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2013
あさぎ龍先生 インタビュー
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ゲストプロフィール
あさぎ龍(あさぎりゅう)
1998年「漫画ホットミルク 10月号」(コアマガジン)にてデビュー。成年マンガのジャンルの中でも今や数少ない「レズもの」を題材に多くの作品を発表。近年、さらに一般誌や同人の方へも活動範囲を広げファンを拡大中! 4匹の飼い猫が自由に徘徊する仕事場で、マンガ制作に励む!
エロマンガ界一の棋力の持ち主(たぶん)。一人称は「あたい」。

現在、エロマンガ界(成年コミック)でレズ・百合マンガを主戦場として活躍されている作家さんは非常に少ない。男性不在の女性だけのインモラルな世界故に、男性読者からの共感を得られにくいのか、ここ数年は徐々に減少傾向にあったジャンルではある。しかし、そんなジャンルだからこそ、この場所での戦い方がある、と言わんばかりに躍進し続けている作家がいる。

 あさぎ龍先生は、ここ数年主にレズ・百合ジャンルの成年マンガを描き続けている作家の1人だ。セックス描写の薄い一般誌などの「百合マンガ」ジャンルは近年大きな市場として成長を続けているが、あえてエロという場でのレズ・百合マンガを送り出しているあさぎ龍先生に、このジャンルの魅力、そしてその創作の秘密を伺った。

インタビュー場所は西武線沿線の先生のお仕事場。部屋の中は先生の飼われている猫が自由気ままに徘徊する、まさに「猫カフェ」状態 =^_^=
はたして初めて猫へのインタビューも成功するのであろうか!?

あさぎ龍先生の仕事机



■自分にインタビューなんてまだ早いだろう…

稀見:今日は先生のお仕事場、猫ちゃん達が徘徊する中でのインタビューとなりました。
よろしくお願いいたします。
あさぎ:よろしくお願いいたします。
稀見:あさぎ龍先生には3年ぐらい前、そうですね「桃姫」(富士美出版)で女流棋士倉田美奈を連載している頃に1度オファーしているんですよね。

「COMIC 桃姫 2008年8月号」(富士見出版)


あさぎ:あの時は本当に申し訳ありませんでした。でも、その時はやっぱり自分にインタビューなんてまだ早いだろう!としか思ってなくて…。
稀見:いや~ショックでしたよ(笑)

というのは嘘で、オファーする側としてはいつも「断られて当然」という気持ちでいますので、その辺はちゃんと割り切っています。断られると言っても、先生のようにまだ早いとか、おこがましいという「謙遜型」と、今は少し仕事が忙しくて…、という「多忙型」の二種類がほとんどで、ありがたい事に「どこの馬の骨ともわからないやつのインタビューに誰が応えるか!!」というのはまだないです(^_^;
あさぎ:僕は、そういう意味では「謙遜型」だったんですね。
稀見:出来れば実際にお目にかかって正式にオファーしたかったんですが、先生は当時はまだブログもされてなかったですからね~。
でも、去年実際にお会いすることが出来まして、今度こそはと思いオファーさせていただきました( ´ ▽ ` )ノ
あさぎ:本当にありがとうございます。なのに、昔オファーされたことを全く覚えていなかったという…(^_^; いや~我ながらびっくりしました。
(後日、最初にオファーした時の記録をご覧いただき、記憶が復活!)

■当時、東京大学に入るつもりで勉強していたんです…

稀見:ペンネームの由来を教えていただけますか?
あさぎ:投稿するために高校3年生の時に付けた名前なんです。確か高校2年の冬にインフルエンザで寝込んでいたんですよ。その時に、将来何して食っていこう~って考えていたんです。大学にも行くつもりはあって、進学校だったので勉強はしていたんです。
稀見:当時はまだ宮城ですよね?
あさぎ:そうです。宮城の男子校で、当時買っていたエロマンガ「漫画ばんがいち」(コアマガジン)や「キャンディータイム」(富士美出版)的な雑誌を読み終わってから回したりしてました…。

「漫画ばんがいち」(コアマガジン)


「コミック キャンディータイム」(富士美出版)


で、自分だけで食っていけるようになりたいと思って、まず考えたのが「よし、小説を書こう!」って思ったんです。お金もかからないし…。そして、ベットの上で書き始めたんです(笑)
でも、3日ぐらいして、「ダメだ、これは小説になってねぇ!」ってやめたんです。
じゃ、次はマンガだって(^_^;
稀見:意外に浅い動機ですね(笑)
あさぎ:落書きなんかはちょくちょくしていたんですよ。でもその時は最初から投稿するつもりで、原稿用紙を買ってきて直接描き始めたんです。
稀見:もう投稿先も決めていたんですか?
あさぎ:「漫画ばんがいち」(コアマガジン)にしようと思っていました。
稀見:少年や青年ではなく、いきなりエロですか?! それはどうでしてですか?
あさぎ:何故かエロマンガだったんですね(^_^;
稀見:それは、エロの方がデビューするのが一般誌よりは、敷居がやや低いという部分があったからとか?
あさぎ:もしかしたら直感的にそう感じていたのかもしれませんね。あとは、当時東京大学に入るつもりで勉強していたんですが、東大出てエロマンガ家だったら、これはこれで面白い肩書きが持てるんじゃないかな、という冴えない考えを持っていたんですよ(^_^;
稀見:あ~変な肩書きって少し憧れますよね~(笑) 自分もエロマンガ家インタビュアーって現在進行形で変な肩書きですが(笑)

東大出身のエロマンガ家だと砂(すな)先生が有名ですね。
あさぎ:後は、親を納得させるランクの国公立じゃないとダメだったというのもありましたね。ま~結果的にはおよばなかった訳ですが(^_^;
そんなこんなでマンガを描き始めたわけですが、最初に描いたときは「雨月秋成」というペンネームで出したんです。で、そのマンガが賞を取って1万円いただきました。

あさぎ龍先生が「ばんがいち大賞」に 入選したときの寸評


稀見:雑誌の月例賞的なやつですか?
あさぎ:ばんがいちの賞です。その時「うわ~お金もらえるんだ!」ってその気になって、3年生になって今度はコミックハウスさんに投稿したんです。その時またペンネームを考えて、あ、僕本名「佐々木優」って言うんですが、本屋に行ったときに『あさぎり夕』という作家さんが目について、じゃ本名と混ぜて『あさぎ龍』にしようと(笑)
語感が似ていたので。
稀見:合わせ技のペンネームだったんですね(;゚∀゚)=3

でも、「あさぎり ゆう」が「あさぎ りゅう」と「ゆ」が小さくなっただけという見方も(笑)
あさぎ:た、確かに…。

「僕たちの第二章」(著:あさぎり夕)


稀見:「あさぎ龍」というペンネームで中性的な名前な感じがしてたんですが、ブログなども読むと、なんとな~くですが、性別をぼかしているような書き方をしているのかな~って(^_^; でも、プロフィールにも男性とはちゃんと書いてはあるんですが…。
あさぎ:たぶん、ブログでの一人称が「あたい」だからでしょうかね? あ、それもお話ししましょう。

22、23歳頃にラーメン屋でずっと働いていたんですよ。
ま~マンガではとても食える情況じゃなかったので(^_^; その時にそのお店の店長が、毎週週刊ポストを買ってきてたんです。そのポストの中にビートたけしの連載がありまして、その記事の一人称が「あっし」になっていたんですよ。その時思ったんですよ「あ~これは、文筆業が本業ではないから、たぶん照れ隠し的に『あっし』にしてるんだな」と、勝手に解釈したんです。自分がブログを始める時にそれを思い出して、俺でも私でもなく「あたい」にしてみようと…。
稀見:若干照れがあった?
あさぎ:マンガはそこそこ描けますが文章のプロではないので、そういう人が書いているんですよ~(^_^; という部分を出してるんだとは思います。下手な文章を誤魔化すというか、そういう照れ隠しなんでしょう。
稀見:ま~よく考えたら「あたい」って男性でも、女性でもあまり使わない一人称ではありますよね(笑)
だから、印象には非常に残ってました。
あさぎ:もう変えてもいいかな~とは思っていますけどね(^_^;

■「あさぎ龍」は姓名判断的には凶らしいです

稀見:ペンネームと言えば、もう一つのペンネーム「天望心喜(あまのみき)」という名前で単行本を出されていますが、こちらの名前の使い分けなどはあるんでしょうか?

「エステ☆クリシュナ」(竹書房)


あさぎ:これを描いていたときは所沢に住んでいたんですが、当時によく久米川のジンギスカン料理のお店に通っていたんです。そこのママさんが姓名判断に凝ってまして、あ、今はもう資格を取ってプロとして占っている方なんですが…、その方が「天望心喜って名前いいよ~!」って付けてもらって、自分もその気になったんです(^_^;

で、ちょうど連載のオファー(エステ☆クリシュナ バンブーコミックス)が来てた時だったので、使わせてもらったというのが理由ですね。で、いずれは「あさぎ龍」をやめてこっち(天望心喜)にしようって思ってたんです(^_^;
稀見:ペンネームに関しては、意外にフランクというか、そんなに強い思い入れはない方ですか?
あさぎ:そうですね~。 名前はどんどん変えていっていいとは思っていますね。
稀見:でも「あ行」は譲れないと(笑)
あさぎ:いや、そういう訳じゃないんですが、「あ行」だといい事もありますよ!
50音順だと常に最初に来ますから、いろんな場合にすぐに見つけてもらいますからね(^_^;
稀見:いろんなリストでいつも上に来て発見しやすいです。私のアドレス帳もあさぎ先生がTOPです(笑)
では、天望心喜は姓名判断的に吉ということで、複数名義の1つという事ですね。
あさぎ:そうですね。ちなみに「あさぎ龍」は姓名判断的には凶らしいです(^_^; 字画的に。

■大学を辞めた後は、もう酒浸りの日々に…(^_^;

稀見:デビューのきっかけを教えていただけますか? 先ほど「漫画ばんがいち」や「コミックハウス」さんに投稿したという事でしたが、最終的にはどういう形でデビューされたんでしょうか?
あさぎ:「漫画ばいがいち」に投稿した時は絵も話もひどくて、しかも13ページという中途半端なページ数で投稿したんですが、コメントで「基本的にはマンガが描けそう」みたいな言葉をいただいたんです。

それで図に乗って、高校在学中に2本ぐらい描いたんです。1本はコミックハウスさんに投稿したんですが、その作品で5万円もらったんですよ(^_^; それでMDプレイヤー買ったりして(笑)

それで、3本目は大学受験が終わって、暇だった時に描いたやつで、それがコアマガジンの「漫画ホットミルク」(1998年10月号「新世界より」)に載ったんですよ。

デビュー掲載号「漫画ホットミルク 1998年10月号」(コアマガジン)


デビュー作の「新世界より」


雑誌に載りますよ~って電話がかかってきて…。
ですから、それが一応のデビュー作になると思います。
稀見:じゃ、デビューとしては結構速いですね。大学入る時だったら、18歳、19歳ぐらいですからね。
あさぎ:そうですね~。でももちろん、そこから当然苦労するわけですよ(^_^;
稀見:マンガの基本的な描き方などはどうやって学んだんですか?
描き始めて3本でデビューというのはすごいと思います。
あさぎ:完全に独学ですね。ま~向いていた? と思うぐらいしかできないんですが…。アシスタントを初めてしたのも大学を出てからでしたし…。あ、すいません大学は出てません(^_^;
途中で辞めてます。
稀見:いや~、でもやっぱり才能だと思いますよ。素人のものまねでも普通は雑誌に掲載されるレベルまでは真似できませんから(^_^;
あさぎ:器用だった部分はあったと思います。でも、それがいけなかったんだと思います。というのも、天狗になるとか、人を見下すつもりはなかったんですが、中途半端に器用だったせいで「どこかしら出来る!」という妙な自信ばかり先行しちゃって、勘違いというか…。今だったら、そういう自分をぶん殴ってやりますね(笑)
稀見:デビュー後の活動はどういう感じだったんですか?
あさぎ:「パピポ」(1999年9月号)に作品が載りました
稀見:大学に通いつつ、平行して描かれていたんですね。
あさぎ:バイトもしないで描いていたので、1年生の時にお金が全くなくなってしまったんですよ(^_^; で、実家が草津温泉の旅館をやっている友人に頼んで、働くから連れていってくれって頼んだんです(笑)

ちょうどその時(帰る時だったかな?)にコミックハウスさんから連絡があって、代原として載せてくれることになって、「あ~、これでまた暮らしていける…」と(^_^;

そんな感じで年2、3本描いてたましたね。で、大学を辞めた後は、もう酒浸りの日々に…(^_^;
稀見:(;゚∀゚)=3 急に荒れましたね…。もし、差し支えなければ訳を…。
あさぎ:実は、授業料の減免の手続きを怠っていて、払えなくなっちゃったんですよ…。じゃ、辞めようと…。大学って授業料払わないと「中退」させてくれないんですよ「除籍」になるんです…。
稀見:(;゚∀゚)=3 居たことさえ、なかったことにされてしまう…。(※除籍は記録が抹消されてしまい、中退と違い転編入、および再入学、資格取得の面で差が出てくる)
あさぎ:除籍後はラーメン屋で働いていましたね。人間、ご飯食べられて暮らしていければ、マンガ描なんて描かなくてよくなるんですよ(^_^; 
しかも、まかないがありましたからね~。
で、毎日酒飲んでましたからね…。そんな暮らしが3、4年続きましたね。
稀見:その間は全くマンガは描かず?
あさぎ:ちょくちょくは描いてましたが、全然身が入らなかったですね…。
稀見:でも、実際にマンガ家として食っていくとわかる人は多いとは思うんですが、マンガ家って食っていくの大変じゃないですか? もちろん当たれば大きいというのはありますが、生活する上では、確かにフリーターやっている方が安定して食える場合もありますからね…。マンガ家は不安定で且つ費用対効果というか、かける仕事量に比べてリターンが少ないですからね(^_^;
でも、それでも「好き」というモチベーションが支えてくれてる部分が大きいとは思います。

ま~そういう悶々とした生活が2、3年ぐらい続けられたわけですが、新たに復活した経緯を教えていただけますか?
あさぎ:26歳ぐらいに勤めていたラーメン屋の経営が悪化しまして、そこも辞めざるを得なくなったんです。そうなってしまって、今度こそマンガ描かないと食っていけないぞ、という感じになったんです。
稀見:もう描かざるを得ない状況になってしまった?
あさぎ:最初に「桃姫」に載った作品の前に、プレゼン用として描いた作品があったんですよ。もちろんもっと下手だったんですが(^_^;

富士美デビュー作「ひとり暮らし★はじめます」2006年


で、それを最初にワニマガジン社さんに持っていったんです。でも、そこでは「まだ勉強が足りないよ!」って言われて、次に興味があった茜新社の「LO」の編集部にも持っていったんです。でも、そこでは「キミ~ロリコンじゃないでしょう!?」って言われて(^_^;
稀見:何故バレたんだ!!(;゚∀゚)=3 って感じでしょうか?(笑) 
LOは偽装ロリでは通用しない?
あさぎ:もうその時は門前払いのような感じでしたね…。そして次に富士美さんに持っていって、「じゃ、ちょっとウチで描いてみますか?」って田編さんに言ってもらって、何とか拾ってもらったという感じですね。

でも幸いなことに、富士美さんでは毎月お仕事を頂けたもんですから、なんとか暮らしていけましたね。当時の「桃姫」には結構余裕があったみたいなんですよね。
稀見:余裕というか「桃姫」自体凄く厚くなってきていた時期だった気はしますね。そういう意味では誌面に余裕があったのかも?

で、毎月お仕事を頂けるようになって、マンガ家として暮らしていけるようになったんですね?
あさぎ:そうですね~。毎月16P~20Pぐらい描くようになったと思います。でも当時は自分は結構やさぐれていたんです、今はだいぶ丸くなりましたが(^_^; なんか当時はストイックなことを考えていて、マンガ家をやるんだったら1年間は1人で家に籠もってやるって!!
稀見:孤高のマンガ家!!
あさぎ:1年間ほとんど人に会わないで、実家にも帰らないで、狭いワンルームの部屋でコリコリコリコリ描いてましたね(^_^; 今思えば、もっと外へ出ていればネタも拾えたと思うんですけどね。

若い頃の自分って、自分中心の世界観というか、若い人にありがちなのかもしれませんが…。
人のアドバイスとかは聞くだけ聞いて、右から入って左に抜けていくんですよ(^_^;

で、自分なりに自分だけで何とかしようとばっかり思っているんですよ。人に頼るという事ができなかったですね。

■ほんとびっくりですよ(^_^; 田編(担当)さんも何を考えていたんだかと!?

稀見:先生の作品の内容についてお伺いします。とにかく、エロマンガが好きで最初からエロを描き始めたということは伺いましたが、最初は今のように「レズマンガ」にこだわって描かれていたわけではないですよね? 

最初にエロマンガを描こうと思った時に、参考にしたもの、起点となるものはなんだったんですか?
あさぎ:一番端的に言えば「童貞」の妄想なんですが(^_^; もちろん彼女もいませんでしたから、こういうお付き合いが出来たらいいな~という妄想ですよね。今思うと、「童貞」の時の方がエロマンガってノビノビ描けるんじゃないかって思いますね(^_^; 
逆に今はリアルな描写は描けるようにはなってきたんですが、「夢」のある話はそんなに描けないかな~って(笑)
稀見:いわゆる「童貞力」ってやつですね。
あさぎ:前、担当の田編さんにそれを言ったら「まちがいない!(`・ω・´)」って言ってくれましたよ(笑)
今アシスタントをしてくれている子に1人「童貞」が居るんですが、そいつが結構キレがあるネームを描くんですよ(笑)

童貞とは違うんですが、作品作りに影響されたもので言うと、『うめモモさくら』(著:鈴木祐美子)ですね。これを高校の時に読んで、ちょっと切なくなりましたね。(単行本を持ってきてもらいつつ、中を開いて)こういう夏の雰囲気を出すのが凄く上手な作家さんで、こういう空気感みたいなものを描けたらいいな~ってすごく思っていたんです。

『うめモモさくら』(著:鈴木祐美子)


だから、この作品が最初(作品を描こうと思った)のモチベーションだったと思います。絵的にはやっぱり江川達也先生や藤島康介先生の影響を受けているとは思いますね。あとは高河ゆん先生ですかね~。あと、ベタの使い方などは田島昭宇先生の影響が大きいと思います。
稀見:ストレートに一般マンガの方ではなく、エロマンガの方に向かったというところは面白いですね。先生の作品のベースになっている部分って、エロでもたとえレズでも「青春もの」という感じがしたのですが、影響された作品を聞いて何となく納得できました。
あさぎ:「青春」かぁ~(^_^; なんか緩いのばっかり描いているな~とは思いますけどね。
今でもそうですが。
稀見:特に「桃姫」で再デビュー?したあたりは、そういう青春ストーリー的なエロマンガが中心という感じはありましたが、それが「レズマンガ」へとシフトし始めますよね。その辺の心境の変化をお伺いしたいんですが?
あさぎ:それがわからんのですよ~(^_^;

作品で言うと「倉田美奈」ですよね~。でも、この作品も1話ではレズマンガではないんですよね(^_^; なんでしょうね? たぶんAVとかでレズものを観たんですよ。
それで「こんな世界もあるのか!(;゚∀゚)=3」って衝撃を受けたのは覚えていますね。
稀見:ということは、もともと先生が秘めていた「フェチ」ではなく、エロマンガを描き始めてから開眼した、新しい「フェチ」だったんですね!
あさぎ:そうですね。そういう意味では、かなりウブですよ(^_^;
だって、この作品描いている時でも「百合」という言葉は知りませんでしたからね。何で「百合学園」とかタイトルが付いているのかわかりませんでしたから(^_^;
ジャンルとしての「百合」とか「レズ」とかは本当に意識してませんでした。

ですから、この「女流棋士 倉田美奈」は境界線が曖昧な時に描いたから内容もちょっとあやふやなんですよね(^_^;

未収録の名作「女流棋士 倉田美奈」


感じると棋力がアップ!という画期的なシステム(笑)


稀見:でも、コメディー要素は大きいですよね。
エロコメというジャンルという感じで読んでいました。
あさぎ:だから、レズものを描きたかったから女流棋界の話を考えたというわけではなかったんですよ。描いているうちに自然にそっち方向に向かっていったという認識ですね。

急な珍客襲来!! ココナちゃん(♀)


稀見:おお~~、ユーチューブにアップしなくては(笑)
あさぎ:こんな事ばっかりするんですよ(^_^;
稀見:すいません、可愛い邪魔が入りましたが(笑)

先生の中ではこの「倉田美奈」の話が、自分の作品の方向性を定めた、1つのポイントとなる作品になったと?
あさぎ:今思うと確実にそうなっているんですよね。内容もそうですが、絵の描き方自体バックをしっかり描こうとか、いろんな意味できっかけになった作品になった気はしますね。
稀見:個人的には、この企画(将棋エロマンガ)が通ったという事が驚きでした(^_^;
あさぎ:ほんとびっくりですよ(^_^; 
田編さんも何を考えていたんだかと!?(笑)

打ち合わせの時は、将棋か料理マンガ、あ、バイトでなべを振っていた時期もあったので、の話が出たんですが、じゃ将棋マンガで行きましょうってなったんですよ。かなり軽かったですね。
逆に今だったら通らなかった企画だったかもしれませんね。(結局この作品は、単行本未収録)
稀見:いや~エロマンガで将棋マンガを読めるとは思ってませんでしたよ(^_^; 私、個人的に「将棋マンガ」を集めているんですが、エロで将棋の対局シーンがあるマンガって、まだ数えるぐらいしか見たことありませんし(笑)

「倉田美奈シリーズ」の何が好きかって、感じると読みが深くなる!という設定ですヽ(*°ω°)ノ
「なんて斬新なんだ!」って思いましたよ(笑)
その時に、もう絶対インタビューしようって思いましたから!
あさぎ:でも、それ以外設定ないですから(^_^;
今でも将棋マンガはネタとしてはいつもどこかに隠し持っていたいという気持ちはありますね。
稀見:ここからは完全に読者を振り切って話しますが(笑) 先生のマンガを読んで、この作者は絶対に将棋を知っている!って確信しましたね。将棋の駒の配置が素人じゃないんですよ!
あさぎ:これは棋譜(将棋の駒の配置を、動きを示した表)をひっぱてきているんですけど、そのままだとダメなんですよね。棋譜にも著作権がある(実は法的にはまだ認められていないが、将棋、囲碁の団体などはその権利を主張している背景がある)ので、少し変えているんです。
稀見:いや~そういう所が素人には出来ませんから(^_^;
というか、先生は将棋の経験というか、なにか部活に入っていらっしゃったんですか?
あさぎ:高校の時に将棋愛好会に入っていました。今は将棋部に昇格して強くなったらしいです(^_^;
稀見:将棋自体を始めたのはいつ頃だったんですか?
あさぎ:小学校の4年生ぐらいだったかと? 父親に無理矢理やらされることが多かったんです…。
それで、勝つまで毎日やらされましたね(^_^;

小学校の4年から初めて、6年生の時修学旅行があって、その旅行から帰ってきたんですが、さすがに今日はしないだろうって思ったら「おい!指すぞ」って(^_^; で、その時初めて勝ちましたよ!
でも、勝ったと思ったらまた将棋ですよ!(;゚∀゚)=3
稀見:お父さんは真剣師(将棋を賭け事として生業にしている職業の方)ですか??(;゚∀゚)=3
あさぎ:いや~違いますけど、負けると今度は悔しがって、仕事に行かない時もありましたよ(^_^;
本当に嫌でしたね~。
稀見:将棋が凄く強いけど、凄く憎んでいる…ってまるで、マンガの設定そのものですよ(^_^;

将棋萌えマンガといえば「しおんの王」(作:かとりさとる 画:安藤慈朗)


■急につまらなくなって、どんぶりをひっくり返しちゃったんです(^_^;

稀見:これはちょっと小耳に挟んだ情報なんですが、話せる範囲で…。俗にいう「大久保事件」というのがあったと聞いたんですが、どういう事件だったんでしょうか?
あさぎ:あ~担当の田編さんとの話ですかね? あれはですね~、確か「少女聖域」の連載中の出来事だったと思うんですが、担当編集の田編さんの後輩でKさんという方がいるんですが、その人と私と田編さんで大久保のその名も「龍」という中華料理に行ったことがあるんですよ。……(中略)何かしらイライラしていたんですよ。で、急につまらなくなって、どんぶりをひっくり返しちゃったんです(^_^;
稀見:(||゚Д゚)ヒィィィ!
あさぎ:いや~吹っ飛んでいきましたよ(笑)味噌ラーメンが!

「いい加減にしてくれよ~~こっちは楽しく吞みてぇんだよ~~~」って(^_^;

がしゃーーん! いったい何が起こったのか!


というわけで、ブログ公開はここまでです。この後いったい何が起こったのか!? 編集と作家の修羅場の顛末は、是非とも同人誌で( ´ ▽ ` )ノ

それにしても、ラーメンの話題の多いインタビューでした(笑)
あとは、先生の飼われている4匹の猫ちゃんがほんと可愛いです。同人誌には特別「猫ちゃんギャラリー」を設置しましたので、猫好きな方にも是非お勧めですぞ!!

「エロマンガ将棋部」さりげなく募集中です! 俺はあさぎ龍先生より強い!という方は是非(笑)

■あさぎ龍単行本!



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