちんちんを取っちゃうことも可能。せっかくのふたなりマンガなのに、何故!と思うかもしれないが、ここからが面白いんです。

取れたはずのオチンチンが反応する!


なんと、取れたはずのオチンチンが反応して感じてしまうという展開。よく、事故で腕などを無くした人が、無いはずの腕の感覚で苦しむという、脳が錯覚を起こす症状を聞いたりするが、その設定をふたなりマンガに適応させ、かつエロマンガとして成立させるアイディアはとても面白いでしょう。

まさに、不思議な世界が織りなすエロファンタジーがRaTe先生の作品の魅力であろう。決して「ふたなり」「汁」だけがモチーフじゃない、このSFEの世界の上に成り立っている事が魅力である、と、個人的には言いたい(^_^;

■次回いよいよRaTe先生登場!

と言うわけで、次回はいよいよRaTe先生のインタビュー特集です。29日のお昼頃更新予定。ファン、もしくは今回のレビューで興味を持ってくれた方は必見ですぞ!
 
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