あさぎ龍先生 インタビュー
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2013
チンズリーナ先生 インタビュー
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去年の12月(2012年)に1通のメールをいただいた。そこには「インタビュー募集の記事(ホームページ)を拝見いたしました! 是非自分のインタビューをお願いいたします」というものだった。そう、実は私のホームページ(えろまんがけんきゅう(仮))では、インタビューを受けて頂けるエロマンガ家さんの募集しているのだ!
 そして、今回は初めてこの募集に申し込みがあり、その作家さんこそが主に三和出版さんの「マショウ」で活躍中のオトコの娘作家「チンズリーナ」先生だったのだ。

 ホームページ開設4年目にして初めての申し込み。もちろんお断りする理由など何一つない。むしろ、初めて、一番乗り、先駆者として歓待すべき先生である。さっそく先生にOKのお返事を送りインタビューを行う事にした。インタビューは先生が上京するスケジュールに合わせて4月の中旬、場所は秋葉原で行った。
 ただ1つの懸念、自分が「オトコの娘」というジャンルに疎いという不安を抱えたままのインタビューではあったが…(^ω^;)

インタビュー場所になった秋葉原


ゲストプロフィール
チンズリーナ
「コミック マショウ」(三和出版)の2011年11月号「チン☆デレ」でデビュー。デビューから一貫して「オトコの娘」モノの作品を発表し人気を獲得! 現在はさらに活躍の場所を広げ、オトコの娘モノ以外の作品なども意欲的に発表。自画像が、某企業のキャラクターに似ているが、気のせいという事になっている。


■「オトコの娘」ジャンルが最も苦手なジャンルなんです…

稀見:今日は遠く宮城からチンズリーナ先生に来ていただきました。と言ってもインタビューのためにというわけではなく、他の用事で上京するタイミングでのインタビューになります。

今日は長旅(夜行バス)でお疲れだとは思いますが、よろしくお願いいたします。
チンズリ:よろしくお願いいたします<(_ _)>
稀見:チンズリーナ先生は、本誌インタビュー史上初めての「立候補」での作家インタビューになります。要するに、私からオファーした形ではなく「是非インタビューしてください!!」という風に先生の方から名乗り出ていただいた、初めての作家さんというわけです!

ただ、実は立候補は受け付けているんですよ、ホームページとかで。しかし、今までそういう連絡を頂いたことがなかったので、メールを頂いたときには嬉しかったですね~。

とにかく、一番最初というのは特別です! 本当にありがたいことなので、すぐにOKのお返事をさせていただきました(^_^;
チンズリ:いや~ありがたいですね(^_^;
稀見:しかも、今まで「エロマンガノゲンバ」で扱ったことがなかった「オトコの娘」というジャンルの作家さんという意味でも、貴重なお話しをお伺いできるんじゃないかと楽しみにしていました!
チンズリ:こちらこそ、こんな機会を設けていただいて本当にありがとうございます。
稀見:と言いつつも、最初にカミングアウトさせてください。実は私は「オトコの娘」ジャンルが最も苦手なジャンルではあるんです。
チンズリ:あ、なんか、そんな気がしていたんです(^_^;
稀見:といっても「好きじゃない」「読めない」という事ではなく、作家と読者の「共感度」に割って入ることが一番苦手なジャンルで、そういう意味では、先生のファンの人の気持ちを一番シミュレートできない(感覚としての同調)ジャンルになるかと…。
なので、インタビュアーとして初心に返ったつもりで、基本的な部分からいろいろお伺いする形になるとおもいますがよろしくお願いいたします<(_ _)>
チンズリ:それは是非お願いいたします!

■「いつ自分が死んでもおかしくない」という思いが強くなったんです

稀見:先生のデビューのきっかけを教えていただけますか?
チンズリ:デビュー前、自分はショタもののマンガでデビューしたいと考えていたんです。その頃は「好色少年のススメ」(茜新社)と「少年愛の美学」(松文館)、そして「少年嗜好」(桜桃書房・モエールパブリッシング)というアンソロジーがあって、その中でコンスタントに発行していたのが「少年嗜好」だったんです。

「好色少年のススメ」(茜新社)


「少年愛の美学」(松文館)


「少年嗜好」(桜桃書房・モエールパブリッシング)


このアンソロジーはいろんなショタジャンルの集合体のような本だったんですが、徐々に女装少年ものが人気が出てきたのか、女装作品が多くなってきていたんです。

自分は「ショタ」よりも「オトコの娘・女装もの」の方が好きだったので、そういうジャンルでデビューしたいな、と思っていったんです。

で、ちょうど「少年嗜好」で原稿を募集していたので(しかも代理原稿)作品を描いて送ったんですが、最初はダメだったんです。
稀見:その時は、持ち込みではなく投稿という形だったんですね? 宮城なので遠いですからね~。
チンズリ:最初に投稿した作品はダメだったんですけど、その作品のプロット自体は自分の中で「最上級」にいいと思っていた作品だったので、それを描き直したものをもう一度出したんですよ。
稀見:えっ(;゚∀゚)=3 それは、ストーリーは同じで、画面を描き変えたという描き直しですか?
チンズリ:はい。ストーリーはそのままで、コマ割や絵の構図とかを全部変えて投稿したんです。
そしたらまたダメで…(^_^;

それで半分諦めかけて、バイトに専念してたんです。だんだんバイトも楽しくなってきたんですが、気づいたらもうすぐ30歳目前ぐらいだったんです。で、これからどうしようかな~って思ったときに、細かい話なんですが、液晶タブレットを買ったんです。
それで、マンガを描き始めたら「これはいけるんじゃない?!」って思えたんです。
稀見:今までは、アナログ下書きをスキャンして仕上げる形だったのを、フルデジタルに移行させたわけですね?
チンズリ:で、また新たにマンガを描き始めて、投稿したんです! そしたら……、ダメだったんです(^_^;
稀見:いけそう!というのは気のせいだった!!(;゚∀゚)=3
チンズリ:そのうち同じ所に3回も出し続けててもダメだな~って思い始めたんです。
で、もっとアピールしたいな~と思って、そういう場はないかと探したら、同人しかないなと思ったんです。で、同人を出そうと!
稀見:という事は、それまでは本格的な同人活動というのをしたことがなかったんですか?
チンズリ:地元の即売会で簡単なコピー誌なら描いたことはあったんですが、本格的にはなかったですね。しかも、その時はエロじゃなかったですしね。

で、エロ同人でしかもオフセットという形で初めて出したんです。その時はショタのイベントでした。そしたら、結構売れまして、刷った数ははけるぐらいでしたね。それで、少し自信が付いたんですよ!

そのイベントが10月だったんですが、気をよくして来年の6月のショタイベントにまた出そうと計画していたんですが、ちょうど3月に震災が(2011年3月11日 東日本大震災)が起こったんです。
稀見:ああ~その頃のお話しだったんですか。
チンズリ:僕の地元が気仙沼だったんですよ。
稀見:えっ!!(;゚∀゚)=3 かなり被害の大きな地域ですよね、だ、大丈夫だったんですか?
チンズリ:地元が大変なことになって、実家も流されたりしたんです。
稀見:な、流された!!(;゚∀゚)=3 だ、大丈夫だったんですか?
チンズリ:幸い家族は大丈夫だったんですが、もうマンガどころではなくなってしまったんです。
稀見:それは、もう当然というか、確かにそれどころではなかったと思います。
ちなみに、チンズリーナ先生は実家ではなく、仙台の方に住んでられたんですよね?
チンズリ:そうです。職場とかもめちゃくちゃになってしばらくは再開できない状態でした。
で、震災で何にも手が付けられない状態だったんですが、しばらくして電気が復旧したんです。そうしたら大概のことは出来るようになったんです。
でも、まだ電気も来てないところもあるし、避難している人達もいる…。

うちの両親も避難生活でしたけど、自分にできることと言っても何もない状態だったんです。そういう状態の中、「いつ自分が死んでもおかしくない」という思いが強くなったんです。

そう思ったら、死ぬ前に自分のやりたいことをもっとやっておきたいという気持ちがより強くなっていったんです。
稀見:震災をきっかけに、自分が一番やりたいことが何であるかということを、より考えるようになったということですね。
チンズリ:そして自分は「ショタマンガ、オトコの娘マンガが描きたいんだ!」って、なったんです。今までは、とにかくデビューできればいいや!という考えだったんですが、それ以降は「俺はエロマンガ作家になって、それで食っていくんだ!」という目標に変わっていったんです。

それで同人誌作業を再開させると同時に、この同人誌をどこかの出版社に持ち込みに行こうって思ったんです。でも、1作じゃアピールが少し足りないなと思っていたとこにショタイベントの主催の方にアンソロに誘われて12Pのマンガを描く事になったので、その2作で持ち込めばよりアピールになるかと考えたんです。

で、ショタイベントに出て、その次の日さっそく作品を持ち込んだんです。

持ち込んだ同人誌「フレチン」


持ち込んだ作品12P


稀見:そのショタイベントは関東で行われたイベントで、その足ですぐに出版社にいかれたんですね?
チンズリ:その時に知り合いの方にいろいろ相談したり、アドバイスをもらったりました。
年齢は詐称した方がいいのかとか(笑) いや、もうその時はちょうど30歳でしたので(^_^;
稀見:全然問題ないです(^_^; エロ業界は他のジャンルよりは年齢、性別は気にしませんから…。
チンズリ:で、三和さんに持ち込みに行ったんです!
稀見:何故「三和出版」さんだったんでしょうか?
チンズリ:三和さんは「マショウ」を出しているじゃないですか? で、その前に「フラミンゴ」という雑誌を出していてよく読んでいたんですが、僕の中で印象に残っている作家さんが、しのざき嶺先生だったんです。先生はたまに「オトコの娘」ものを描いたりしてましたし、雑誌自体もかなりマニアックジャンルのものも載せてくれていたじゃないですか?
稀見:特に一時期の「フラミンゴ」は、マニアックなものが多いと言うよりは、マニアックなものしかなかったですね(^_^;
チンズリ:そういう出版社なので、僕みたいな作品はここでしか受け入れてくれないと思ったんですよ(^_^;
僕は書店で働いていたんで、雑誌の傾向などは比較的理解していたつもりだったんです。他の雑誌と比較して、やっぱり「マショウ」しかないなと思ったんです。
稀見:持ち込みに行く時に、他の出版社の選択肢はなかったんですか?
チンズリ:茜新社さんにも行く予定でした。ま、実際に行ったんですが、干渉を避けるために、別に日に来ましたという「体」で行きました(^_^;
稀見:(^_^; そ、そんなに気を使わなくても大丈夫ですよ~。
チンズリ:自分の将来がかかっていると思っていたので、その辺はすっごい慎重に行動しましたね。
で、三和さんに持ち込み行くと電話をしたときに、応対してくれたのがイガワさん(チンズリーナ先生の担当さん)だったので、持ち込みに行ったときもイガワさんに見てもらいました。

絵が可愛いって言ってもらったんです。で「キミ、女の子は描けないの?」って聞かれて「描こうと思えば描けるとは思うんですが、描いたことがないんです」って正直に言って、「マショウでオトコの娘マンガでデビューしたいんです、描きたいんです!」ってアピールしたんです。
稀見:三和さんのマニアック、変態ブランドの下で是非描かせてくださいと(笑)
チンズリ:そしたら、とりあえず最初はオトコの娘もので3本描きましょう! その後アンケートとか、作品の反応を見て女の子ものを描くなどの可能性も模索しましょう、みたいな流れになったんです。
稀見:それで、見事にオトコの娘ものでデビューして、結局オトコの娘もので1冊単行本を出してしまうわけですね(笑)
でも、噂によりますと、来月のマショウ(2013年6月号)で女の子ものを初めて描かれるとか?(下図)

初の女の子モノ でもPNが違うような!?


チンズリ:あ、そうなんですよ(^_^;

もともと女の子ものも描いてほしいという担当さんの希望があったんです。で、デビュー前に女の子用のプロットも出して、それとオトコの娘用のプロットを見比べてもらっていい方を選んでください!というようにしてらったんです。もちろん手抜きをしたわけではないんですが、オトコの娘もののほうが力が入っていたというか(^_^;
結果、オトコの娘ものが載るようになったんです。

で、雑誌としては3本オトコの娘ものが載ってしまったら、単行本まで引っ張らないと…ということでしばらくはオトコの娘ものになったんです。
稀見:でも、単行本も早かったですよね? ほぼ月一で描かれていましたから、デビューから約1年で初単行本というのは、結構速いペースだと思います。
チンズリ:単行本を出す前に、もし(単行本の)成績があまり良くなかったら、女の子ものもやってみましょう、という話になっていたんです。で、単行本が出たんですが、結果そんなにかんばしくなかったんです(^_^;
稀見:あら~~(^_^;
チンズリ:しかも、マショウの単行本の順番としては「五月五日」先生「ディープバレー」先生とボンボン!とヒットが来て、次に僕だったので、かなり期待されていたんですよ(笑) 奇蹟の相互作用が起きないか、みたいな(^_^;

でも、オチになっちゃいまして~
稀見:お約束過ぎる!!
チンズリ:そんな結果だったので、決断を迫られまして…。僕は「オトコの娘」ものにこだわりがあっても、それしか描けないというわけではなかったんです。
でも、「マショウ」という雑誌でオトコの娘もの以外を描くという事は、なんか負けたような気がして…。粘ってはいたんですよ(^_^; いろんなデータを集めて説得とかを試みたんですが、結局今後の販売の成績を見つつ、女の子ものという選択肢も入れながら考えていきましょう、という事になったんです。

でも、結構悩みました。で、他の作家さんにもいろいろアドバイスを頂いたんです。この業界で食べて行くには、いろんなジャンルのマンガが描けた方がいいよ、とか…。で、逆にオトコの娘ものを離れる事によって、客観的にオトコの娘ものが見れるようになるかもしれないって思い始めたんです。
稀見:客観的、俯瞰的に「オトコの娘」というジャンルを見直すことができるかもしれないと思ったわけですね?
チンズリ:オトコの娘ものが描けないというマイナスの部分ばかり見てないで、女の子ものを描く事によるプラスの面を足していこうと考えたら、結構いけるような気がしてきたんです。逆に、もったいないな、と!
稀見:そういう経緯があったんですね。みなさん、チンズリーナ先生の、初の商業誌での「女の子」もの、是非期待してください!!(笑)

■エロマンガ以外では仕事しないぞ! という覚悟だったんです !

稀見:デビュー後も単行本が発売するまで、書店でお仕事をされていたという事ですが、それは社員という形で?
チンズリ:いえ、ずーっとアルバイトです。専門学校を出てから、ずーっとですね。
稀見:専門学校は、どういう勉強をされていたんですか?
チンズリ:専攻していたのは「ゲームキャラクターデザイン」という科でした。仙台の「日本ビジネススクール」というところに、両親に入学金だけ出してもらって、その他はアルバイト代を払いながら通っていました。でも、授業が毎日ないんですよ。週に2回しかなかったんです。しかも夜間でした。衝撃でした。夜間で週2回って、カルチャーセンターじゃないんだからって(^_^;

で、半年ぐらいで行く気なくなって、もう行かなくなっちゃったんですよ。それで、ずっとバイトだけしていました。
稀見:なんか全部が全部そういう訳ではないとは思うんですが、インタビューで聞いてきた専門学校の話って、ほぼこのパターンが多いですね(^_^;
チンズリ:でも、一応専門学校は「修了証書」というものを頂いて終わりました…。その後就職はしないで、バイトを転々としていましたね。
稀見:専門学校に入って、出た?わけですが、その時は特に将来の夢、なりたい職業というものはなかったんですか?
チンズリ:なかったですね~。好きなことやりたいっ!と思って、主にバンド活動ばかりしていましたね。でも、生活もしていかないといけなかったので、とにかくバイトをしていました。親には頼りたくなかったので…。
稀見:で、このままではいけないと30歳になる前に気づいて、一念発起でマンガを描き始めて、デビューという流れだったんですね!
チンズリ:す、すいません、ややこしい流れで(^_^;
稀見:一見してわかりやすいペンネームだとは思いますが(笑)
もしかしたら深い意味が?(^_^; ペンネームの由来などを教えていただけますか?
チンズリ:結構簡潔です(笑) エロマンガでデビューしたら、エロマンガ以外では仕事しないぞ! という覚悟だったんです。なので、一般の方から絶対オファーが来ないような名前で、且つ一発で覚えてもらえるような名前にしようと! で、名前は語呂が良くて、ポップで可愛い感じにしたいと…。そういう所をイメージして考えました。
稀見:一般誌にこのペンネームでデビューしようと思ったら難しいでしょうね(^_^;
チンズリ:書店で他の作家さんの名前とかを見ると結構読めなかったりするものが多かったので、自分は絶対読めるようにしたいと。
あと、細かいんですが、「チンズリーナ」だと「チン」から始まるので、書店の棚に置かれるときに、「ち行」の一番最後に来るんです。そうすると、「つ行」のラベルの直前に配置されて、ラベルで隠されることはないなと…。
稀見:こ、細かすぎる…(;゚∀゚)=3
というか、さすが元書店員の発想!!
チンズリ:「チンズリ」という言葉自体にも少し理由があって、昔「カクガリ兄弟」さんの同人誌の話の中で、ふたなりの女の子2人が天狗のお面風のオナホにチンコを突っ込んで「天狗様のチンズリッ!チンズリイックゥゥゥゥゥ!」って言っているシーンがあったんですよ。その「チンズリ」という言葉に凄く衝撃を受けたんです。

同人誌「日本じゅ〜しぃ〜ですわ☆」(カクガリ兄弟)より


「ゲスいな(;゚∀゚)=3」って思ったんです。
その下品さが凄く良かったんです。

あと、ショタものなので「ちん」が入っていることは大事でしたね!

■「みんなでエロ本を見る会」みたいのを開いていたんです

チンズリ:小さい頃、コンパイルから出ていた「ぷよぷよ」とか「魔導物語」に凄くハマっていたんです。小学校後半から高校までと結構広範囲でしたね。専門学校でゲーム関係に進んだのも、実はコンパイルに入りたかったというのがあったんですが、潰れちゃいましたからね(^_^;
稀見:一応、将来的な夢はあったんですね。確かに、コンパイルには入れなくなっちゃいましたが(^_^;
チンズリ:それで真っ暗になっちゃったんですよ。それもあってやる気が削がれちゃった部分は確かにありました。

地元はテレビ東京系のアニメは流れないので、あまりアニメは見てなかったですけど、それでも高校の時は「機動戦艦ナデシコ」、中学校の時には「愛天使伝説ウェディングピーチ」にハマっていいましたね。
小学生の時は、アニメは片っ端から観ていた感じでした。その中で覚えていて、一番興奮したのが「聖闘士星矢」で、アンドロメダの瞬がやられているシーンとかですね(^_^;

起動戦艦ナデシコ


愛天使伝説ウェディングピーチ


聖闘士星矢 アンドロメダの瞬


稀見:おお!!(;゚∀゚)=3 やっぱりその気があったわけですね(笑) 可愛くて受け系の男キャラに興奮していた! 腐女子の方にも通じる感覚かもしれません。
チンズリ:そ、そうなのかもしれません(^_^;
でも、純粋に小学生目線で、クロスカッコイイ!!というのもありました。
稀見:先生にとっての、エロとの出会いは?
チンズリ:昔から何故かおしりが凄い好きで、キャラでいうと「ビックリマン」の十字架天使ちゃんとか…。おっぱいよりおしりでしたね(^_^; まだセックスというものが分からなかった時期に、エッチなことをする行為の最上級が「おしりの穴を舐める」だと思ってたんですよ!
稀見:何故、そこが最上級!?(;゚∀゚)=3
チンズリ:いや~、もう自然とそう思っていましたね(^_^; 好きな子としてみたい事として、自然に思い込んでいたんでしょうね。
稀見:何かを見て触発されたわけでもなく、自然にその境地にたどり着いたわけですね!!(;゚∀゚)=3
チンズリ:あと、床オナニーを3歳ぐらいからやっていたんですよ。3歳頃の記憶も結構あって、親の目を盗んでは、コタツの中でヘコヘコしたり(笑)
でも、やっぱり自分の意識の中でもやましい事をしているという自覚はありました。で、さっきも言いましたが、アンドロメダの瞬がやられているシーンとか、上半身裸のシーンとか、聖闘士星矢って結構そういうシーンあったじゃないですか(^_^;
で、そういうシーンを見ながら床オナニーをしたりしてました。
稀見:3歳頃から小学生低学年あたりですね。その頃だと、まだ精通前オナニーですね。
チンズリ:精通は確か6年生の時でした。
いつものように床オナしていたんです。それ以前にも先走り汁が出るような前兆はあったとは思うんですが、初めての時は尿道が凄く気持ちよくて、びゅっ!っと出る感じが。その時は凄く大変なことが起きたという感覚は無くて、「あ、出た…(゚Д゚ )」という感じでしたね。
稀見:よく聞く話だと、自分は病気じゃないか、大丈夫なのか?など不安に駆られる人が多いと聞きますが、そういう感覚は全然なかったんですね?
チンズリ:かなり自然な感じでしたね。
稀見:「アンドロメダの瞬」以外のオカズとかありました?
チンズリ:「まじかるタルるートくん」(著:江川達也)とか「電影少女」(著:桂正和)とか見ながら (*´Д`)ハァハァ したりとかはありました。マンガ以外だと、クラスの女の子とかをオナペットにして想像しながらとかもありましたね(^_^;
稀見:大人向けのガチエロメディアの初体験はどういう媒体だったか覚えていますか?
チンズリ:最初に見たのは、マンガで「コットンコミック」(東京三世社)だったと思います。これは、近所の酒屋で買いました(^_^; 酒屋の店主のおっちゃんがいると買えないんですよ~。見てると怒られるんですよ!
稀見:俗に言う「店主ゾーニング」が効いていたんですね!
チンズリ:でも、おばちゃんの時だと売ってくれたんです。もう、半勃起状態で買ってましたよ(^_^;
それからはもうずっとお店で、お小遣いを使って買っていましたね、エロマンガ雑誌を…。年代は曖昧なんですが、その他には「コミックBunny」(東京三世社)、「コミックBeat」(東京三世社)、あと「パピポ」(フランス書院)とかも買ってましたね。あと「コミックMete」(一水社)などもありました。

「コットンクラブ」(東京三世社)


「コミック Bunny」(東京三世社)


「コミック Beat」(東京三世社)


「パピポ」(フランス書院)


コミック Mete


稀見:結構バリエーションが広いですね~。
チンズリ:雑誌にこだわるというよりは、その時エロいと思った表紙の雑誌を買っていた感じですね。というか、中身を確認する時間がなかったんですよ。いつ店主のおっちゃんが来るかわからなかったので(^_^;
稀見:じゃ、とにかくエロいものをという感じだったので、好きな作家さん目的という感覚はまだ薄かったですかね?
チンズリ:そうですね。あまり作家さんの名前は覚えていないですね。僕は買ったエロ本は捨てなかったんですよ。基本、友達にあげていました。
稀見:おお! エロのリサイクルですね! それは、友達にそうとう慕われていたのでは?(笑)
チンズリ:で、たまにみんなでうちに集まって「みんなでエロ本を見る会」みたいのを開いていたんですよ…。
稀見:「エロ本を見る会」!!(;゚∀゚)=3
チンズリ:エロ本のことを隠語で「参考書」とか言っていた気がします。その会があって、終わったあとに友達を見送ったんです。で、部屋に帰ってきたら母がいたんです(^_^;
エロ本が山のように置かれている場にです! そんな場所に居た親の行動というのが、必死にテレビのスイッチを切ろうとして切れないみたいな状態だったんです。
稀見:うわ~~お母さんも、なんかテンパッてる!!
チンズリ:明らかに、どうしていいかわからない状態でしたね(^_^; あの時は死ぬかと思いました(笑)
稀見:なんか、もの凄くその場面が浮かんできます!

■一番エロいのが「女装させた弟」だったんです

稀見:凄い基本的な質問で申し訳ないんですが、先生にとっての「オトコの娘ジャンル」とは、どういうジャンルだと考えていますか?

「ショタ」「女装もの」「オトコの娘」「ふたなり」「性転換もの」など、比較的近いジャンルが多いとは思うんですが、描き手側の意識としては、この辺の区別があるのかないのか、どう考えているのかという部分が気にななるのですが…。
チンズリ:ジャンルの名前はたくさんありますが、その辺を厳密に定義づけしてしまうと”自由度”がなくなってしまうと思っています。なので、あまり小難しく考えないで、間口を広げて受け入れてほしいと思っています。

「ショタ」も「女装少年」も「オトコの娘」も、普通の「エロ」として読んでほしいですね。その中でも「女装少年」と「オトコの娘」は近い存在だとは思います。例えばこの性癖を持ってる人でも、実際ゲイかといったらそうでない場合もあるし、様々だとは思いますね。
稀見:なるほど、一応グループ分けとしての最低限のラベルはありますが、名前にとらわれないで、自分の感じるジャンルで読んでほしいという感じですね。
チンズリ:自分としては「女装ショタ」「オトコの娘」が一番描きたいジャンルではありますね。
昔は「女装少年」という言葉しかなかったんですが、だんだん「オトコの娘」というジャンルが一人歩きをはじめ、その反面「女装少年」というジャンルが小難しいジャンルになってきた感じがしますね。「女装少年とはこうあるべきだ!!」という定義付けが、みたいな…。

なので、今は「オトコの娘」の方が、ジャンル的に広く自由度が高い感じがしていますので、自分としてはこっちのジャンルに属している意識はあります。
稀見:あ~わかる気がします。「百合」という言葉が、どんどん狭義の意味に変化していった感じとよく似てますね(^_^;

ところで、先生の作品の中のオトコの娘キャラの意識的な性は「男性」なんですが「女性」なんですか?
チンズリ:「男性」ですね。男という事を自覚しつつ、その中で自分を女に染めるという意識です。さらに、相手は男と理解しつつ、男が好きという「背徳感」を持っている…。
稀見:お互い男性という意識を持ちつつ、女装をするという行為でさらに背徳感を高めている、という理解でいいですか?
すいません、こういう感覚を頭で完全に理解するという事がまだ出来なくて(^_^;

そもそも「オトコの娘」ものに目覚めたきっかけは何だったんですか?
チンズリ:エロゲーで「恋する妹はせつなくてお兄ちゃんを想うとすぐHしちゃうの」(2003年 CAGE)という長いタイトルのものがあったんです。その中に妹ヒロインに混じって、弟ヒロインがいたんです、女装した。そのキャラをみて、かなりガツンと来たんです。元々フツフツとしたものはあったんですが…。
稀見:それで、女の子ルートよりも、オトコの娘ルートの方に興奮してしまったんですね!

「恋する妹は(略)Hしちゃうの」(CAGE)のオトコの娘ルート


チンズリ:オトコの娘ルートばかりでシコってましたね(^_^; それがきっかけで、「好色少年のススメ」や「少年愛の美学」や「少年嗜好」のアンソロジーを買い出しまして、ちょうど出始めの頃だとは思いますが…。

その後いろんなメディアのオトコの娘がガッっと来て、いろいろハマりましたね。
稀見:先生の中では、まず「カワイイ!」という部分から入って、その子が「オトコの娘」だとさらにヒートアップする感じですね。「こんなかわいい子が男なんだ~~~ヽ(*°ω°)ノ」という!

そして、先生の作品の特徴と言える「近親相姦」というシチュエーションが好きだ、と…。タイプとしては「兄と弟(妹?)」が一番萌えると!
チンズリ:もともと「ロリコン」で「妹萌え」属性が強かったので、その延長線で妹が「オトコの娘」という弟になる事で、さらにパワーアップする感じですね(^_^;
妹よりももっとエロい!っていう感じになっちゃったんです。

兄弟だと恋人よりもずっと一緒に居る時間も長いので、さらに密室感も高くなると思うんですよ。兄弟である、男同志である、という背徳感に、さらにそういうものを重ねていった結果、一番エロいのが「女装させた弟」だったんです。これは「決定打」でしたね!
稀見:セックスをするエロシチュエーションをより高める関係としての、兄弟、男同士、女装だったんですね!!
チンズリ:そうですね。僕はフタナリも好きなんですが、言わせていただくと、オトコの娘という、あえてジェンダーを縛る、性別の壁をあえて作るという方が萌えるんです!
稀見:なるほど「性別の壁をあえて作る」という考えは、オトコの娘作家さんだからこそ言える言葉だと思いますね。
チンズリ:とは言っても、最近では完全に男同志という背徳感を持ちつつも、「オス」と「メス」という役割を意識しつつ読んでいる読者の方も多いとは思いますね。
いや~こういう話をするのはやっぱり難しいですね(^_^;
稀見:そうですね、わかります。
というか、自分もその辺はちゃんと伝えられるか自信がありません(^_^;

では、比較的分かりやすい部分として、チンズリーナ先生のマンガとしての表現方法についてお伺いしたいと思います。先生が良く用いられる表現として「前立腺キュンキュン」描写というのがありますが、この表現は「オトコの娘」「ショタ」業界では比較的メジャーな方なんでしょうか?
チンズリ:そうですね。もともといろんな人が「前立腺」の描写などは取り入れていたとは思いますが、最初に誰がしたかというのはわからないですね。でも、自分としては自然とあたりまえに描き始めていたという感じです。
稀見:私も調べたんですが、やっぱり最初に用いた人はわかりませんでした(^_^;
同人の方かもしれないという気はしているんですが…。ただ、先生の場合「キュンキュン(ハート)」という、メルヘン擬態語を多用した表現というのがインパクトがあったんじゃないかとは思っています。

前立腺がキュン(ハート)キュンしちゃう!!


チンズリ:なるほど~。自分でも自分が発見した、極めたという意識は無いですね。そのかわり「カワイイ」という部分を描こうというのが念頭にあったので、それの延長線としてメルヘンチックになったのかもしれませんね。
稀見:そうですね。エロマンガ特有の「ドクドク感」というよりは「キュンキュン(ハート)」みたいな、カワイイ表現を前面に出している感じはしますね。
チンズリ:(ハート)マークはですね、ぽ~じゅ先生の影響ですね(^_^;
稀見:私はチンズリーナ先生のアナルの描き方が少し特徴的だなーと思ったんです。断面図なんですが、アナルの入り口(出口?)の部分だけ、リング状な描き方をされているじゃないですか?
これはどういう意図があるんですか?

リング状アナル断面図


チンズリ:そこは、やっぱり締め付け感、挿入感をしっかり出したいな~と。
稀見:なるほど。アナルならではの締め付けが重要だと!
ちなみに、これはオフレコかもしれませんが、前立腺の感覚は男性なので体験できるじゃないですか?
先生はその辺はいかがでしょうか?(^_^;
チンズリ:エネマグラを使って実際にやってた時はありましたね。ただ…

あなたはこの先の禁断の領域を読みたいですか?


おおおお〜〜〜っと、これ以上はブログでは限界(^_^; エロマンガとは別の世界がせきららに繰り広げられるのであった(笑)
というわけで、この続きアナルトークは全編同人誌のほうでお楽しみ下さい〜

インタビュー後、参加メンバー全員でアキバの男の子カフェ「NEW TYPE」へ行きました。お酒が入った先生は、もうお店のオトコの娘に興味津々、どんどんとちょっかいを出して徐々にヒートアップ(^_^; この様子も先生自らのレポートマンガで語られてるよ!!

先生のお仕事机!


インタビュー後、男のカフェに行ったぞ!(レポート有り)



■チンズリーナ先生単行本!



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2013年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 西安
  • けろりん
  • あさぎ龍
  • チンズリーナ
その他の現場!
  • 編集の現場2
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COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

今回のインタビューの完全版は、新刊「エロマンガノゲンバ Vol.8」に収録されています。ご興味のある方は、是非コミケ、もしくは委託書店へ!


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エロマンガノゲンバ Vol.7
2012年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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  • たべ・こーじ
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  • サブスカ
その他の現場!
  • 編集の現場
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.6
2012年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • DISTANCE
  • エレクトさわる
  • たけのこ星人
  • 服部ミツカ
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  • エロマンガ女子会
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※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 甘詰留太
  • 命わずか
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その他の現場!
  • トキワ荘プロジェクトに潜入!
  • 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
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※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
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「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

【インタビュー関連リンク】
 
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