「エロマンガノゲンバ Vol.4」入稿い...
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コミケ告知!

2010
Cuvie先生 インタビュー
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そうだ京都にインタビューに行こう!ヽ(*°ω°)ノ

そう私が決心したのは、今年の夏コミ(C78)直後。なぜなら、大ファンの先生の中の一人、Cuvie先生からインタビューOKのお返事を頂いたからだ!





実は作家さんに実際にお返事を頂くまで、どこにお住まいなのか? という事はわからないのが普通だ。日記やその他の言動で、だいたいの目星は付くが、実は北海道!という場合もないわけではないので、OKが出ても日程的、予算的にも難しいこともある。


しかし、Cuvie先生の場合は先生が京都在住という事を承知でオファーするぐらい、京都へ行く気満々、それぐらい気合いを入れていたのだ!(笑)



実際にOKはいただけたが、そこは多忙な先生であるので、なかなかスケジュールが決まらず、ようやく決まったのが10月に入ってから。ちょうど秋の旅行シーズンと重なり、どこのホテルも予約でいっぱい。それでも何とかホテルの予約を済まし、旅費を浮かせるために夜行バスで京都へ向かった!(写真は京都駅だけど、朝早くにバスで着いた)



「エロマンガノゲンバ」が始まって以来の関東脱出、大ジャーニー。しかし、そこまでして行った甲斐のあるすばらしいインタビューになった!

ゲストプロフィール
Cuvie(キュービー)

2001年「I.D. COMIC Vol.1 放課後」(桜桃書房)でデビュー。エロはもちろん、魅惑的なストーリーで読者を作品の中に引き入れる。ストーリーテラーとしても評価が高く、常にいろいろなジャンルに挑戦し、その才能を今も広げ続けている。とにかく肉が大好きな「肉食系女子」。でも、黒ごまスイーツも大好き! 現在京都在住。


■最初に即売会に出た時に、確か2冊ぐらいしか売れなかったんです

稀見:今日は遠いところ、いや遠いのは私だった(笑)、お忙しい中、時間を作っていただき本当にありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。
Cuvie:よろしくお願いいたします。いや~ホント遠いところを来ていただいて…(^_^;
稀見:まずは定番のデビューの経緯を教えていただけますか?
Cuvie:もともと2,3年ぐらい売れない同人作家をやっていたんですが(笑) 
主にこちら(関西)の方の即売会で、ジャンルは「ゲーム系」で参加していました。もともとそんなにアニメを見ていなくて、ゲームにはまっていまして、ほぼゲーム廃人のような感じ(笑)だったんですよ(^_^;
ゲーセン(ゲームセンター)でひたすら、バーチャファイターをやっていたという!
稀見:なんと!(;゚∀゚)=3 格ゲーですが! かっこいい!
Cuvie:すいません、話が前後しますが、もともと大学に通うために実家のある名古屋から京都に来たんですよ。もう家をなんとしてでも出たかったので(笑)

でも、大学に受かることが目的だったので、大学に入っちゃったら気が抜けちゃったんです。そこでだらけちゃったんですが、その時に自分へのご褒美に「セガサターン」を買ったんですが、最初にやった「バーチャファイター」にドハマりしちゃって(笑)
稀見:なるほど、セガサターンのバーチャファイターにハマって、それがゲームセンターにあると知って、ゲーセンに走ったわけですね!
Cuvie:そうです! それで「ゲームは1日500円まで!」みたいな決まりを作らないと、とんでもないことになるようなハマリ方だったんです(^_^;
稀見:もちろん相手は人間ですよね! もう、伝説の何人抜き!!みたいなヽ(*°ω°)ノ
Cuvie:いや、そんなに強くはなかったんですね(^_^; 勝ったり、負けたりがすごく楽しくて…。

で、ゲーム関係の同人を始めたんです。でも、内容は「バーチャファイター」ではなく、「ファイティングバイパーズ」という格ゲーでした。

ファイティングバイパーズ


この同人を描いたのが最初だと思います。同人誌自体もこれが最初ですね。
稀見:同人誌を描いて発表しようと思った、きっかけは何だったんですか? 友達に誘われたとか?
Cuvie:マンガも好きだったし、絵も描いていたんですが、きっかけというと…。そうですね、昔新声社というところからでていた「ゲーメスト」という雑誌があって、それをよく読んでいたんですよ。それで自分でパロディーとか描いたら面白いかな~と思ったのがきっかけですね。
稀見:なるほど、ゲームにハマり、その二次創作欲求を満たすために同人誌に走ったというわけですね!
Cuvie:そうですね~。でも、そういう意味では原点になるのは、幼稚園の時に描いていた「シルバニアファミリー」を題材にしたお話だったのかも(笑) 何かを題材にしてお話を作るという事が好きだったのかも知れません。

「シルバニアファミリー」(エポック社)


で、最初に即売会に出た時に、確か2冊ぐらいしか売れなかったんですよ(^_^;
稀見:ええ~(;゚∀゚)=3 でも、インタビューでは比較的よく聞く話ではあります(笑)
Cuvie:でも、自分の中では描き上げたという気持ちから「天狗」になってるんですよね~。「傑作描いちゃったとちゃうん!?」見たいな気持ちで(笑) 
その時オフセットで50冊刷って、そのまま会場に搬入したんです。確かゲーム系のオンリーイベントだったと思います。
稀見:オンリーで売れないとさらに凹みますね(^_^;
Cuvie:それで2冊しか売れなくて、「ふぁ~~(_ _;)…」って凹んで(^_^; 
それが、苦い同人誌デビューだったですね~。たぶん19歳ぐらいの頃で、内容は健全なパロディーでした。
稀見:でも、そんな苦いデビューでも、創作の熱は冷めなかったと…。
Cuvie:そうですね! 負けず嫌いなんです。 

でも、手を出すのはメジャー系というよりは、マイナーなゲームジャンルが多かったですね。好きだったのが「俺の屍を越えてゆけ!」とか(笑)

「俺の屍を越えてゆけ!(ソニー・コンピュータエンタテインメント)」


このゲームを作った桝田省治(ますだしょうじ)さんのファンの方は多いですよね!

稀見:初めて描いた「エロ同人」は何になるんですか?
Cuvie:手元には残ってなかったんですが、運よく商業誌(電脳武闘娘(14) )の方に再録していただいた「ONE STEP CLOSER」が、初めて描いたエロ同人になりますね。



「ONE STEP CLOSER」


あと、「久遠の絆(くおんのきずな)」というアドベンチャーゲームがありまして、その2つのエロパロディー同人誌を見た編集さんが、誘ってくれたのが商業誌デビューのきっかけですね。エロといっても、2、3ページしか描いてない、今だったら全然一般でもいけるレベルでしたけどね(^_^;

「久遠の絆(くおんのきずな)」(フォグ)


■「もう、なに描いてもいいんだ!!」と感じたことが原点

稀見:なるほど、ここでようやくデビューの経緯に戻りましたね(笑) 

じゃ、初めて描いたエロパロで拾っていただいてデビューされたという事ですね。運命的な出会いだったんですね~! そこで、IDコミックス(アンソロジー)で描きませんかと?
Cuvie:はい、その担当さんはフリーの編集者さんで、その時は桜桃(桜桃書房)さんで仕事をしていたんですが、IDコミックスが終わるという事で、一度茜(茜新社)さんを経由して、富士美(富士美出版)さんへと…。
稀見:いろんな出版社から声がかかるというよりは、編集さんと一緒に移動していったという感じですね。
Cuvie:そうですね、富士見さんでお仕事をするようになってから、即売会で一水社の方にもお誘いいただいきました。
稀見:さっきも少し触れました、そのフリーの編集さんに誘われて初めて描いたの(デビュー作)が、「I.D. COMIC Vol.1 放課後」の「PASSING」と…。

「I.D. COMIC Vol.1 放課後」(桜桃書房)


デビュー作の「PASSING」


Cuvie:そうなんですよ、一番最初は「セーラー服アンソロジー」だったんですよ(笑) だから、ハードルが低いというか…、ひゃ~~ひどい(自分の作品を見て)(^_^;
稀見:オファーを受けた時は、正直どう思われましたか? エロという部分での葛藤とかはありませんでしたか?
Cuvie:いや~~めちゃくちゃ嬉しかったですよ!!
 
マンガ家自体には昔からすごくなりたかったんです。自分にとってマンガ家さんって雲の上の存在だったので、その末席にでも自分が入れていただけると思ったら、1も2もなく「やりま~~~す!!ヽ(*°ω°)ノ」って!!

ジャンルがエロであろうと何であろうと、とにかくやってやろうと! もう後先考えずに、もう後で大変なことになるとは考えずに(笑)
稀見:で、最初は「セーラー服アンソロジー」だったんですが…(^_^;
Cuvie:そうですね~、でも次が…、お母さんものがくるじゃないですか…(^_^;
稀見:タイトルは「淫母」ですね~ Vol.2で(笑)
Cuvie:それはま~お母さんもの…「う~ん(^_^;」と感じながら描きました。
稀見:というか、このI.D.COMICって毎回違う「テーマアンソロジー」じゃないですか? だから、新人さんに題目をだして「大喜利」のようにハードルを上げていくという(笑)
Cuvie:そうですね~、その中で一番辛かったのがやっぱりこれですね。「排泄姉妹」(^_^;

「I.D. COMIC Vol.4 排泄姉妹」(桜桃書房)


いきなりスカきちゃったんで(笑)
稀見:確か、この話だけは単行本収録がないですね。でも、こんなテーマが来ても果敢に挑戦する先生は凄いですよ! 
デビュー4作目ですからね!
Cuvie:自分で描いておきながら、自分は何を言っているんだ!!みたいな感じですよね(^_^; 

でも、この「排泄姉妹」を描いた時点で、「もう、なに描いてもいいんだ!!」と感じたことが原点にあるかも知れませんね。

そういう意味でI.D.COMICには鍛えられた感じはします。でも、今描いてくれと言われたら描けないですね(^_^;


■表紙の自分の名前をもっと大きくしてやる!という野望はありました

稀見:このデビューしたあたりは、まだ兼業ですよね?
Cuvie:はい、アルバイトと原稿料で暮らしていました(^_^; パチンコ屋のバイトやキャンペーンスタッフなどですね…。もう、接客仕事ダメ~~!! 絶対こんな仕事早く辞めてやる~~みたいな感じで働いてましたね(笑) 

マンガ家1本で暮らしていけるようになったのは、月2本ぐらい描けるようになった、一水社の「純愛果実」で描き始めたあたりですね。
稀見:「純愛果実」は初めての雑誌掲載作品ですね。という事は、雑誌デビューは「純愛果実2002年5月号」の「アンカーソング」という事ですね。

「純愛果実2002年5月号」

Cuvie:ああ~そういえばこれが雑誌デビューなんですね。

でも、単行本収録はないですね。ああ~これも恥ずかしい(雑誌を見ながら)でも、頑張って最初からエロを入れてたり…(笑)
稀見:さりげなく関西の人にはなじみ深い「阪急百貨店」が…(笑)

雑誌デビュー作「アンカーソング」より

Cuvie:ははは、ほんとだ! でも、彼らはどこ向いて歩いているんでしょうかね(^_^;
稀見:アンソロの時とはまた違う感覚とかありましたか?
Cuvie:ありましたね。表紙に自分の名前が出たりするので、やっぱり嬉しくて、クルクルした覚えはあります(笑) 

表紙の自分の名前をもっと大きくしてやる!という野望はありました!
稀見:いや~~今じゃ、何を差し置いてもCuvie先生の名前が一番大きいですよ!!ヽ(*°ω°)ノ

■私はむしろ、その暗かったり凶暴な歌に共感してしまった

稀見:高校時代にバンド活動を行っていたと聞いたのですが…。
Cuvie:はい、やってましたね~。でも、凄いですね…、なんで知ってるんですか?(^_^;
稀見:す、すいません~~。ほんと、ストーカーと変わらないですよね、やってること(^_^;

でも、先生は音楽、特に洋楽に造詣が深いイメージを持っているんですが、先生にとって音楽とは、創作のエネルギー的なものなんでしょうか? それとも、発散させるためのものなんでしょうか?
Cuvie:全部ですね。悲しい時に悲しい曲を聴いて、救われた気持ちになったり、いままで聴いていた曲の蓄積からネタがでてきたりとかもするので、潤滑油のようなものでしょうね。
稀見:仕事中はいつも曲をかけている?
Cuvie:いつもかかってますね! 自分の中で「音楽」というものが占める割合が大きすぎて、もうわからないですね~(^_^; それぐらい生活の一部になっている感じはします。
稀見:もともとバントや音楽に目覚めたきっかけは何だったんですか?
Cuvie:ちっちゃい頃ピアノをやっていたんですよ。なので、もともと音楽には興味があったんです。中学の頃は「フリッパーズ・ギター」が好きで、そこからファッションのように洋楽も聴くようになり、そうしたらどんどん興味を持つようになっていったんです。

曲の構成やアレンジは前衛的だったり逆に伝統的だったりして多彩で楽しめる一方、歌詞がもの凄く暗かったり、凶暴だったり(笑)

日本のポップスって、美辞麗句が多くて耳には優しいしBGMにするには健康的だと思うんですよ。でも私はむしろ、その暗かったり凶暴な歌に共感してしまったんです。そういう曲を聴いていて、「あ~こういう表現をしてもいいんだ!」と思ったんです。こういうネガティブな表現も商品にして売ってもいいんだ!と。
稀見:なるほど、よく理解できます。先生の作品って、人間のいろんな感情表現が非常に豊かなんですよね。音楽(洋楽)を通して表現の幅が広がったという事ですね。
Cuvie:そうですね、全方向に広げていいんだって!
稀見:ちなみに、バンドでのパートは?
Cuvie:唄ってました(^_^; も~前に出たがりなんですよ~~
稀見:うわ~~ その映像見てみたいです~~(;゚∀゚)=3

■サリンジャーの死はショックでしたよ!

稀見:影響を受けた作品などを教えていただけますか?
Cuvie:はい、メモってきましたが、なんか自分にしかわからないメモになってしまってますね(^_^;

私は本さえ与えていれば静かな子供だったらしいんです。だから”偉人伝”とか与えられて読んでましたね~(^_^; 「ヘレンケラー」「キュリー夫人」何故か「ファーブル昆虫記」とか…。そこから虫が好きになったり(笑) あと、恐竜の絵本とか。それで恐竜が好きになったり…、単純でしたね(^_^;
あと、グリム童話ですね。
稀見:グリム童話は「ドロテア」の表紙(カバーを外した表紙)などに活かされていましたしね! 

「ドロテア」のカバー下はいつもグリム童話

Cuvie:あと、お化けが好きだったんですよ。でも、そういうオカルト的なものを自分で体験しようと思っても一切できなくて…。いや、怪談とかが凄い好きだったので、幽霊とかはいずれ見られるだろうと思ってたんですよ(^_^; 
でも、いまだ見たことがないので、たぶんいないんじゃないかと…。
稀見:ああ~なるほど、じゃまさに新作の「籠女の邑」(NEMESIS:講談社)の主人公と同じ境地なんですね! 

「籠女の邑」(NEMESIS:講談社)


彼もオカルトには興味はあるけど実体験できない、という設定ですもんね。
Cuvie:あ、そうです! 
だからそのことを描こうと思ったんです。
稀見:あ~それ凄く共感します! 
私もそうなんですよ(^_^; オカルトは好きなんですが、霊感がないというか、そういう体験をしたことがない人間で…。族に言う「懐疑派」という、決してオカルトを否定しないし、あってほしいと思ってるんですが、それを実体験できないグループなんですよね(笑)
Cuvie:そうなんですよ~。テレビとかで、大槻教授が「絶対無い!!」みたいな論戦を展開すると、ちょっとイラッとするんですけど、完全に否定できない自分もちょっといたり…。
そういう話をネタにしてみたかったんです。
稀見:でも、この「籠女の邑」は、もちろんまだ途中ですが、オカルト要素というよりはサスペンステイストというか…、そういう部分も強いですよね。
Cuvie:「横溝正史」作品も好きでよく読んでいたので、美形の女の子が出てきて…、と言う話が、ちょっとベタですが描いて見たくて…。
稀見:いや、こういうベタは私も大好きです(笑) というか、田舎の大家族という設定で何かが起こらないわけがありません!! かなり設定だけで萌えてます(^_^;
Cuvie:あと、中学になってからは小難しい新書とか読んでましたね。ちょっとした雑学が好きだったので、自分の専門外というか、あまり知らなかった分野の本などを読んでいたりしました。アメリカ文学なんかにもハマって「サリンジャー」とか「フィッツジェラルド」その辺とか、あといわゆるビートニク小説「ジャック・ケルアック」とかですね~。先日のサリンジャーの死はショックでしたよ。グラース家の物語をもっともっと読みたかった。熱狂的なファンを持つ作家が隠遁したまま死んじゃうのはずるいです。

まあ中学生当時の自分はポーズで読み散らかして、あくまでわかった気になってただけだったかもしれませんが(^_^;
稀見:いや、そのわかった気になるって、大事だと思いますよ(笑)

中学から高校にかけての時期に、そういう背伸びをして、わかった気になる誤読って何となく大事なような気がするんですよ(笑)
「金閣寺」とか読んでも、わかっている気になっているだけで、実はエロい部分しか読んでなかったり(^_^;
Cuvie:マンガの方は最初は「リボン」でした。少女マンガですね。「萩岩睦美(はぎいわむつみ)」先生の作品が好きで、確か妖精の話とかファンタジーの話をよく描かれましたね。それから「花とゆめ」「LaLa」ですね。「樹なつみ(いつきなつみ)」先生が好きでした。「花咲ける青少年」「八雲立つ」とかですね。

「魔法の砂糖菓子」(萩岩睦美)


「八雲立つ」(樹なつみ)


あとは「山口美由紀」先生ですね~。

で、青年系の中では「安達哲(あだちてつ)」先生が一番好きですね!
稀見:最初「バカ兄妹」をアニメで見た時に、これが安達作品って全然わからなくてびっくりした記憶が…。今までの画風と作品の傾向が全然違ったので。
Cuvie:その中で「さくらの唄」という作品がもの凄く好きなんです。もの凄く暗い話で、お姉さんと弟の近親相姦のような話も入ってきてたり、とある描写のせいで当時発禁処分を食らってしまったほどの、もうもの凄く激しい作品なんですよ。テーマもキャラクターも深刻でエキセントリック(^_^;

「さくらの唄 (上)」(安達哲)


でも、それでいて「さくらの唄」は物語として破綻していない。私が安達先生の作品を最高だと思うところは特にその点ですね。
稀見:確か、山本直樹先生の「ありがとう」も大好きだとお聞きしましたが…。

「ありがとう」(山本直樹)

Cuvie:はい、大好きですね~。もの凄い、もうミュージカルのような作品でしたよね(^_^;

■「エロではもう、おまえはいらねぇ!」と、言われるまで描き続けたい

稀見:先生の中で、エロマンガを描くという事に、最初の頃は戸惑いや抵抗みたいなものはありませんでしたか?
Cuvie:ないですね (`・ω・´)キリッ 

もともとエロいんです! 小さい頃から、空き地に捨ててあったエロ本とか読んでたんで、なのでそういう部分も原点にあったりすると思います。だって、興味あるじゃないですか!!
(;゚∀゚)=3
稀見:はい、めちゃめちゃあります! ようするに先生の中で小さい頃から、エロという感覚は決して恥ずべき感覚ではなく、エロいことが好きなのは普通のことだ!という事だったんですね。
Cuvie:だって、興味ありますからね~(^_^; 
ま~今のご時世だと、そう思ってくれない人もいるかも知れませんが、私の中では、一般(非エロマンガ)をやっていても、エロ(エロマンガ)は辞めない!という気持ちではありますね!
稀見:うわ~それ、めちゃくちゃ嬉しい言葉ですよ! ファンはたぶんみんな泣いています!(;>_<;)

ま、でもこの言葉は嬉しいことに、ほとんどの作家さんが口をそろえて言ってくれます。改めてそういう言葉を聞けると、やっぱり嬉しいですね!
Cuvie:描く場所をいただける間はとにかく描きたいんで、「エロではもう、おまえはいらねぇ!」と、言われるまで描き続けたいです。いや、言われても同人で描くかも(笑) 好きだからここまで描いてきたんでしょうね~(^_^;
稀見:Cuvie先生の凄いところは、ある特定のエロジャンルに特化する方向というよりは、あらゆるものをエロくしてしまうという、「エロマインド」(笑)を根底に持っていて、どんなところからもストーリーを構築できるところじゃないかと、個人的には思っています(^_^;
Cuvie:そうかもしれませんね。私のエロの原点かどうかわからないんですが、男の子って言われると嬉しかったんですよね~。男の子に間違われると嬉しかったり…。だから小さい頃からワンピースを着るのが嫌いだったんです。別に恋愛対象が女性というわけではないんですが、中性的なものに憧れますし、自分も中性でありたいとは思いますね。
でも、見た目は女性なので、そういう部分の「こんちくしょう!」みたいなものをマンガで表現しているかもしれませんね。自分が女の子をこうしてやる~~!というのを描いていたり(笑)
稀見:でも、他の女性作家さんにも同じようなことは聞きましたが、ほとんどの作家さんは、描いている時は男性の視点に立って、どうやって女性を攻めようかという気持ちで描いているようですよ。
Cuvie:そうですね、自分が”されたい!”というものを描いているわけではなく、”こうしてやる!”というものを確かに描いていますね。
稀見:そこで皆さんが言うのが、「心のチンコ」を勃てて考える(笑)
Cuvie:もう、バッキバキ!!ですよ。(笑)
稀見:でも、Cuvie先生のマンガって、女性作家さんが描いているという印象が少ない感じはしますね。
Cuvie:あ~そう言っていただけると、凄く嬉しいですね。


■Cuvie先生の作品のタイトルが、漢字2文字の時は絶対傑作?

稀見:本当にいろんなジャンルのマンガを描き分けているCuvie先生ですが、大きく分けて甘々系のエロと鬱傾向、暗めのエロがあると思うんです。その両極端のエロを緩急付けて上手に発表しているように読み取れるのですが、その辺の創作の秘密などを教えていただけますか?
Cuvie:キャッチャーが配球を組み立てる感じでしょうかね?

甘々系ばっかりだとダメだし、やっぱり個人的には暗い話が好きなんで、それが得意な球種なのは確かでしょうね(^_^; でも、得意と言っても続くと気分もだんだん落ち込んでくるので、自分の感情が引きずられないように上げていこうという時は、甘々系描いたりしますね。
稀見:私も先生の作品の中ではどちらかというと、暗めのお話の方が好きなんですよ(^_^;

暗いとか、悲惨という単純な枠では表現できないとは思うんですが、人間の弱いところを突いて、まさに心の隙間ですね、きつい図星を突かれたような、また申し訳ない気持ちになったり…(^_^; で、救われそうになったら、また落とされたり…。でも、そういう手のひらの上で転がされているような感覚がまた好きなんですが(笑)

で、これは私の勝手に見つけた法則なんですが、いや全く私だけの法則かも知れませんが、Cuvie先生の作品のタイトルが、漢字2文字の時は絶対傑作!!という法則です(^_^;
Cuvie:ええ~そうなんですか?(;゚∀゚)=3 「開花」とか?!
稀見:いや、全く私の独断と偏見なんですが、基本的に英語のタイトルが多いんですが、昔から漢字2文字のタイトルがたまにあって、その作品はいつも面白いんです! 最近だと「欲情」「晩餐」「咆哮(ほうこう)」ですね~~。特に「咆哮」なんて一発変換しなかったぐらい難しい言葉のタイトルなんですが、もの凄く好きです!

「咆哮(ほうこう)」より

Cuvie:いや~ありがとうございます。これは「欲情」と「咆哮」で一連の作品になっているものですね。この辺は暗いですね~(^_^; いや~でも、嬉しいです。けっこう気合いを入れて描いた作品なんですよ~(^_^;
稀見:何が凄いかって、主人公のオヤジと、主従関係にある墜ちていく娘との関係性、そしてこのシーンです。「もっと見せろ! おまえの嬌態を!」というセリフです!ヽ(*°ω°)ノ

「もっと見せろ! おまえの嬌態を!」


現代のエロマンガでこのセリフを聞けるとは思ってなかったですよ!! そして、最後のページの「咆哮」を表現したブチ抜き! もうしびれましたね~。

こんな最後のエロマンガはなかなかないぞ!

Cuvie:確かに言わないですよね~(^_^; でも、確かにテーマをガチーンと絞りやすいからこそ、そういう感じのタイトルが出てくるのかも知れませんね。
稀見:と言いつつ、漢字2文字じゃないけど好きな作品が「XXX ADDICT」ですね。これは、先生自体もかなり思い入れがあるとか…。

「XXX ADDICT」

Cuvie:そうですね~これは思い入れがありますね。自分はロリものも好きで描いているんですが、ロリって間違ったら暴力になっちゃうと思うんですよ。そこをどうやったらエンターテイメントとして描けるかな~と思って。
稀見:前後編で、最初はエロ重視の甘々系の話なんですが、後半に行くにつれて、どんどん男としての贖罪のツボをついてくるというか、いや別に自分が何かをしたわけではないのに、そういう心理に陥れる魅力がありますね。最後の「ぜーんぶ嘘だから!」と言う言葉が、強烈です!
Cuvie:よっしゃ!!(ガッツポーズ!)

でも、本当に「桃姫」では好き勝手に描かせていただいていたんですよ。もうペンを入れた状態でFAXするなりメールするなり、という感じで描いてましたからね(^_^; で、じゃ今回どのくらいまでかかりますかね? みたいな(笑)

で、この「XXX ADDICT」ですが、ちょっと裏話があって…。最初ネームを出した時に、ちょっとロリ過ぎる! と言われたんです。ちょうどその時、ロリ的に世間体の目が厳しい時期だったので、ちょっとでも「毛」を描いてくれないかって言われたんです。なので、凄く薄く産毛が描いてあるんです!!(^_^;

ほんのり「毛」が!!

稀見:あ!本当だ!! (;゚∀゚)=3
Cuvie:あまり剛毛にはしたくなかったので、ペンの先でちょんちょんという感じで(^_^;
稀見:これがあればロリ判定が降りない! これは実に面白いエピソードですね。

実は、遙か昔ロリコンマンガが急激に発達した背景に、アンダーヘアが猥褻!という指摘を受けたために、じゃヘアのないロリで表現しよう!という流れが一部あったんですよ。昔は「ヘア」が猥褻で規制!という流れだったのが、今は「ヘア」があるから規制を逃れられる!という全く逆の流れになったというのは本当に興味深い出来事ですね。
Cuvie:へ~そんなことがあったんですか、全然知りませんでした。

■続き(完全版)は同人誌で

これでほぼ半分です。同人誌ではかなりのページを割いた記事になっていますので、是非読んでね!
収録は京都にもあった、毎回お世話になっている「カラオケ屋」さん。メンバーズカードがここでも使えるとは!!(笑)

四条河原町のカラオケ店で収録!




あと、同人誌ではCuvie先生自身のレポートマンガや、打ち上げに参加してくれた「天乃一水」先生のレポートマンガもあるぞ! 楽しみにね( ^_^)/

Cuvie先生が女子高生に?


同じく京都在住、しかも同じ大学だった天乃一水先生のレポートマンガ



■既刊本のお知らせ

以下のバックナンバーを委託中です。表紙をクリックしますと、内容が表示されますよ!(在庫は相変わらず少ないので、お早めに〜)

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

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  • 師走の翁
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  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
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※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.2
2009年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 月野定規
  • 紺野あずれ
  • 柚木N’
その他の現場!
  • 図書館の現場(国会図書館、米沢嘉博記念図書館)
  • イベントの現場(三峯徹、貧困問題)
  • 座談会(米倉けんご大好き女子座談会)
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エロマンガノゲンバ Vol.1
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  • ゴージャス宝田
  • RaTe
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  • マンガ制作の現場(みたくるみ、URAN)
  • 表現の現場(規制問題)
  • 販売の現場(漫画王倶楽部)
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【インタビュー関連リンク】
 
74 ero

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