甘詰先生のマンガを最初に読んだときの衝撃は今でも忘れられない。「エロマンガでこんな表現ができるんだ!!」と、感動すら覚えた。甘詰先生のエロマンガは、様々な感情を通して脳へ進入してくる。エロというゴールへ向かう道筋がこんなにまであったのか!? そ、そんな抜け道、裏道、そしてワームホールまであったのか!? その多彩なストーリー展開と、脳がエロに浸食されていく感触が本当にたまらない!
そんな甘詰先生に是非お話をお伺いしたいと、オファーしたのが実は去年の冬コミ(C79)。OKは頂けたのだが、3月に起きた震災の影響と、先生の多忙なスケジュールから次の夏コミでのインタビューは諦めることに…。そして、改めて夏にオファーし、今度こそは!ということで、ようやく待ちに待ったインタビューが実現した!
今回は特別サプライズとして、甘詰先生の大学時代のサークルの先輩でもある「海野螢」先生と、何故か私の知り合いでもある、サークルの後輩という、「大学先輩・後輩挟み込みインタビュー」企画として行わせて頂きました!
海野先生は、以前から交流があったので、この企画のことを相談したら、快く承諾いただきました( ^_^)/
ゲストプロフィール
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甘詰留太(あまづめりゅうた)
1998年11月、松文館から発行されたアンソロジーコミックス「ロリータコミックさくら Vol.1」でデビュー。読み手に強烈な印象を深く刻み込む独特な物語を発表し、多くのファンを持獲得。一般マンガ誌でも「エロ魂」を決して忘れない精神で新しい興奮を送り出す! 大の中日ファン!
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ゲストプロフィール
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海野螢(うんのほたる)
貧乳とショートカット、そしてSFテイストが持 ち味のマンガ家!
先生は言う「ロリと貧乳は違う!(超訳)」
大学のサークルでは実際には同時に在籍したこと はないが、甘詰先生の先輩である。 (左絵は、「アリスの二つ顔」の主人公アリス ちゃん! 単行本、松文館より絶賛発売中!)
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■今から考えると、よくそんなペンネームを付けたと
稀見 : | 今日は忙しいところありがとうございます。よろしくお願いいたします。
今回は特別ゲストに、甘詰先生の大学のサークルの先輩である「海野螢」先生と、偶然にも私の知り合いでもある、先生の後輩にも同席していただきました。
もし、甘詰先生の発言に対して「え、そこは違うんじゃないの?」(笑)などのツッコミがあれば、いつでも入ってきていただいてかまいません(^_^; |
海野 : | でも、編集の時に俺のコメントが全部なくなっていて、俺自体が居ないことになってたりするんでしょう?(笑) |
稀見 : | 逆に編集が大変ですよ(笑) それでは、よろしくお願いいたします<(_ _)> |
稀見 : | 先生は今までもいろいろなインタビューに答えられていらっしゃるので、インタビュアーとしてはオリジナルの質問を考えるのに苦労したんです。
先生の短編集もそうですが、正式なインタビューとして同人誌「ゴッドハンド」で一度ロングインタビューをされていますよね? |
稀見 : | といいつつ、いきなり最初は被る質問です。
先生の2つのペンネーム「甘詰留太」「A・浪漫・我慢」についてですが、このペンネームになった理由と、使い分けなどの決まりなどがありましたら教えていただけますか? |
甘詰 : | もともとは「甘詰留太」の方が先だったんですよ。
同人誌なんですが、当時「ときめも」(ときめきメモリアル)がものすごく流行っていたんです。そこで、大学の先輩に誘われたんですよ。そこで原稿を描いたときに「ペンネームどうする?」って聞かれたんです。そこで使い始めたのが「甘詰留太」だったんです。あ、これですね…、エロとかまだ描く前のやつですね。で、このマンガを描く前にすでに留年が決まっていたので(笑) |
甘詰 : | いや、1年生の段階でして(^_^; 今はシステムが違うのかな? でも、2年生に上がるときに、1年生の時に取っておかないといけない単位を取ってないと、2年からの選択が決められない状況があって、それで留年と…(笑) |
稀見 : | それは、すでにその時点でサークル活動や、マンガにはまっていたとか? |
甘詰 : | いや、単に「詰めが甘かった」んですよ(笑)
出なきゃいけない試験に出忘れたとか、そういう理由だと思います。確か1つか2つだけ単位が足りなくて、どえらく落ち込んだんですよ(笑)で、その時に同人に誘われたので、もうそのことを笑い事にするしかないと思って「甘詰留太」(詰めが甘くて留年してしまった)にしたんです。(^_^; |
海野 : | でも、本当の最初は間に「R」が入ってたんだよね? |
甘詰 : | 「R」は留太のRなんですけど、意味は単にかっこいいと思っただけですね。ファンタジーイラストなどを描かれている米田仁士(よねだひとし)先生がサインを書かれるときに、「仁」という文字の回りを四角く囲ったものをイラストに描かれていたので、それがかっこいいと思っていたんです。
で、自分もどっかに入れたいと思っていて、それで入れただけで、四角くいのは特に意味はないんです。 |
稀見 : | じゃ、最初は特に意味はないけど、何となくかっこいいと言う理由で「R」を入れていたんですね。 |
甘詰 : | ペンネームを付けるという時点で、なんかこっぱずかしい部分ではありますよね(^_^;
「甘詰留太」というペンネームは、実はこのときだけの、捨てペンネームのつもりだったんです。なので、そのあとに誘われたエロ同人でまたペンネームを考えろって言われたんですが、まだちょっと照れがあったので、いっそのこと「エロマンガマン」というペンネームにしようと思って、当て字で「A・浪漫・我慢」にしたんです。 |
稀見 : | なるほど、照れがある故に開き直っての「エロマンガマン」だった訳ですね! |
甘詰 : | 今から考えると、よくそんなペンネームを付けたと(笑)
どれほどの者だと(^_^; 「アイアム エロマンガ マン」って、ひどい名前ですよね~(笑) |
稀見 : | で、このペンネームでデビューする事になるんですね? |
甘詰 : | そうですね。このペンネームで活動しているときに声をかけていただいたので、そのままこの名前でデビューしました。
で、そのまましばらくこのペンネームを商業でも使っていたんですが、ティーアイネットさんから声をかけていただいた時に、戦略的にペンネームを変えた方がいいと言われたんです。
でも、名前を考えるのが凄く苦手で、どうしようかなーと思っていたときに「そういえば昔、甘詰留太というペンネームを使っていたなー」と思い出したので、そのまま使ったんです。 |
稀見 : | なるほど、「甘詰留太」というペンネームは、いわば「リサイクル」だったという訳ですね!
特に、作品の内容で使い分けているというわけではなく、編集部の意向で変えたのがきっかけという。 |
■俺と組もうぜ!
稀見 : | では、先ほども少し出ましたが、デビューのきっかけは何だったんでしょうか? |
甘詰 : | 同人誌の即売会で声をかけていただいたんですが、その頃には留年太郎だったので、もう卒業の見込みがほぼ出なくなっていて、親にどう言い訳したもんか、そればかり考えていたんです。
で、その時に話が来たので「もしかしたら、これで飯喰っていけるかも?」と思ったんです。そこで、もうすがるような気持ちで「やります!!」って言ったんです(笑) それで描かせていただいたのがデビュー作の「ママパパ…」(松文館:ロリータコミックさくら)になります。 |
稀見 : | デビューが「ロリ」ものだったのは、やはり同人でロリものを多く描いていたからだったんでしょうか? |
甘詰 : | そうですね。ロリもののアンソロを立ち上げるという事で、作家を集めていたんだと思います。だいたい俺がロリものを描くきっかけになったのは、友人で「きょーじゅ」というペンネームの男だったんです。たまに単行本とかの後書きでレビューなどを書いているやつです。
彼が、すっげーエロマンガが好きなんです。大学入るあたりぐらいから、エロ同人を作ろうという野心を燃やしていたらしいんです。彼とはサークルでは同期だったんですが、どうやら彼のお眼鏡にかなったのが同期では俺だけだったらしいんです(笑)
そして「俺と組もうぜ」と(^_^; |
稀見 : | それは、甘詰先生の「絵」の才能に惚れたのか、「エロ」の方向性だったんでしょうか? |
甘詰 : | わからないですね~~~(^_^; 何だったんだろう(笑)
でも、自分の代で美少女的な絵を描いていたのは俺だけだったので、それがきっかけだとは思うんですけどね…。それが大学2年生の夏ですね。その時に、彼の秘蔵のエロ同人誌をたーっくさん借りたんですよ。その同人誌を、筋肉少女隊の「レティクル座行超特急」や「ステーシーの美術」あたりのCDをヘビーローテンションで聴きつつ、読みまくったんです。
初めてぐらいの経験だったので「こんな世界が!!ヽ(*°ω°)ノ」って思いながら読んでいて、ものすごいトリップしちゃったんです。 |
稀見 : | 渡された同人誌を修行として読むというよりは、むしろ自分からはまっていったと…。 |
甘詰 : | もともとエロマンガやエロ小説は好きだったんですが、自分の手の届く範囲にこんなものがあったのか!と言う感覚でしたね。
そして、自分でもやってみたいと思うように短時間で洗脳されましたね。
そして、彼と初めて組んで作った同人誌がこれ(児童販売鬼Vol.1)になりますね、大学2年の冬ですね。 |
| 初めて描いた同人マンが「愛してる」(94年フレッシュソランジュ) | |
稀見 : | それまでは、エロじゃないマンガを描かれていたんですか? |
甘詰 : | そうですね、学漫ですね。普通のマンガですね。これが(愛してる)一番最初に描いたやつですね。新入生が最初に描くやつですね、まだ原稿用紙の使い方もわからない時期でしたね。
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稀見 : | ということは、「マンガ」という形式のものを初めて描いたのは、大学に入ってからということですね? |
甘詰 : | はい、たまたま入って居着いた場所が、先輩方が一生懸命マンガを描くサークルだったんですよ(笑)
それで、いろいろ教えてもらって自分でもマンガを描くようになったんです。先輩方が「画材とかぜんぜん扱ったことないやつ集まれ~!」って言って、新宿の「世界堂」とかに連れて行ってもらって、画材を1から選んでもらいましたね。付けペンとかそこで初めて買いましたが、ぜんぜん使えませんでしたね(笑) |
海野 : | ほぉ~俺が出てからそんなことになっていたのか…。俺が居たときは、ぜんぜんそんなことはなかったけどな~。そもそもマンガ描くサークルじゃなかったし(笑) |
甘詰 : | そ、そうなんですか?(;゚∀゚)=3 僕が入った時点で、すでに皆さんワシワシ描かれてましたよ。 |
稀見 : | 学年によって、そういう温度差があったんですかね? |
海野 : | 元々は、ちゃんとした伝統的な漫研があって、そこが思いっきり描くサークルで、本当かどうか知らないけど我々の間では、まず夏合宿に行ったら、ベタフラの練習をさせられるとか(笑)
で、そこが嫌で抜け出してきて、適当にやろうや~という感じでできたのが、我々のサークルだったって聞いたけど…。 |
甘詰 : | 今は我々の方がものすっごいですよ。もう、大学のサークルの一大勢力ですよ(笑)
僕らの居た頃は20名ぐらいのサークルだったんですが、今は、え?100数十人ぐらいですか(後輩に聞く)。むちゃくちゃですよ(笑) |
稀見 : | ちょっと疑問なんですが、もちろん絵を描く趣味はもともと持っていられたとは思うんですが、なぜ漫研ではなく、こちらのサークルに入られたんでしょうか? |
甘詰 : | たまたま最初に行ったところがそこだったんです。居心地がよかったので、そのまま居着いてしまったんです(笑) |
稀見 : | じゃ、特に「マンガを描くぞ!」という志があったわけではなく、たまたまだったと…。 |
甘詰 : | でも、ちょくちょくイラストなどを描いていたら、先輩に褒められて嬉しかったですね(笑) |
稀見 : | では、大学でマンガデビュー、エロマンガデビュー、そして商業デビューと…。 |
甘詰 : | そうですね。大学4年の時に初めて描かせて頂いてから、次々お仕事を頂いて、よっしゃよっしゃ!という感じでしたね。 |
稀見 : | しばらくアンソロでお仕事をされていた頃だとは思いますが、その時は「就職」という選択肢はなくもうマンガ家としてまっしぐらだったんですか? |
甘詰 : | それがですね~~(^_^;
親には言ってなかったんですよ、今留年しているとか…。
卒業は難しくなっちゃってるんだ~、見たいな雰囲気は臭わせていたんです。そしたら、親が気を回してくれて、知り合いの小さな出版社を紹介してくれたんですよ。
まずは、そこでバイトをして、もしよかったらそのまま就職してもかまわないから、みたいな感じで入れてもらって、そこに毎日かよって仕事のまねごとのようなことをさせていただいたんですが…。
ま~3ヶ月持たなかったですね(^_^; |
甘詰 : | まず電話がとれない(笑)「もしもし~!」「もしもし、じゃないだろう!!」って、先輩に凄く怒られました。
ま~今でもそういうところはあるんですが、大学の頃って何にもしてないが故に「万能感」があり、何でもできるような気がしていたんですが、その鼻っ柱をたたき折られた感じで、そのまま気分が持ち上がらなかったんです。
で、もう嫌で嫌で。出社したら常に針のむしろで、社長に契約では3ヶ月でしたが、申し訳ありませんが辞めさせてください!と言って、辞めたんです。
そしたら、気持ちが「ふわぁ!」と軽くなりましたね。でも、その次の日の朝に蕁麻疹が体中に出て(^_^;
たぶん、ストレス性の何かだったとは思うんですが、もう皮膚がボロボロになるぐらい湿疹が出たので、水風呂に入りながら「あ~~終わってよかった~( ´Д`)」って思いましたね。 |
稀見 : | じゃ、仕事の内容が激務というわけではなく、仕事場での精神状態が辛かったんですね。 |
甘詰 : | 社会人のいろはが全くない状態で職場に潜り込んでいて、周りはあんまりいい気はしてないんですよ、「縁故かよ!」みたいな雰囲気で。
で、海のものとも山のものともわからない人物で、ちょっといい大学行ってて学歴を鼻にかけてるんじゃないの?みたいな…。
口の訊き方もわからなかったので、何もしゃべらなかったのも気にくわなかったのかも知れませんね(^_^; |
稀見 : | 甘詰先生が大学を卒業するあたりの年代って、すでにバブルが終わって就職氷河期が始まっていた頃でしたもんね。 |
甘詰 : | そうそう、それで将来どうするか!?もっとぶっちゃけて言うと、親にどう言い訳をするか?(笑)
と言うことばかり考えていましたね(^_^;
だから単行本が出るときに、今までもらった原稿料とかの明細を持って実家に帰って「こういう感じでお金もらっていて一人だったら何とか暮らしていけるし、これを仕事としてやっていこうと思いますので、大学を辞めさせてください!!」って嘘の涙まで流して(笑)懇願したら、親が「じゃ、いいよ…」って(^_^;
どんなマンガを描いていたかは言いませんでしたが。 |
稀見 : | じゃ、そこからはもうマンガ家専業にシフトしたという事ですね。 |
甘詰 : | そうですね、もう選択肢がそれしかなかったですね。でも、サークル活動の延長みたいな感覚で、マンガ描いて原稿料もらえたので「ラッキーラッキー」みたいな感覚ではありましたね(笑) |
稀見 : | でも、生活は結構厳しかったんじゃないですか? |
甘詰 : | ギリギリだったですね。結構初期の段階で、大学を卒業しても就職の宛のなかったサークルの同期に時給500円で手伝ってくれと(笑)
でもその時給500円も払えなくて、単行本の印税が入ったときに今までの累計○○円!って言って払ったりしてました。 |
稀見 : | じゃ、最初はとにかく無我夢中という感じでした? |
甘詰 : | というか、学生時代の生活がだらだら続いている感じで楽しかったですね。も~6畳もない部屋で4人ぐらいで作業してましたからね。クーラーもなかったので夏はむちゃくちゃ暑かったですね。小さいこたつほどの机にライトボックスをなんとか2つ乗っけて作業してました(笑) |
稀見 : | 大学のために上京して、じゃそのままマンガ家になっても同じところに住んでいたわけですね? |
甘詰 : | 何にも学生の頃と変わってなかったです。付き合っているメンツも全く変わってませんし、住んでいたのも大学の近く だったので…。
と言うか、何故単位を落としたかというと、大学近くに住んでいて、部室が心地よくて授業に出てなかったからです。ほんと、毎日部室に行ってましたからね~(^_^;
なので、大学を中退しようが部室行きますから、そこで原稿やばいからちょっと手伝って、とか言ってそこのメンツに手伝ってもらってましたからね。そういう意味では、今も変わってないんです。 |
稀見 : | では、先生にとって大学という存在はとても大きかったという事ですね! |
稀見 : | 大学に入って、このサークルに入ってなかったらまたぜんぜん違う人生を歩んでいたかも知れませんね? |
甘詰 : | そうですね~。特に俺をエロの世界に誘ったきょーじゅに逢ってなかったらぜんぜん違ったでしょうね。 |
稀見 : | その、きょーじゅさんはマンガは描かないのですか? |
甘詰 : | 描かないっすね、あの男! 描かないのに、編集気取りなんですよ~! 今でもそうですが…。 |
海野 : | エロ新聞の細かい字を書いているやつです(笑) |
甘詰 : | って言いますけど、最近はようやく分業するようになったんですが、昔は半分ぐらい自分で記事も書いていたんですよ!
半分記事書いて、なおかつイラストも描いていたんですよ~~(^_^; |
稀見 : | これは全て肉筆で書かれているのが特徴ですが、どういうきっかけで始めたんですか? |
甘詰 : | 当時、エヴァンゲリオンがむちゃくちゃ流行ってたんですよ。それで、どこかの本でふくやまけいこ先生が「エヴァ新聞」 というのを書いていたんです。
それが、肉質でイラスト入りだったんですよ。で、彼と初めて本を作るときに、何かペーパーを付けようぜ!ってなって、最近のエロマンガの動向や妄想を書き連ねた、エヴァ新聞ならぬ「エロ新聞」ということで始めたんです。 |
海野 : | だんだん字を小さくして、自分たちで自分の首を絞めてたじゃん(笑) |
甘詰 : | そうなんですよ~(笑)
最初は0.1mmのピグマ で書いてたんですよ。書きづらいから今度は0.05mmにしたら、もっと字が入るようになっちゃったんですよ(^_^;
そのうちに、気がついたら0.03mmのピグマが発売されてたんですよ(笑) |
稀見 : | ということは「ピグマ」がいけないという事ですね(笑) |
甘詰 : | はい、「ピグマ」がいけないですね(笑) でも、好きなんですよね~。みっしり何かが入っているのが…。
自分は「空間恐怖症」みたいのがあって、もともとそんなに絵がうまいという意識がなかったので、なにか手間をかけることで付加価値を付けたいと思ってるんです。白いだけだと本当にへたくそに見えちゃうから、なんか描いてあるようにしたいんです。今でもそうですが、空間があるとコマを入れたくなっちゃうんです。 |
■マンガ家を目指す人はTRPGをやるべきじゃないかとまで思いますよ !
稀見 : | 学生時代に大きく影響を受けた作品、事柄、遊びなどがありましたら教えていただけますか? |
甘詰 : | TRPGを学生時代よく遊んでましたね、マスターをよくやっていました。今一線級で活躍されてる作家さんの年代って、中高にTRPGのブームを経験されている方が多いかと…。 |
稀見 : | 「エロマンガノゲンバ Vol.3」にも書いたんですが、師走の翁先生も実はTRPGにはまっていらっしゃったんですよ。 |
稀見 : | 実は、他にもやっていた人が多くて、しかも共通点がみんな「マスター」をやっていたという事なんです。
ふと思ったんですが、お話作りのうまい作家さんは、世界観を「創造」すると同時にプレイヤーを「楽しませる」という2つの役割のバランスを凄くよく考えていると思うんですよ。マスターをやった経験が話作りの無意識な基盤になっているんではないかと。 |
甘詰 : | そうかもしれませんね。でももちろんそういう事を意識していたわけではなく、楽しいから続けてたんでしょうね。毎週末やってたんで週間作家だったですね。ほんと、毎日その事しか考えない2年間でしたね(^_^; |
稀見 : | 凄いです。ホント、マンガ家を目指す人はTRPGをやるべきじゃないかとまで思いますよ(笑) |
甘詰 : | でも、もうプレイヤー自体がそもそも集まらないですよ(^_^;
今思うと、みんないいプレイヤーばかりでしたね。みんなちゃんと話を聞いてくれて、面白いって言ってくれましたからね。かなりおだてられたので、「俺、話を考える才能があるのかも?」って思いましたからね(笑) |
稀見 : | TVゲームのRPGと違って、基盤のストーリーを自分たちでどんどん変えられて、自分たちでゲームバランスを調節できるのがTRPGのいいところですよね。 |
甘詰 : | 世界のあらゆる出来事を、サイコロと数値で表記できるところが面白かったですね。 |
■国道22号線を自転車で北へ北へエロ本を求めて走ったんですよ!
甘詰 : | TRPGとは別に、古本屋でHな本を立ち読みしてましたね。 |
稀見 : | 具体的には、どういうジャンルのHな本ですか? |
甘詰 : | 美少女漫画誌がポツポツ出始める頃ですね。「PAGE1」(白夜書房)とか「パンプキン」(白夜書房)とか、ペンギンクラブ、ジャンボももうあった記憶はありますね。
中学校の頃、塾が終わった後に、ほとんど人がいない本屋でこっそり隠れて今出てるエロ雑誌を全部立ち読みするんですよ(^_^;
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甘詰 : | エロいものだったら何でもよかったんですが、マンガが一番手にとりやすかったですね。それとはまた別に古本屋でたまたま見つけたエロ小説、カバーも何もついてないむき出しの100円のやつですけど、読んでみたらもの凄くエロかったんで…。確かタイトルが「兄嫁」だった気が(笑)
フランス書院文庫でしたね。 |
稀見 : | 当時は、フランス書院文庫(フランス書院)、マドンナメイト文庫(二見書房)、グリーンドア文庫(勁文社)などがメジャーでしたね。一時期かなり陰りましたが、今は逆にライトノベルの延長上にある萌エロ小説 、二次元ドリーム的な(笑)ものが盛り返してますよね。
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甘詰 : | そーなんですよ! ああいう形で頑張ってくれればエロ小説好きとしては嬉しいですね。
で、当時はさすがに買うのは恥ずかしかったので、本屋に出かけてたんです。当時愛知県の一宮市というところに住んでいたんですが、木曽川を挟んで岐阜市が隣接していたんです。さすがに、一宮よりは岐阜市の方がいろんな本屋があるし、何よりも友達の目がないので、国道22号線を自転車で北へ北へエロ本を求めて走ったんですよ(笑)
で、いろいろエロ小説を読んでいたら、上手い人下手な人、俺に合う人と合わない人がいるというのがだんだんわかってきたんです。 |
稀見 : | 岐阜までは、距離にしたらどのぐらいですか? |
甘詰 : | 20Kmとかそのぐらいは走ってましたよ(笑)
結構平気でしたよ、体力余ってましたし。なによりエロパワーでしょう。
で、その遠征がほぼ義務化してくるんです。「あ、そういえばまだ今週分読んでないな!」とか言って自転車に乗っていって、立ち読みして帰ってくるんです。一銭も使わずに(笑) |
稀見 : | わかります、わかります。中学生のエロパワーとお金の無さは、まさにそういう感覚です! |
甘詰 : | 買うお金がないので、もう脳内のハードディスクレコーダーに全て記憶して帰ってくるんですよ(笑)
でも、迷ったのが、新貝田鉄也郎先生の「調教師びんびん物語」ですね。あと田沼雄一郎先生の「プリンセス・オブ・ダークネス」は凄くほしかったんですが買うお金がなくて、もう全コマ覚えるしかないな!って(笑)
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| 「プリンセス・オブ・ダークネス」(著:田沼雄一郎) | |
海野 : | 新貝田鉄也郎先生がとろろいも1号 で、田沼雄一郎先生が3号ですね。 |
甘詰 : | あ、でもそういう情報って大学に入って初めて知ったことが多いですね。それまでは、エロマンガの話なんていうものは自分の中だけのもので、誰にも見つからないように読んでたんですよ。それはきょーじゅも一緒だったんです。あいつも結構隠れてエロマンガ読んでいたので…。
で、情報交換すると、「あれ、新貝田鉄也郎って奴が描いてたんだ! そいつの新連載が今度載るんだ!」とか「すげーうめーなと思ってたのは、うたたねひろゆきって言うんだ!」って、初めてエロマンガの情報交換をしたのが大学のサークルだったんですよね。 |
稀見 : | 今まではあくまで個人の楽しみだったのが、大学で同志に逢ったことで、初めて共通の楽しみになったということですね! |
甘詰 : | びっくりしましたし、今になって思うと、あの時(1人で楽しんでいた頃)の自分の鑑識眼は間違っていなかったんだなと(笑)
少し戻りますが、エロ小説で「千草忠夫(ちぐさただお)先生」の作品を読んでいるときに、これが1番しっくり来る…、とってもエロい!!って思って、その頃から作家で本を買うようになったんです。 |
稀見 : | 今までインタビューした作家さんでも、エロ小説を通ってきている作家さんは少なかったので嬉しいですね。というか、自分も通ってきたので嬉しいです(笑) |
甘詰 : | エロ小説は再版なんてほとんどされませんから、ホント一期一会ですよね~。
だから、これはと思ったものは買うようにはしてるんですが、でも最近は読まないエロ小説が家に結構溜まってますけどね(^_^; |
稀見 : | エロ小説の流れから少しだけ関連があると思う事で、甘詰先生の描くお話って、もちろんビジュアル面も素晴らしいですが、何か「文字」を追って読んでいるような部分を非常に感じるんですよ。
「ナナとカオル」はもちろん心情のエロを上手く描かれている作品だから特に感じるのかもしれませんが、そういう先生の創作のポイントがエロ小説にある気が凄くしました。 |
甘詰 : | エロマンガを描き始めた頃から、個人的には絵では勝負できないな~、もっと上手い人いるから、と思って本当にメシを食っていくつもりだったら何かに特化しなくてはいけないと思ってました。
自分は物語を作るのが好きだったので、エロマンガに物語性を入れたいって考えたんです。編集部にもよりますが、エロマンガってページの何割かをエロシーンで描かないといけないという、お約束みたいのがありますよね? |
海野 : | 俺の場合は最初からなかった。今じゃもう20ページ中4ページあればいいや(笑)みたいな感じだけど。 |
甘詰 : | あ~でも、初期の頃はなかったですよね。「ロリポップ」 とかあのあたりは。 |
稀見 : | そうですね。基本「何でもあり」というのが初期で、コミックハウス系のコンビニ誌が出てきて、成年コミックマーク導入あたりから顕著にエロ指向に変化していった感じはしますね。 |
甘詰 : | で、マンガの冒頭と結末以外全部セックスシーンだとストーリーが成り立たないので、その時物語はモノローグで展開させよう!エロシーンに被せて…。
どうせ、モノローグなんて読まないから!と考えて、激しいエロシーンが行われている裏で、物語を展開させていって、最初と終わりを繋げて、モノローグを追ってくと物語として読めるように描く、物語を無視してエロシーンだけ読んでもエロマンガとして使える、という「お得感」!
これは名古屋出身だからかもしれませんが(笑)
そういう形式を意識してて、今の「ナナとカオル」でも出ているのかもとは思いますね。 |
稀見 : | そのお話を聞いて思い出したんですが、モノローグとはちょっと違うとは思いますが、初期の作品で「焼きうどんはパパの味」という作品が、私の中では特に衝撃的で好きなお話でした。 |
甘詰 : | あ、ありがとうございます。自分も好きな作品ですね。 |
稀見 : | この作品って、主人公と女の子は物語中で1度もセックスをしないじゃないですか!
でも、彼女と一緒の部屋で、彼女が輪姦されているビデオが延々流れているのに、彼女は凄く牧歌的な話題で平然としてるという。
作品の中で、同時に2つのストーリーが進んでいて、1つは激エロで、そのギャップがまたエロいと言う…。 |
甘詰 : | ロリマンガを借りて読んでいた頃に、割りと少女がもの扱いされている話が多かったんですが、自分的にはあまりエロいと思わなかったんですよ。大切なものだからこそいいんじゃん!
大切なものを汚すから背徳感があっていいわけで、少女ものだと、よりそういう部分を印象付けるためのストーリーがあった方が絶対エロいと思いますね。
後は、単純に自分が描くと少女に見えないんですよ。
コンプレックスではあったんですが、幼くて可愛い女の子に見えなかったのでいろいろ少女性を付加させなきゃいけなかったんです。無垢な存在とか、彼女が日常どういう生活を送っているとか、そういう部分を肉付けしていかないと、自分的にエロの及第点に達していない感じがしていたんです。
そういう意味で、いろいろ考えてみたという部分もあるとは思います。 |
稀見 : | 別のインタビューでも答えられていらっしゃいましたが、基本的にはロリ属性ではなく、どちらかというとマザコンに近いと…? |
甘詰 : | そうですね。本来ならセックスの対象から除外されていた女の子が性的対象になっている、ということがエロいと思っていたんですが、描いているうちにだんだん自分の理論武装が恥ずかしくなってきて、そのうち自分はロリコンだとは言わないようにしようと(^_^; |
海野 : | でも、おまえこれ(ウチで出したラブひな本)描いていたときに「初めて巨乳描いて、吐き気がした!」って書いてたじゃん(笑) |
甘詰 : | いや~~これは、半分冗談ではあるんですけど(^_^;
このころオッパイを描いたことがなかったんです! 俺的にはすげー苦労したんですよ(笑)
いや、疲れていたのもあるんですよ、吐いたのは本当ですから(笑) |
稀見 : | もう貧乳ショートがポリシーの海野先生からすれば、もうこれは…。 |
稀見 : | 甘詰先生にはやはり聞かないといけないと思っていたことの1つに、やはり「肋(あばら)描写」があると思うんです。
私の周りの、特に女性のエロマンガファンの人で、甘詰め先生の女の子の肋の描写が好き!という人が結構いて、どちらかというと肉付きがある方が好きな男性陣とは、また違うとらえ方をしているんだな~と思ったんです。でも、先生自体は「肋」を意識的に描いていたというよりは、ロリ表現として普通にそうなってしまったと伺いましたが? |
甘詰 : | そうなんです。最初はロリータ写真集を見ながら描いていたので、その自然な発見の喜びをそのまま原稿に描いていたんです。こういうポーズだと、ここに肋が見えるんだ~って。
肋もそうですが、腰骨とか膝小僧とか、それを描くのが楽しかったんです。あと、解剖学なんて全然わかってませんが、骨格から考えると整うんですよね。それにリアルだって褒められました(^_^; |
稀見 : | でも、最近はあまり肋を描かなくなったというか、ま、もちろんあまり裸にもなりませんからね(笑)
でも、貧乳は少なくなりましたよね。 |
甘詰 : | やっぱりアンケートとかで帰ってくるのを見ますと、オッパイを大きく描いた方が反響が大きかったので(^_^;
MUJIN時代は意識して大きく描こうとしましたね。でも、ちっちゃいオッパイの慎ましやかななまめかしいラインも好きなんですけどね(笑) |
稀見 : | いや、私は甘詰先生の貧乳の存在感って凄くあると思うんですよ。上手く言葉にできないんですが、たぶん「乳首」の存在感が大きいのかな~と? |
甘詰 : | あ~乳首大きく描きたがりますね。女性に性的な快楽があってほしいと思う「願望」ですよね。で、乳首って触ると気持ちいいので、男でも。だから、気持ちのいいところが目立って大きい女の子の方が性的な喜びを感じてくれるんじゃないかと…。犯している女の子への罪悪感が薄まる感じですかね。
乳輪も大きいのが好きですね。ことぶきつかさ先生の描く、乳輪のブツブツなんかもエロくていいですね。 |
■それが俺にとってのセックスのリアリティーだったんです
稀見 : | やはり今この話は聞いておかないとという点で「ナナとカオル」は外せないと思います。現在ブレイク中の「ナナとカオル」の誕生秘話を教えていただけますか? |
甘詰 : | ちょうど「年上の彼女」が終わって雑誌的に「ヤングアニマル嵐」が月刊化し始めた頃だと思うんですが、その時におまえ何か描けということになって。
「年上の彼女」が終わって1ヶ月ぐらいしか休みがなかったと思うんですが、アイディアを出したのがこれでした。なんか高校生が明るくSMをする話で、そのSMも一般的なものとはまたイメージが違うもので最初は短編として考えていました。当時は「ラブひな」とか「ツンデレ」とか4文字のタイトルが流行っていたので、ツンツンしてMな話なので「ツンエム」というのを出したら「いいじゃないか~!」となって描き始めたんです。
元々は2000年ぐらいから、エロ小説が好きなもんでエロ小説サイトばかりを漁っていたんです(笑) その時に凄く好きだった小説が、更科先生という方が書かれていた「アイツ」という小説だったんです。その内容が、明るいカップルのSMの話だったんです。それに凄く影響を受けて、自分なりにアレンジしたもの描いたのが第1話だったんです。
最初は短編のつもりだったので、高校生で第1話、大学生で第2話、社会人で第3話、結婚して第4話のつもりで描こうと思ったんですが、いつの間にかどんどん長くなって来ちゃって(^_^; |
稀見 : | 確かに現在6巻目ですが、時間的には1年経ってないという…。
「ナナとカオル」って、今までのステレオタイプ的なSMとは違って、どちらかというと本来のSMの意味に近い部分、心と体の部分でのつながりをうまく描いている作品だと思うんですよ。そういう心理描写が逆にエロく見えるんじゃないかと? |
甘詰 : | 結構AVとかも買うんですが、その中でもSMチックな投稿ジャンルのAVがあるんです。かなりマニアックですが(^_^; カップルが後ろ手で縛ったり、バイブで攻めたりするんですが、その時に「昨日どこどこのお店で○○を食べたのよ~」という会話をしながらプレイをするんですよ。その感じがスゲー面白くて、それが「リアル」に感じたんです。SMは日常と繋がっているんだって…。
そうやって考えていくと、一般的なSMは非日常で、自分とは全くかけ離れた世界の出来事なんだけど、描きようによっては身近に引き寄せられるかもと思ったんです。
俺の作品って、さっきも少し話が出ましたが、主人公の男の子があまりセックスできないんです、特に初期のは。遠くで見るものだったんです。
それが俺にとってのセックスのリアリティーだったんです(^_^;
セックスに対して、能動的になれない、というのは味でいいかと…。経験もないし。そういう意味では「ナナとカオル」のカオルは描いているうちにだんだんと固まってきましたね、最初からこうしようとかはなかったです。気がついたら情けなくて、どうしようもないコンプレックス持ちで、だけどヒロインの女の子(ナナ)が大好き!のがわかるのが4話目か、5話目で縄かなんかのケバを取っているあたりだと思います。どうも相当好きだぞ(笑)ということにようやく自分が気づくんです。
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稀見 : | そうやってキャラクターが固まってきたので、もっと話を描こうということになったんですね。しかも、人気がさらに出てなんとアニメ化、映画化ですよ!!
いままでインタビューしてきた作家さんで作品が「映画(ドラマ)化」したという例は初めてだと思いますが、始めそのお話を聞いたときにどう思われましたか? |
甘詰 : | 映画は拝見しましたが、すごいよかったですね。初めて聞いたときは「やった!」と思いました。 |
海野 : | 個人的には、監督の「清水厚」さんは現代の実相寺 とも言われる監督さんなので、なんでこんな作品、って言っちゃ悪いけど(笑)挑戦したのかなと…。 |
甘詰 : | いや、ほんと(^_^;
1回撮影の現場にお邪魔させていただいたんですが、相当スパルタだったらしいんです。その緊張感が作品によく出ていて、ぞくぞくする瞬間があるんですよね。そこが凄くよかったです。 |
稀見 : | アニメの方は白泉社さんの企画で、単行本とタイアップという感じで進められたんですね? |
甘詰 : | 凄くいいスタッフで作っていただいて、スタッフ編集者のみなさんありがとうございます、って感じでした(^_^; |
■TRPG以外全部エロの話ばっかりだけど、大丈夫?
稀見 : | もうこれは聞き飽きた質問だとは思いますが「満子(みつこ)」の名前だけスターシステムについて、そのきっかけや理由などを教えて頂けますでしょうか? |
甘詰 : | 単純に名前を決めるのがめんどくさかったんですよ。
最初にきょーじゅと同人活動をやっているときに、キャラクターの名前を決めるときに冗談で「女だからマンコ(満子:読み方はみつこ)でいいよ!」って言ってたんですけど、次のキャラクターを出すときも面倒だったんで、じゃ偶然同じ名前でした(^_^;
みたいな感じでやっていくうちに、みんな「満子」になってしまいました。
でも、使い続けているうちにだんだん自分の中で理論武装していくようになって、エロマンガの中における男性が消費する女の子の名前をマンコ(満子)って名前にするけど、彼女には人格と過去を与えて肉付けして、実はマンコっていう穴だけの存在じゃないんだ!って逆の意味合いを出すために、女の子の名前はみんなマンコにしよう。
でも、マンコだと直接すぎるので満子(みつこ)にしようと。 |
稀見 : | 一般に行かれてからも、基本は「エロ」という素材を主軸に創作していくという部分はもちろん今後もかわりませんか? |
甘詰 : | 結局自分の手持ちの武器はそれだけなので、これからもそれで勝負していくとは思います。 |
海野 : | 今日のインタビュー、TRPG以外全部エロの話ばっかりだけど、大丈夫? |
甘詰 : | いや!今日はエロマンガ家の人に話を聞くインタビューなので、問題はありませんよ! |
稀見 : | はい、全然問題はありません(`・ω・´)
ぶっちゃけ、一番の基準は私が話を聞きたい作家さん、という部分でオファーさせていただいています。俗に言う「マーク付き」の成年マンガを現役で描いている作家さんでないとという縛りはありません。
これは「エロマンガ」の定義の話にはなってしまうのですが、いろんな人の解釈があると思いますし、どれかが正解とも思っていません。ただ私としては、読者にエロい気持ちになってもらおうと思って描いている作家さんが「エロマンガ家」なんです(^_^;
あと、甘詰先生のように「エロマンガ家」という自覚があればもう完璧です。私は「成年マーク」が付く前 からエロマンガを読んでいるので、自分の中でマークが付いているから、そうじゃないからという線引きはあまりないんです。極端な例で言えばBLであっても、エロを追求している作家さんであればエロマンガ家なんです。 |
海野 : | 俺なんかそうだけど、もともと「マーク無し」のTL誌に描いてた漫画が、だんだん都からの締め付けが厳しくなってきて、単行本は「マーク有り」で出さざるをえなくなって、そしたら「エロが薄いって」言われたり(笑)
だって、もともとマーク無しに描いてたんだし(^_^; |
稀見 : | マークにはいろんな意味で作家さんは振り回されていますよね~(^_^; |
■続きは同人誌で!!
以後、完全版は同人誌で! その他、レポートマンガやその他の記事も充実ですよ!
今回もぢたま某先生同様、これで半分以下の公開です。それほどこっちも濃いインタビュー内容になりました!
インタビュー後は恒例になった「先生を囲む会」で先生を歓待! 多くの作家さんと楽しい時間を過ごさせていただきました。
エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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インタビュー特集!
その他の現場!
- トキワ荘プロジェクトに潜入!
- 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
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「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。
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| 高崎かりん先生のよる、インタビューアフターリポート! | |
| もちろん「甘詰」先生自身のよる描き下ろし「ナナとカオル」オリジナルイラストも! | |
| インタビュー中の様子。自分の同人誌を読む甘詰先生! | |
■既刊情報!
エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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インタビュー特集!
- 鬼ノ仁
- Cuvie
- 井ノ本リカ子
- Benny's
- 新堂エル
その他の現場!
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「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
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エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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インタビュー特集!
その他の現場!
- エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
- 携帯エロマンガの現場
- 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
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「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。
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エロマンガノゲンバ Vol.2
2009年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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インタビュー特集!
その他の現場!
- 図書館の現場(国会図書館、米沢嘉博記念図書館)
- イベントの現場(三峯徹、貧困問題)
- 座談会(米倉けんご大好き女子座談会)
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「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。
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エロマンガノゲンバ Vol.1
2009年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
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インタビュー特集!
その他の現場!
- マンガ制作の現場(みたくるみ、URAN)
- 表現の現場(規制問題)
- 販売の現場(漫画王倶楽部)
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現在絶版中です。今のところ再版の予定はありません。
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【インタビュー関連リンク】