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2010
【緊急インタビュー】赤月みゅうと先生に聴く!
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ども、稀見理都です。現在夏コミに向けて、絶賛「エロマンガノゲンバ Vol.3」の編集中です!

その中の記事の企画で「エロマンガが出来るまで」という特集があるんです。
もの凄く単純に解説すると、僕らの大好きな成人マンガが、企画段階から制作、印刷、販売される過程って、解っているようで意外と知らないことが多い。じゃ、それを追いかけてみよう!と思って、今年の初めから取材をしていました。

そこで追いかけていた1冊が「イノセント~少女メモリア~」(著:赤月みゅうと)だったわけです。しかも赤月先生の初単行本という事もあって、非常に取材甲斐のある内容でした。

著者:赤月みゅうと
発行日:2010年6月
1,050円(税込)


そこで、今回はその記事のダイジェストではないですが、工程を簡単にまとめた記事と、赤月先生へのミニインタビューを掲載したいと思います。


■表紙・原稿校正・色校正

ま〜本当は、最初から色々あるんですが、若干省きます。単行本の命は「表紙」と「タイトル」です。タイトルをどう決めるかなどは同人誌のほうで詳しく書きますが、ここでは絵的に分かりやすいものとして、表紙のラフを…

表新案はもっとたくさん出されるが、決まった表紙のラフがこれ!


赤月先生がこういうのはどうだろう?と、何種類も表紙のラフを考えて担当の人と何度かやり取りをして、最終的にこれにしようという物に決まっていきます。この辺はもちろん、編集部や著者にとっても、場合によっては担当によっても方法はまちまちです。

今回は5,6種類出た案の中からこの表紙が選ばれました。
(ちなみに、モザイクの所にはエロいものが描かれているわけではなく、打ち合わせ等のメモ書きが描かれているために、ぼかしました)

と、単行本の装丁を考えると同時に、そもそもの原稿のチェックも行います。

印刷所から単行本用の試し刷りが送られてきます


単行本にするに当たって、雑誌の時の原稿を修正したりするのはもちろんですが、ここではその後に、単行本として印刷されるサンプルに対しての最終的な確認と修正を行います。写植ミスやゴミ、ズレなどがないかを担当、著者で確認し印刷所に指示を出します。(ここも、出版社によって方法は変わります)

1冊文の校正原稿だとこんな厚さになります



単行本はモノクロページだけではありません。カラーページもあります。カラーページのための、色校正も行います。

色校正用の印刷原稿


もちろん表紙もカラーなので、表紙用の校正印刷原稿もあります。表紙は重要なので、いろんなパターンを刷って、どれがいいかなどを検討したりもします。

実際に本として印刷された物とどこが違うかな?



■印刷

全ての原稿のチェックが終われば、今度は印刷です。

常に色のチェックを怠らない!


基本1枚16冊分の大きな紙に印刷していきます。ただ、インクは生き物なので、いろいろな条件ですぐに変化をきたします。なので、一気に全て刷るわけではなく、印刷しては色のチェック、印刷しては色のチェックと細かく進めていきます。

実際に印刷された、表紙の束!!


もちろん、モノクロページも例外ではありません。インクの乗りなどを常に計測して、微妙なズレなどを常に修正し印刷していきます。いくら機械化が進んだとは言え、結構人間の匠の技はまだ活かされているのです!!


■販売

そして、ようやく書店販売です。ティーアイネット直営の販売店「オータムリーフ」で、販売の様子をチェックです。

秋葉原の奥の奥にたたずむ、オータムリーフ!


「イノセント~少女メモリア~」は6月4日発売だったので、4日にさっそく行ってきました。

なんと、もうこんなに売れている!!


発売日にもかかわらず(政治的な判断によりあまり大きな声では言えないのです!)、もうかなり売れていて、既に重版が決まっていました!!
レビュアーの方にもかなり高評価を頂いているらしく、また一般読者の反響もかなりいいとのこと…。私の本ではないのですが、ズーッと追いかけていた本なので自分のように嬉しかったです(^_^;

編集部に伺ったとところ、今売り切れてない書店でも16日には再版分が入荷するとのことです。期待して待て!!


■ミニインタビュー

ということで、早速今の心境を著者の「赤月みゅうと先生」に伺ってきました。簡単ですが、こういう話題は新刊が発売されたときじゃないとあまり意味がないので、緊急取材です!

稀見:率直に自分の処女単行本を手にとってみた感想は?
赤月:感激!!と言えればよかったんですけど、初見では、う〜ん、やっぱ表紙のヒロインの肌がちょっと濃いかなぁ(本当はこんな事言わないほうがいいですけど(笑))って感じでしたね。ちゃんとした本だなぁという感動は後からじわじわと。
稀見:単行本作業を行うに当たって、一番苦労した事は何ですか?
赤月:やはり表紙ですね。全く経験がなかったので何ができるのか、何をしなければならないのか、というものが分からなくて、いろいろ勉強させていただきました。特に表紙1(表表紙)に関しては結構時間も余裕をもってやらせてもらえたんですがPP貼り(表紙のポリプロピレン・フィルムの圧着加工)で色が濃くなる感覚がなかなかつかめなくて、結局力を抜いて描いた表紙4(裏表紙)の方がうまくいったという(笑)新人によくあるパターンだそうです。
稀見:既に単行本が書店に並んでいますが、それを見たときの感想は?
赤月:正直”怖い”と思いました。一つとして手を抜いたところはないという思いはあったのですが、話にも結構力を入れているので最近のエロマンガの傾向を聞いても、これがはたして受け入れられるのか、と。でもやりたい事ばかりやらせてもらえているし、MUJINという雑誌でなければ、こういう物を作れるとも思っていなかったので、結果はどうあれ”反省はしても後悔はしないぞ”って思っています。(笑)
稀見:最後にファンの方へのメッセージをお願いいたします!
赤月:先ほどやりたい事と言いましたが、プロとしてやっていく以上読者の方に受け入れられなければそれをやる意味もないとは思っています。数字や感想はリアルに自分に返ってくるので、それによって僕の作品も変化していくと思いますし、その一方で自分の中にもやりたい事が色々あって、それでも全て読者しだい。作家を育てるのはまさに読者だなぁ、と痛感しています。どうか”赤月みゅうと”を今後とも育てていただければ幸いです。あ、あと単行本を買ってくださった方。本当にありがとうございました!お金を出して物を買って貰うというのは本当に凄い事だと思います。ただただ感謝です!!m( _ _ )m


■詳細は「エロマンガノゲンバ Vol.3」で!!

この、もっと細かい工程の記事は、夏コミ発売の「エロマンガノゲンバ Vol.3」に収録されます。20P以上になる大特集なので、より細かい「エロマンガが出来るまで!」の記事になる予定です。楽しみにしていてください( ^_^)/

エロマンガノゲンバ Vol.3

エロマンガノゲンバ Vol.3


【インタビュー関連リンク】
 
86 ero

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