クジラックス先生 インタビュー
TOP
「マンガ論争8」と「マンガ家向け確定申告...

2012
サブスカ先生 インタビュー
Check


エロマンガにおける新表現方法の発見。それは断面図にせよ、乳首残像にせよ、そしてアヘ顔せよ先人の作家が血と汗と精液?の血漿として開発されてきた表現だと言っても過言ではないだろう!

そんなエロ表現に、また新しい歴史が刻み込まれた。そう、サブスカ先生が2011年に発表した「ボディーランゲージ」での、肉体モノローグ表象(勝手にそう呼んでいます)は、主人公の男にしか見えない、心に思った事が肉体に直に現るという新しいエロマンガの表現で、ヒロイン達のとても口に出せないチョー恥ずかしい「エロ願望」をむき出しにさせた。
確かに、肉便器的な扱いをされる女性がリアルに文字を書かれるというプレイは、エロマンガ以前から存在するが、「ボディーランゲージ」は、ちょっとしたアレンジを加えるだけで、ここまでとらえ方が変わるという事を証明してくれた、素晴らしい作品だ。表現の発明と言うよりは、もともとあったプレイをアレンジしてより良いものにした「エロの実用新案」とでも言うべきか?

とにかく、この発明の発想の原点はどこにあるのかが知りたくて、さっそく先生にインタビューをお願いした。

ゲストプロフィール
サブスカ
2009年11月号、「僕らの秘密基地」でデビュー。初単行本「ボディーランゲージ」では、心の声が体に現れるという形の、新しい肉体コミュニケーションプレイを開発、一躍話題の作品となる。お腹の肉線、剛毛、太眉というマニアに嬉しい女性キャラも人気の1つ。本人も思っていることが顔に出るタイプらしい?



■自分にこんな濃いマンガ描けるだろうか??

稀見  :今日は初単行本「ボディーランゲージ」でブレイクされた、ティーアイネット期待の新人作家、サブスカ先生にお越しいただきました!
よろしくお願いいたします!
サブスカ:よろしくお願いします。
稀見  :では、オーソドックスにデビューのきっかけを教えていただけますか?
サブスカ:2009年のコミック1で出した、モンハンの同人誌がきっかけです。

モンハン同人誌「ナルガさんクエスト」2009年発行


モンハン同人誌「ナルガさんクエスト」中身


この本の前に、2008年の冬コミでも1冊作ってるんですけど、これが実に10年ぶりくらいに作った同人誌で、初めて描いた男性向けエロマンガになるんですけど、全くエロく描けなくて(笑)

10年振りの同人誌「ふる子狩り」2008年発行


10年振りの同人誌「ふる子狩り」中身


次こそエロく描くぞ!と色々なエロマンガを読んで研究し、どうにか体裁を整えて出したのがこの
2冊目のモンハン本なんです。これを読んだティーアイネットの編集さんからメールを頂きました。
稀見  :メールという事は、コミック1の即売会当日ではなく後日にということですね? 
委託かなんかだったんですか?
サブスカ:いえ、当日会場で本を買って、あとから連絡を頂いたみたいです。
稀見  :その時は、もう既にウチで描いてみませんか?というお誘いだったんですよね?
その時はどう答えたんですか?
サブスカ:まだ同人活動に復帰したばかりだったので、正直ビビりました(;^ω^)仕事として描くとか、全く考えていなかったので・・・。

でもその頃、私のブログを見て「webでイラストを描きませんか?」みたいなメールをたまに頂いていて、「へー、今時はこうやって仕事の依頼がくるんだなー」とは思ってました。ただデジタルコンテンツのお仕事はあまり興味がなかったので・・・というか、デジタルで絵を描き始めたばかりで、全く未知の世界だったので(笑)受けるつもりはありませんでした。

それで友達に、最近こんなメールが来るんだよって話をしたら、「そのうち雑誌の編集とかからメール来たらどうするー?」って言われて、「え~、そんなのが来たらやってみてもいいかな~?(́∀`)ハハハ」なんて冗談で軽口叩いてたんですよ。

その矢先にホントにティーアイさんからメールを貰って、「ちょ、ホントに来た!!どどどどうしよう!??(;゚Д゚)」って滅茶苦茶焦りました(笑)
稀見  :まるでその話を聞いていたかのように…(^_^;
サブスカ:うろたえましたね…(;゚∀゚)=3

メールの返事もすぐには出来ませんでしたね。結構悩みました。
その時は不勉強で「MUJIN」という雑誌を知らなかったので、まずは「一体どういう雑誌なんだろう?」と思いましたね。

最初にも言いましたが、私は少し同人活動にブランクがあって、エロマンガどころかマンガ、アニメ、ゲームなどのオタクコンテンツそのものから疎遠になっていた時期があるんですよ。
だからエロマンガも、ブランク前にちょっと読んでた快楽天とかメガストア、エロティクスくらいしか知らなくて。
稀見  :では、まず「MUJIN」を買いに行って研究したとか?
サブスカ:いえ、献本をもらいました。
その前にネットで検索して、「結構濃そうな雑誌だな・・・(;`・ω・´)」とは思いました(笑)
稀見  :そうですね、今発行されているエロマンガ雑誌でも「MUJIN」は濃くて黒くて厚い雑誌ですね(笑)
サブスカ:自分にこんな濃いマンガ描けるだろうか??」って最初は不安でしたけど、逆にこういうチャンスもなかなかないと思って、メールで「不安は大きいですがやらせていただきます」と返事させていただきました。
稀見  :こんな展開になるとは自分でも予想外だったと、しかも復帰後すぐですからね(^_^;

で、ちょっと戻るんですが、しばらく同人活動を休んでいて復帰したときに、男性向けエロ同人を描き始めたとのことですが、何故男性向けだったんですか?
サブスカ:これもまた少し話が戻りますが、学生時代に友達と「格ゲー」で同人をやっていたんですよ。
いわゆる格闘技ゲーム世代でして。

その頃はエロと言うよりは「下ネタ」の一般向けギャグで、男性でも女性でも読めるような本を作っていたんです。で、「格ゲー」ジャンルには当然ガチエロを描いている男性作家さんがたくさんいまして。そこで「OKAMA」さんとかの男性向けエロ同人を読むようになって、こういう可愛い女の子が出てくるエロいマンガも描いてみたいな~っと思い始めたんです。

そもそも男性向けエロを描きたいな、と思ったきっかけは「ヴァンパイア」のモリガンなんです。初めてゲーセンでグラフィックを見た時に、動きもキャラもエロくて綺麗で可愛くて、すっかり心を奪われました(´ω`)

同人誌「UB7」(著:OKAMA)95年


サブスカ先生のモリガン同人誌 95年


稀見  :おおお~私でも知っているキャラだ!!ヽ(*°ω°)ノ < 格ゲーに明るくない
サブスカ:それまではマッチョな男性キャラをよく描いていたんですが、ヴァンパイア以降女性キャラを描くほうが楽しくなってきて、試しに個人誌でちょっとエロイ本を作ってみようかな?と思い始めたんです。それでまずはコピー誌で、まぁこれもエロというよりは下ネタちょいエロのギャグ本でしたけど(;^ω^)とりあえず準備号として1冊作ってみたんです。

でもその直後に生活環境の変化もあって、即売会になかなか足を運べなくなって、自然とモチベーションも下がり、同人活動からフェードアウトしてしまったんですね。

同人活動をしなくなってから絵やマンガそのものもあまり描かなくなっていて、このまま私はオタクを辞めて普通の人(?)になるのかなー・・・なんて思っていたんですが、準備号を出したきりで結局本格的に男性向けエロを描かなかったことだけは、なんとなく心残りで引っかかっていました。

それから時が流れて、モンハンのP2Gに友人みんなでドハマりした時に、じゃあ久々に同人誌でも作るかーって気分になりまして、いざ何を描こうかと思った時に、「そうだ、モンハンの男性向けエロを描こう!」と思ったんです。
稀見  :一度作ろうとして頓挫していた「男性向けエロ」という、くすぶった気持ちをもう一度燃やそうと!!
サブスカ:で、今度こそがっつりエロい本を作ろうと思って1冊目の本(前ページ参照)を作ってみたんですが、まぁ全然エロくなかったですね(笑)
稀見  :でも、ブランクがあったとは思えないほどの巧さですよ!
サブスカ:復帰後2作目は1作目の反省をふまえて、最近のエロマンガ雑誌やエロ同人を色々読んで、なるほど、こういう風に描くのか!と研究して頑張りました。

足をガバーッと開いた構図や局部のアップを入れて、だいぶエロマンガっぽくなったかと思います(笑)
稀見  :でも、ガチエロと言うよりはやっぱりコメディー要素が強い感じはしますね。
お? 今自画像に使っているキャラが出ていますが…?
サブスカ:あ、そうです。

このマンガが自画像の元ネタですね。これはモンハンに出てくるお手伝い猫のアイルーが、変な薬を飲んで人間になってしまった!という設定で、ガチムチの男ハンターにアイルーフェイクという猫の被り物装備をさせて登場させたんですけど、このキャラを妙に気に入ってくれる人が多かったので・・・(;^ω^)

自画像の元ネタは、この強烈なキャラだった!


稀見  :いや~このキャラ強烈ですよ~(笑)
サブスカ:この頃はまだエロを描くことに照れがあって、普通の人間の男女でエロを描くのが恥ずかしかったんですよ(笑)

でも雑誌で描くときは担当さんに「シリアスに描きましょう」って言われましたね。
稀見  :で、この本が担当さんの目に留まってスカウトされる訳なんですが、どういう所を評価されたんでしょうか?
サブスカ:それが、エロいところじゃなくて違うところを褒めていただいた記憶があります…。
稀見  :ほぉーー。
サブスカ:私も「どうして私に声をかけてくださったんだろう?」というのが気になっていたので担当さんに聞いたんですけど、専門用語でコマの場面転換の時の読み手の視点移動の・・・なんとかライン・・・ちょっと名前は忘れちゃいましたが・・・
稀見  :「イマジナリーライン」ですかね?
サブスカ:あっ!そうです!「イマジナリーライン」です。



イマジナリーライン [ 参考「アリスの二つの顔 上」(著:海野螢)]


場面転換において、キャラクターを結ぶラインをまたいでシーンを繋いではいけないという、映画のカメラワークなどで基礎とされているお約束、マンガにも応用されている。

そういった基本的な事が出来ているのと、男女の全身を入れたコマがちゃんとあるのがいいって言われたんです。顔のアップや局部アップだけではなく、2人の人物がいまどう絡んでいるのかがわかりやすい、と。
稀見  :おお~、それは意外というとちょっと変かもしれませんが、よくよく考えてみれば至極まっとうな指摘だと思います。

エロマンガである以前に、マンガとしての基礎ができていて、その基礎をエロにもしっかり流用できるという”潜在能力”を評価してくれたんでしょうね。これはある意味、デビューを目指している新人さんにもいいアドバイスになるかもしれません。
サブスカ:でもエロさに関しては特に評価されてなかったような記憶が・・・(;^ω^)

ただ、自分自身でもエロく描けているのかどうか全く自信がなく、果たして商業誌でエロいマンガなんて描けるのだろうか?というところが不安だったので、逆にエロ以外のところを評価して頂けたことで、私にも出来ることがあるのかな、と思いましたね。やってみようと思うきっかけになりました。
稀見  :それで、では掲載に向けてやっていこうという流れに?
サブスカ:「まずはプロットを作って見せてください」と言われて、プロットを作りそれをネームにし、そのままデビュー作として掲載して頂きました。
稀見  :作業期間はどのくらいになりますか?
サブスカ:そうですね、5月のイベント後にメールを頂いて、掲載が10月5日発売号だったので5ヶ月くらいですね。実質作業は4ヶ月くらいでしょうか。
稀見  :で、デビュー号なんですが、いきなりカラーピンナップデビューなんですよね~。これって何か理由があったんですか?

デビュー号にいきなりカラーピンナップ!


サブスカ:えーっと、ちょっと当時の記憶が曖昧でもしかしたら間違ってるかもしれませんが、最初は1号前に掲載される予定だったデビュー作が、台割の都合か何かで次の号に載ることになって、ちょっと間があいた時に「ついでにカラーピンナップも描きませんか?」と言われたような気がします。原稿と同時進行で描いた記憶はないので・・・。
稀見  :じゃ~たまたまずれて、一緒に載っちゃったという感じですかね? 
新人さんのピンナップが次の号に載る事はよくありますから。

で、デビュー作がこれになる訳ですが、これはネームを何本か描いたうちからこうなったと?

デビュー掲載誌「MUJIN」2009年11月号


デビュー作「ぼくらの秘密基地」


サブスカ:いや、これ1本しか作ってなかったような気がします(;^ω^)「何本か描いてみてください」と言われてたんですがそんなにいっぱいネタが作れなくて、とりあえず1本だけ作ってみました~と言って提出しました。

ネタも、何を描こうか凄く迷って、まだ男性向けエロ自体描き始めたばかりで、自分の中に「こういう性癖や属性が描きたい!」みたいな強い売りもなかったので、じゃあ何を描いたら受けるかな?と考えました。

それでいちゃいちゃラブラブの可愛い話なら万人受けが良さそうだなーと思って、イチャラブなら幼なじみだな!とベタな感じの話を描きました。
稀見  :ということは、最初からこういう路線で行きましょうという話ではなく、比較的自由にテーマを選ばせていただいた感じですね?
サブスカ:担当さん的には「まずはどんなものが描けるのかが見たいので」ということでプロットを複数作って欲しかったみたいなんですが、全然作れなくて1本しかお見せできませんでした(;^ω^)


■コミケ会場の臭いがするんです

稀見  :同人復活で、すぐに商業スカウト、そしてデビューととても慌ただしかった先生ですが、男性向け商業エロという場所で描くにあたって、どういうものを参考にしたり勉強などをされたのか聞かせていただけますか?
サブスカ:とにかく献本を一生懸命読みました(`・ω・´) 頂いた「MUJIN」を読んで、「最近のエロマンガはこんな感じなのか~」って思いましたね。私が知っていたエロマンガって、ブランク前に読んでいた村田蓮爾先生が表紙の頃の快楽天とかでしたから。

そういえば学生時代書店で働いていたのですが、階ごとにジャンルが分かれている店で、1階が雑誌、2階が少女マンガ、3階が少年マンガで、4階が成人マンガだったんですよ。
稀見  :けっこう大きな書店ですね!
サブスカ:いや、縦長のちっちゃいビルで、1フロアが狭いので階ごとにジャンル分けされてたんです。バイトはどの階のレジ担当になるかはその日ごとに適当に決めてたんですけど、私は比較的4階の成人向けフロアを担当する事が多かったんです。そこで休憩時間などにエロマンガを読むことが出来たので、「天竺浪人」先生とか「町田ひらく」先生とか、あと「フラミンゴ」(三和出版)を読んで「わぁー凄い雑誌だ!!」って(笑)

あと「エロティクス」(太田出版)も読んでいて、そこで駕籠真太郎(かごしんたろう)先生とか砂先生を知って、好きになりました。

「フラミンゴ」(三和出版)


「エロティクス」(太田出版)


「フラクション」(著:駕籠真太郎)


稀見  :三和で変態、太田でサブカル系とか結構濃いじゃないですか(笑)
というか、とてもいい本屋だと思います(*´∇`*)
サブスカ:そうですね(^ω^)一度私がレジに立ってる時に伊集院光がマンガを大人買いしに来ましたよ。
稀見  :おおおぉぉ!(;゚∀゚)=3
サブスカ:「コレください!」「おおぉ! 伊集院光だ!!(;゚∀゚)=3」って(笑)
稀見  :4階だけ成人だったら、既にゾーニングされている感じですし、間違って未成年が来る事もなかったですね。
サブスカ:でも、他のバイトの女の子があんまり4階のレジには行きたがらなかったですね~。
稀見  :それは何故?
サブスカ:4階だけ臭いんですよ(笑)
稀見  :(爆笑)
サブスカ:何でかわからないんですが4階だけ特有の臭いが・・・。

1階は出入り口があるので通気が良くて、2階の少女マンガフロアはほんのりいい香りがするんです。3階の少年マンガは軽い汗臭さと埃臭い感じで、でも不快なほどではないんですが、4階は完全にコミケ会場の臭いがするんですよね(笑)
稀見  :。・゚・(´∀`*)゚・・。ヴァハハハハハ
そ、それはやっぱり客が臭いんじゃないですかね(笑)
サブスカ:そ、そうなんですかね(;^ω^)そんな感じで他の子が嫌がるのを幸いに、4階は私が担当する事が多かったです。コミケ会場の臭いには慣れっこでしたし、エロマンガが読みたかったので(笑)
稀見  :コミケ3日目でしょうね、その臭い(笑)

関係ないですが、この前初めてスパコミに一般で行ってみたんです。そしたら、もう全然臭いが違うんですよ~! 結構混んでいたんですが、ここまで違うものなのかって思いましたね。
サブスカ:確かに女性向けイベントはいい匂いがしますね(笑)


■「サブスカさんの絵は下描きの方がエロく見えますね」と言われ…

稀見  :いろいろ試行錯誤してデビュー作を描かれたという事が解りました。もう1点、ブランクを経てマンガを描くときに、マンガの文法的なテクニックとは別に、キャラの造形を今の流行に合わせよう、取り入れてみようという工夫などは行いましたか?
サブスカ:ああ~、それは考えてなかったかも・・・というか、そこまで気を回す余裕がありませんでしたね。少なくともデビュー作を描いていた時は。とにかくマンガを描くだけで必死で・・・(笑)

デビュー前の話になりますが、同人に復帰する3年前くらいに、友人の勧めでイラストブログを始めたんですよ。

長らく絵も描いていなかったんですが、ブログなら簡単に管理も出来るからやってみたらって言われて。それからぼちぼちと、再び絵を描き始めたんですが、全然可愛い女の子が描けなくてですね・・・。

しばらくオタク離れをしている間に世間では「萌え」というものが市民権を得ていて、よし!私も流行りの萌える女の子を描くぞ!と意気込んでみたものの、全く描けませんでした(笑)

可愛い女の子が描きたいけれど、どうやったら可愛くなるんだろう?って色々考えましたね。たぶんその時が一番キャラ造形に関して試行錯誤した時期かもしれません。

まぁ、最終的には「別に萌える絵じゃなくてもいいかな・・・(´Д`)」と投げてしまいましたけど(笑)
稀見  :でも、萌ブームって先生が一度絵を描かなくなった後に急激に広がった感じなので、先生はちょうど悪い意味での影響を受けてないからこそ、とても魅力的な感じのキャラになっている気はしますね。
サブスカ:これが「ボディーランゲージ」のキャラ表です。

キャラ表 野村


キャラ表 藤崎


キャラ表 鈴白


稀見  :おおおおぉ!!(;゚∀゚)=3
サブスカ:普段こんなにちゃんと描かないんですけど、この頃絵柄のテコ入れをしていたので「きちっと仕上げまで描いたキャラ表を作ってみましょう」と言われて作りました。
稀見  :具体的にはどのようなテコ入れがあったんですか?
サブスカ:ある時担当さんに「サブスカさんの絵は下描きの方がエロく見えますね」と言われまして・・・。その頃ちょうど、最近絵にデフォルメが効き過ぎてきてるねって指摘をされたばかりで、作品で言うと「静流先生におまかせ!」のあたりなんですが。
デビュー作はどちらかというと今に近い感じで、細い線で繊細に描いていたんですが、これは単に久々に握ったつけペンでうまく描けなくて、結果的に細い線になっちゃってたんですね。

それから何作か描くうちに手が慣れてきて、太い線も引けるようになってきたんですが、それが面白くて今度は極端に太くしたり強弱をつけすぎたりしてしまっていたんです。書き慣れたことによる上達の一つでもあるんですが、ちょっとコミックぽいデフォルメ感が強くなりすぎているので、絵柄の見直しをしましょうかと言われました。

デフォルメ感きつめの「静流先生」


稀見  :なるほど、見比べてみるとわかりやすいです。
サブスカ:それで、下描きの、細い線を重ねていくタッチのほうがエロく官能的に見えるので、ペン入れの時にその下描きの線を目指して描いてみたらどうでしょうか、とアドバイスを頂いたので、それを意識して描きました。
稀見  :確かに静流先生は線が単調で、デフォルメがキツイ感じですね。
サブスカ:そうですね、この頃はウエストなんかもかなり細くて、ディズニーのヒロインみたいになってますね(笑)

あまりにマンガっぽくなりすぎて記号化すると、エロさに欠けるということで、もう少しリアル路線に修正しよう、という感じでしたね。
稀見  :実に実践的なアドバイスです。非常に勉強になります!!
サブスカ:実際の下書きはこんな感じです。

下書き状態のキャラ表「藤崎さん」


「ボディーランゲージ」下書き


稀見  :おお~なるほど、これならよくわかります。
サブスカ:とにかくブランクが長かったので、自分でも、自分がどんな絵を描いて、どんな線を引いてたのか忘れちゃってたんですよ(;´Д`)

だからいろいろ迷走しつつ担当さんのアドバイスを参考にしたり、自分で描き心地のいい線を模索したりして、今のタッチに落ち着いたんですけど、若かりし日の同人誌を見直してみると、意外と今のタッチに近かったりするんですよね。体が覚えてたんでしょうか(笑)

エロマンガ家さんって皆さん強い「属性」がある方が多いじゃないですか。オレは巨乳モノが好きだ!オレはNTRが好きだ!みたいな。抑えようとしても抑えきれない強い衝動で描いてる方、いらっしゃいますよね。「この作家といえコレ!」というのが作家性というか、いわゆるその作家さんの「売り」になると思うんですけど。

でも私にはそういう強い「売り」になるものがなくて、何か売りを作らないとねって話を担当さんとしていたんです。だからといって好きでもない属性を無理矢理売りにすることは出来ないので、じゃあ何かひとつ変わったネタの話を作って、それを売りにできたらいいかな、と思って描いたのがボディランゲージだったんです。

作品としての売りは作れたかもしれませんが、当初の課題である「作家としての売りを作る」というのは達成できてない気がしますねー(´・ω・`)
稀見  :でも、そんなに簡単に売りが見つかる事はないと思いますよ。昔は3冊出してようやく見えてくるというレベルだったんですが、今は最初からそれを求められるので、そういう面では確かに余裕はなくなってきてはいるんですが…。しかし、個人的には「ボディーランゲージ」の着想は、もの凄い画期的だったと思いますよ!!

気持ちが全て体に言語化されて現れる!時系列、ベクトル、書体による性格まで!



■「このブタッッ!!」って怒鳴られたんです

稀見  :ちょうど流れ的に「ボディーランゲージ」の話になったので、このお話の秘話について伺いましょう!そもそも、この話は連載ありきで始まったんですか?
サブスカ:いえ、まずは1話完結でプロットを作り、行けそうだったら連載にしましょうと言われました。
稀見  :で、実際行けそうな結果が出たんですか?
サブスカ:アンケートは上がりましたね(^ω^)
稀見  :おおおおぉぉ! やっぱり(;゚∀゚)=3
サブスカ:それまでは真ん中あたりをうろうろしていたアンケが一気に上位になりました。それから裏書き(アンケートハガキの裏面のコメントを書く欄)に「面白かった!」と感想を書いて下さる方が増えたんで、これは行けるんじゃないか!?と・・・。
稀見  :それは嬉しいですね(*´∇`*) でも、私も第1話読んだんですが、強烈に印象に残っていますね。
サブスカ:あと同業者の方から結構話題にされましたねー。
それからネットのあちこちに画像が貼られてました(笑)
稀見  :(*´∇`*)

でも、肉便器的落書ものとしては古典からある形式なんですが、モノローグ的な心の言葉をこういう形でビジュアルで示したというのは初めてだと思いますよ。時系列、ベクトル、そしてフォントまで変わっていて、非常に画期的なエロ発明じゃないかと勝手に思ってはいます(^_^;
で、このネタを思い付いたきっかけ? 
というのを後書きに描かれていますが、これを詳しく教えていただけますか?
サブスカ:これは是非今日話さないと!と思ってました(笑)
まぁ、後書きに描いてある事がまんま実話なんですが・・・。

その頃ネタ系プロットを何本か作って提出したんですが全部ボツになって、また新たにネタを考えなくちゃー・・・と悩みながらチャリでぶらぶら走ってたんです。でも凄くお腹も減っていたので、だんだん頭の中が食べ物のことばかりになってきて、アレ食べたいなーコレ食べたいなーって考えながら走っていたら、向かいから来たチャリに乗ったおじさんにいきなり「このブタッッ!!」って怒鳴られたんですよ!

急に怒鳴られるが、まさかこのおっさんにまた遇うとは!!


稀見  :(;゚∀゚)=3 な、なんなんでしょうね…。
サブスカ:とにかく驚いてチャリを停めてしまったんですけど、そのおじさんはそのままフラフラと走り去って行きましたね。
取り残された私はなんじゃアレは(;゚Д゚三;゚Д゚)!??状態で」って状態で。

でもふと、「ああ、いま私ものすごく食べ物のことばっかり考えてたから、もしかしてそれが顔に出てたのかもなぁ・・・。

それで『このブタめッ!!』って罵られたのかしら・・・」と考えた時に、アレ?これそのままマンガのネタに出来るんじゃ?って思ったんです。
稀見  :でも、もし仮に見えたとしても、なんでおまえに怒鳴られなきゃいけないんだ! とは思いますけどね(笑)
サブスカ:さらに後日談があって、このおじさんとは単行本の発売日にも会っているんです。
稀見  :何!!(;゚∀゚)=3

ここからは、単行本にも書いていない後日談! なんと、あのおっさんと単行本発売日に再び遭遇! いったい今度はどんな事をされるのか!!(笑)

あと、実は今回のスペシャルゲストとして、インタビュー後半に「東西」先生が乱入します。「ボディーランゲージ」大ファンの東西先生は、一体著者に何を語るのであろうか!? こちらもこうご期待!!

インタビューに持ってきてくれた、昔のゲーム雑誌とか〜


■見よ読者!これがリアル「ボディーランゲージ」だ!

今回は、先生のインタビューはもちろん、今までになかった企画として、先生公認のリアル「ボディーランゲージ」のコスプレ写真付いてきます!

もちろん、その様子のレポートマンガもあるぞ!


都内某所のスタジオを借りての、コスプレ写真撮影会!

実際にお借りしたコスプレスタジオ


実際にサブスカ先生の作品「ボディーランゲージ」に出てくる、4人の美女を忠実に再現! その様子を、特別カラー袋とじとして「エロマンガのゲンバ」新刊に差し込みました!

鈴白さん?


藤崎さん?


真壁さん?


白河さん?


今回限りの特別企画! 経費がかさみすぎたので、たぶん再版できません(笑)
コミケ発売を楽しみにしていてくださいね〜( ^_^)/

■サブスカ単行本!



■新刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.7
2012年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • たべ・こーじ
  • クジラックス
  • サブスカ
その他の現場!
  • 編集の現場
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

今回のインタビューの完全版は、新刊「エロマンガノゲンバ Vol.7」に収録されています。ご興味のある方は、是非コミケ、もしくは委託書店へ!


■既刊情報!

エロマンガノゲンバ Vol.6
2012年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • DISTANCE
  • エレクトさわる
  • たけのこ星人
  • 服部ミツカ
その他の現場!
  • エロマンガ女子会
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.5
2011年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 甘詰留太
  • 命わずか
  • ぢたま某
その他の現場!
  • トキワ荘プロジェクトに潜入!
  • 「エロチャリ」は如何にして制作されたのか?
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.4
2010年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 鬼ノ仁
  • Cuvie
  • 井ノ本リカ子
  • Benny's
  • 新堂エル
その他の現場!
  • LOファン座談会
  • ゴージャス師走ナイト
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託中です。
COMIC ZIN とらのあな

エロマンガノゲンバ Vol.3
2010年8月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 師走の翁
  • にったじゅん
  • 岡田コウ
その他の現場!
  • エロ本ができるまで(赤月みゅうと)
  • 携帯エロマンガの現場
  • 納本の現場(国会図書館に同人誌を!)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。

エロマンガノゲンバ Vol.2
2009年12月発行 140P 1,000円 (画像をクリックすると詳細が見れるよ!)
インタビュー特集!
  • 月野定規
  • 紺野あずれ
  • 柚木N’
その他の現場!
  • 図書館の現場(国会図書館、米沢嘉博記念図書館)
  • イベントの現場(三峯徹、貧困問題)
  • 座談会(米倉けんご大好き女子座談会)
「COMIC ZIN」さん「とらのあな」さんで委託販売中です。
COMIC ZIN とらのあな
※ 在庫がない場合もあります。書店委託は、定価より若干高めになります。



【インタビュー関連リンク】
 
0 ero

クジラックス先生 インタビュー
TOP
「マンガ論争8」と「マンガ家向け確定申告...